紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)3態(妙義山麓 群馬県甘楽郡下仁田町 10月20日)
10月21日(月)
 昨日は、妙義山の麓まで往復しました。紫金山・アトラス彗星の撮影が目的です。朝からよい天気でした。風が強く、出かけるときには海には白波が立っていました。海は荒れていました。

 はるばるいかなくても彗星の写真は撮影できますが、空の暗い場所で撮影できれば、よりクオリティーの高い写真が得られるためです。行って正解でした。なぜなら、当日の庭先からは、雲にさえぎられて彗星を見ることができなかったためです。

 途中で道の駅に立ち寄り、地元産の野菜などを購入してから現場に入りました。天気は良く無風でした。あれだけ強風が吹いていたのがうそのようでした。約束していた、星仲間とそこで合流しました。ほかにも10名近い人々が彗星の写真を撮影しようと、待機していました。

 今回の機材の中心は、ポータブル赤道儀です。また、眼視でも見るために、ニコン10×70双眼鏡も持っていきました。今回の彗星では、この双眼鏡が大活躍です。

 日没近くなると、南の方から雲が押し寄せてきました。その雲は、日没後に金星や彗星が見える方向の空を覆いつくしてしまいました。撮影はあきらめかけていたのですが、星が見えだす時間になると、次第に薄くなっていきました。

 双眼鏡で彗星を探すと、金星のはるか上の、やや右の方に彗星がありました。空が暗くなってくる頃には肉眼でも見えるようになりました。先日よりやや暗くなってきた印象でした。双眼鏡で見ると、核の明るさは3等級程度、尾は次第に伸びてきており、5度の視野の双眼鏡からはみ出していました。

 彗星の見える方向の手前には木立がたくさんありました。固定撮影を行う時に、障害となりそうだったので、機材をセットした場所よりも一段高い場所まで斜面を登って、固定撮影用のカメラをセットしました。最初にそれで固定撮影から入ったのですが、どうやら撮影の順番を誤ってしまったようです。

 彗星は山並みのはるか上空にあり、広角レンズを使用しないと地上の景色が入りません。下まで降りるには、急斜面を下らないといけないのですが、これが結構危険です。また時間もかかります。そのまま撮影を続行しました。

 撮影を終えて、下に降りるときに、勢い余って転んでしまいました。機材は大丈夫だったのですが、背中を強打してしまいました。そのおかげで、今日は体が痛いです。私共の歳になると、一番怖いのは、転んで骨折することです。そのまま寝たきりになる可能性があるためです。さいわい、そこまでの痛みはないようです。

 追尾撮影を行う頃には、彗星の高度がだいぶ低くなってしまいました。また、肉眼では認められなくなってきたので、カメラの視野に導入するのが一苦労でした。仲間に頼んで、彗星の見える方向に双眼鏡を向けてもらい、それを頼りにカメラの視野に導入しました。

 遠征先でドタバタするのは久しぶりでしたが、何とか撮影できてほっとしているところです。撮影が終わり、機材を撤収した後、二人でコーヒーでも飲もうかと準備にかかりましたが、そこで気が付きました。あ・・・!お湯を沸かすためのコンロ用カセットを持ってこなかった・・・。次回から気をつけるようにしたいと思います。

 下の3枚の画像は、一番下が、固定撮影のために、画面の下が地平線です。その上の2枚は追尾撮影のために、画面右が北になります。
画像のデータ 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月20日 19時05分から19時12分 EOS1Ds MarkⅢ EF200mm f1.8L USM F3.5 ISO1250 8sec×30フレームコンポジット 総露出時間 4分 画面右が北です。
画像のデータ 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月20日 18時28分から18時42分 EOS1DX HKIR Zeiss Milvus 85mm f1.4 F2.8 ISO1250 10sec×34フレームコンポジット 総露出時間 5分40秒 画面右が北です。彗星を遮る雲が流れています。
画像のデータ 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月20日 18時11分から18時13分 EOS1DX HKIR Zeiss Milvus 85mm f1.4 F2.8 ISO1600 10sec×6フレームコンポジット 総露出時間 60秒 画面下が地平線です。
都道府県魅力度ランキング
10月18日(金)
 ブランド総合研究所が毎年発表する、表題のランキングが10月13日(日)に発表されました。魅力度ランキングなどどうでもよい・・・と思いつつも、このブログ「星雑記」でたびたび取り上げているのは、万年最下位の茨城県がどうなったかを気にしているためです。

 残念ながら(本来なら・・・うれしいことに・・・と表現します)今年は最下位から脱出してしまいました。45位となり2ランクアップしてしまいました。最下位は佐賀県になってしまったようで、その座をあけ渡してしまいました。

 ちなみにこの成績を喜ぶのは、県庁の職員を含めたごく一部だと想像しています。あくまでも私共の個人的な意見です。多くの県民は、最下位であることの方がよいと思っているはずです。その方が目立つからです。

 観光資源といえば、袋田の滝くらいしか思い浮かびませんが、近年人気となっているのが、国営ひたち海浜公園です。テレビでもたびたび取り上げられるために、今ではすっかり有名となりました。ゴールデンウィーク期間中のネモフィラの時期、秋のコキアの紅葉の時期などは、大変な数の観光客が訪れます。外国人もたくさんです。インスタ映えするスポットとして人気があるようです。

 実は、食材の宝庫でもあります。新鮮な魚、野菜、果物などじつにさまざまです。今の時期は、笠間市を中心とした栗が旬です。数年前にオープンした道の駅では、モンブランを求めて行列ができます。干し芋も人気があります。今は、その材料となるさつまいもの収穫期です。

 私共の生まれ故郷である、ひたちなか市は訛りのきつい地域です。そこで育った私共は、プラネタリウム解説者でありながら、いまだにその訛りが抜けません。時々、茨城県の出身者ですか・・・と聞かれることもあるくらいです。さすがにこの年になると気にしなくなります。

 ランキングはそんな感じですが、今一番気になっているのは、天気です。紫金山・アトラス彗星は2回撮影しただけで、その後チャンスに恵まれません。昨日は満月がよく見えていましたが、西の空には薄雲が広がっており、双眼鏡を使っても見つけることができませんでした。

 地球から次第に遠ざかりつつあるので、これから光度も落ちていくことでしょう。再度撮影できるチャンスが訪れるとよいのですが・・・。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
10月15日(火)
 日没後に、彗星を庭先から狙える高度まで、彗星が高くなってきました。太陽からの離角が大きくなってきたためです。しかし、それでもまだ日没後に空が暗くなりかけの頃です。真っ暗になるまで待っていると彗星が沈んでしまいます。もっとも反対側の空には、月齢12.3の月が出ていますので、しばらくは月明かりのもとで、撮影しなくてはなりません。

 上の画像は、今日の撮影のために準備した機材です。といっても画面左の2台は、もともと太陽面を撮影するためのもので、庭に出しっぱなしです。15センチ屈折望遠鏡は、太陽面の撮影が終わると部屋にしまってしまいますが、今日はそれも夕方のためにスタンバイさせておきました。

 このTOA150Bという屈折望遠鏡で、彗星の頭部の拡大撮影を行うためでした。画面奥に見える2つの機材は、左がニコン10×70双眼鏡を固定するための三脚、その右がポータブル赤道儀です。

 画面からわかるように、望遠鏡の前には、植木があります。TOA150Bの左前にある植木が、彗星の撮影時刻に、彗星を遮る可能性がありました。それは、画面左のマークX赤道儀でも同じでした。そのため、その奥にポータブル赤道儀をセットしたのですが、結果的には、それで撮影することになりました。あと数日が経過して、彗星がさらに高度を上げてくれば、TOA150BやマークX赤道儀の出番となるでしょう。

 朝からよい天気でした。その安定した天気が日没後まで続くとは考えていませんでしたので、結果的にはよかったと思っています。天気の条件としては、下の画像を撮影した2日前の方がはるかに透明度が高かったのですが、今日はまずまずといったところでしょうか。

 彗星の核(核については、下で記述したとおりです)は、明るさがやや落ちてきたように思いました。しかし、尾の方は、2日前より伸びているようです。肉眼で確認したところ、尾の長さは、約7度でした。

 天の北極におおざっぱに、ポータブル赤道儀の極軸を合わせました。200mmレンズで数秒の追尾ですので、それで充分です。20枚以上の画像を同じ構図で撮影してコンポジットするつもりでした。撮影終了後にフラット補正用の画像を撮影してから、機材を撤収しました。

 撤収といっても部屋に運ぶだけですが、これだけの機材を準備すると、その準備も撤収も大変な作業となります。加えて、画像処理にも時間がかかります。

 このようにして、得た画像を下にアップしました。双眼鏡でのぞいているときにも、撮影しているときにも気がつきませんでしたが、彗星の頭部から尾とは逆方向に向かって一直線上に伸びる、アンチテールが見えています。これは、地球が彗星の軌道面を通過する際に、大きく曲がった彗星の尾が、見かけ上、尾の反対側に伸びて見える現象です。


画像のデータ 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月15日 18時00分から18時08分 EOS1Ds MarkⅢ EF200mm f1.8L USM F3.2 ISO1250 2.5sec×22フレームコンポジット 総露出時間 55秒 画面右が北です。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
10月13日(日)
 やっと彗星を撮影することができました。彗星が明け方の空に見えていた9月末頃からずっと追い続けていたのですが、天気が悪く、一度も見ることはできませんでした。夕方の空に見える時期を心待ちにしていました。

 西の空がよく見える場所で、なおかつ光害が少ないという条件で、真っ先に思いついたのが伊豆半島最南端の石廊崎でした。星仲間とともに遠征する予定でした。しかし昨日、近所のさつまいも畑の近くで彗星を探したときには見つかりませんでした。西の空には多少雲がありました。撮影もしましたが、捕らえることはできませんでした(今日になって、よくよく見たら、昨日撮影した画像の中に写っていました)。

 昨日の状況から、遠征は断念しました。3連休の中日に、渋滞の中に巻き込まれながら時間をかけて、はるばる遠征するのはいかがなものかと思ったためです。今日は昨日以上に良い天気でした。近所のさつまいも畑の近くを撮影ポイントとしました。

 昨日は、ニコン8×30双眼鏡と135ミリクラスの望遠レンズを持っていきましたが、今日は双眼鏡、望遠レンズともに、より大口径の機材を準備しました。双眼鏡はニコン10×70で視野は5度ほどあります。一方望遠レンズはキャノンEF200mm F1.8L USMです。

 撮影場所までは車で約5分です。日没後すぐに現場に入り、急いで機材を準備して、望遠レンズのピントを合わせ、ファインダーで、彗星の方向に向けると、視野に一発で入ってきました。双眼鏡で見るために、その方向に向けると、その視野にも一発で入ってきました。

 わずかに拡散状の核(彗星本来の核ではなく、ここでは見かけの明るい芯の部分のことです)は1等級程度でしょうか。その核から、尾が伸びているのがわかります。双眼鏡内で4度程度の尾です。目が慣れてきたので、肉眼でその方向を見ると、尾を4度ほど伸ばした彗星を見つけることができました。天気がよく地平線まで透明度がよかったためでしょう。

 地平線近くに接近して、大気による減光で彗星が暗くなるまで、双眼鏡で眺めていました。本当に久しぶりに見る肉眼彗星でした。ヘール・ボップ彗星以来です。

 彗星はこれから、日没後の高度をどんどん上げていくので、しばらくは撮影して画像をストックしておきたいと思います。関市まなびセンターの投影テーマで、9月と10月の2か月にわたって彗星を取り上げたのですが(テーマを決めたのは昨年度末のことです)、正解だったと思っています。

 上の画像は3枚をコンポジットしたものですが、ダストの尾が扇形に広がっているようです。イオンの尾は双眼鏡でも認められませんでした。


画像のデータ 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月13日 17時58分から17時59分 EOS1Ds MarkⅢ EF200mm f1.8L USM F3.2 ISO1250 1sec×4フレームコンポジット
紫金山・アトラス彗星とLASCO C3
10月9日(水)
 LASCO C3の今日の画像を見ると、彗星は画面の中央部の上の方に向かって進んでいます。昨日に比べると、尾の部分が次第に見えてきています。明るく大きな彗星に成長しているのではないでしょうか。ここ数日間は、このLASCO C3の画像から目が離せません。

 SOHO(Solar and Heliospheric Observatory 太陽・太陽圏観測機)は、欧州宇宙機関(ESA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)によって開発された太陽観測機です。1995年12月2日にアメリカのケープカナベラル空軍基地からAtlasⅡ-ASロケットにより打ち上げられました。

 観測機には12の観測機器が搭載されています。このうち、コロナの構造とその変化を観測する装置がLarge Angle and Spectrometric COronagraph experiment と呼ばれるものです。略してLASCOです。C1・C2・C3の3種類の機器により構成されています。C1は太陽半径の1.1から3倍まで、C2は1.5から6倍まで、そしてC3は、3.5から30倍までの範囲をカバーします。

 C1の画像は現在はアップされていません。C2の画像は、赤系の色で表現されています。そしてC3の画像は青系です。

 左の画像はSOHOのホームページから引用したサンプル画像です。

 画面中央部のやや左に見える白い丸が、太陽の大きさを示しています。この背後に太陽があります。

 その外側の濃いブルーの円は機器のオッカルターディスクです。すなわち太陽光線を遮蔽するためのものです。

 画面左下から、そのディスクに向かって伸びる、ややノイズののった、先細りの濃い青色の棒状のものは、オッカルターパイロンと呼ばれるもので、ディスクを支えるパイロンです。

 宇宙空間においては、地球上のように、大気による光の散乱がないので、太陽を遮蔽することで、疑似的に皆既日食を起こすことができます。そのために背景には、太陽の近くといえども、星が写り込みます。

 太陽から直線状に伸びる、青白いグラデーションが、コロナのストリーマーと呼ばれるもので、これを観測するのが本来の目的です。たくさんの彗星が、この視野の中を通過しました。2007年9月までに1290個以上の彗星が発見されているということです。
紫金山・アトラス彗星 その後
10月8日(火)
 下の10月2日(水)のところで記述した紫金山・アトラス彗星が、SOHO(Solar and Heliospheric Observatory 太陽・太陽圏観測機)のコロナグラフの中を通過するという説明をしました。今日のSOHOの、コロナの構造やその変化を観測する機器(LASCO)の視野に彗星が見られるようになってきました。

 LASCO C3という画像です。これまで、この視野の中をいくつもの彗星が横切っていきましたが、それらに比較すると一目見た瞬間に、かなり明るいな・・・という印象を持ちました。明日、明後日あたりに再度チェックすれば、尾の長さがどのくらいになっているのかの見当もつくのではないでしょうか。画像右側の白飛びしている物体が彗星です。これから、画面左上に向かって進んでいきます。

 彗星は、すでに太陽に一番近い場所を通過しましたので、今後、彗星の核が崩壊する可能性は低いと思います。今月中旬に夕方の空に現れるのがとても楽しみですね。

 画像を見るためのリンクを張っておきます。リンク先は、時間の経過とともに画像などが更新されますのので、リンクが外れている可能性もありますので、ご理解ください。できれば、今日ご覧になっていただくのがよいと思います。こちらこちらです。

 彗星に関しては、もう一つ注目しておかなくてはいけない情報があります。それは、もうひとつのアトラス彗星(C/2024 S1)です。ハワイ州ハレアカラ天文台で行われている、小惑星地球衝突最終警告システム(ATLAS-HKO)により、2024年9月に発見されました。即ち、つい最近です。

 太陽に極めて接近する軌道を持つ、クロイツ群(昔太陽に接近して分裂した巨大な彗星の破片)であるとみられます。サングレイザー(太陽をかすめる彗星)とも呼ばれています。その代表的な天体としては、池谷・関彗星(C/1965 S1)があげられますが、その時ほどは明るくならないだろうとみられています。

 しかし一方では、近日点(太陽に最も近い点です。10月28日に太陽から、わずかに123万キロ)を無事通過できれば、マイナス8等級前後で輝くだろうという予報もあります。

 太陽に接近するサングレイザーの中には、アイソン彗星(C/2012S1)のように、太陽に最接近(117万キロ)した際に、2760度近い高温などによって、彗星の核の多くの部分が崩壊してしまった彗星もあります。今回の彗星は、太陽に最接近する距離が同じくらいなので、生き残ってくれることを祈るばかりです。この彗星のこれ以上の情報は、また後日。
鉛筆画12作目(新薬師寺 十二神将立像(頞儞羅))
10月3日(木)
 鉛筆画の12作目が完成しました。新薬師寺の十二神将立像(頞儞羅)です。本尊である薬師如来坐像を囲んで立っています。頞儞羅(あにら)は両手で矢を構えています。完成までに約3週間です。制作期間としてはかなり早い方でした。あと7体残っています。

 下の画像では、白紙の部分に汚れが目立ちますが、これは画像処理の過程で、目視できない汚れが浮かび上がってきたもので、実物は白紙の部分もきれいです。いずれ額装してどこかで展示することになるでしょう。余白の部分はトリミングしてあります。

 すぐに次の作品に取り掛かるつもりです。
紫金山・アトラス彗星の撮影 その2
10月2日(水)
 午前3時に目覚ましをセットしておきました。その5分前に目が覚めて、玄関先に出てみると、空一面の曇り空でした。明るい星がひとつふたつ見えていました。近所の街灯を見ると、ライトのまわりに光芒ができていました。光の筋を引いており、どうやら霧が出ているようでした。海岸線特有の気象現象でしょう。再び床に入り、いつもの時間に起床しました。

 彗星の近日点通過の頃から、毎日のように朝早く起きて、空をチェックしてきましたが、結局一度も彗星の姿を見ることはできませんでした。明日朝も天気が悪そうですので、明け方の彗星を見ることは、もうできないでしょう。

 下の同じ表題のところで、10月7日(月)から10日(木)にかけて、SOHO(Solar and Heliospheric Observatory 太陽・太陽圏観測機)のコロナグラフの中を通過するという説明をしましたが、その時の太陽 紫金山・アトラス彗星 地球の位置関係を解説する図をステラナビゲータ12の機能を利用して作成しましたので、ご覧ください。

 図において、一番手前が地球です。赤い文字で表現してあります。中心に太陽があり、その間に紫金山・アトラス彗星が位置します。彗星は、水星と金星の軌道の間を、青い矢印の方向(すなわち黄道面の北の方へ)に動いていきます。一方の地球は反時計回りに動いていきます。地球から見ていると、彗星は太陽の手前側で太陽と重なるような位置にあります。

 SOHOの、コロナの構造やその変化を観測する機器(LASCO)の視野に彗星が見られる可能性があるということです。SOHOのホームページのLASCO C3という画像に注目してください。見えるかどうかは、彗星の明るさ次第です。
上の図は、ステラナビゲータ12の機能を利用して作成しました。
10月1日(火)
 夕方の散歩のときでした。空の状況から雨は降らないだろうと思っていましたが、帰り道で天気が急変し雨が降ってきました。最初は小雨でしたので、さほど気にしていませんでしたが、次第に大粒の雨に変わってきて、最後はずぶぬれとなってしまいました。傘は持っていきませんでした。

 西の空の方は、低空で太陽が雲間から顔を出していました。真っ赤です。虹が出る条件がそろっていたので、反対側の空を見ると、うっすらと虹が出ていました。その虹は、次第に色が濃くなり、そして2重の虹となりました。久しぶりに見ました。

 西の空に彗星がまわった際に、どこで撮影しようかロケハンをするつもりでしたが、すっかり忘れてしまいました。この見事な虹のように、彗星も大化けして、「夜空を翔ける虹」になってほしいと思っています。
紫金山・アトラス彗星の撮影
10月1日(火)
 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は、日本時間9月28日(土)の午前3時頃に近日点(太陽に最も近い場所)を通過しました。この時の太陽から彗星までの距離は、約5860万キロメートルです。これは、金星軌道の内側です。

 太陽の強烈な熱で、彗星の核が崩壊しないかどうか心配されましたが、その後もネット上に写真がアップされていることから、どうやら生き残っているようです。現在は、明け方の低空に位置しています。明け方の空に見えているのは、あと数日ですが、太陽に近く彗星を見るには極めて厳しい状況でしょう。

 彗星の明るさの予測は難しく、ネット上の画像からは、肉眼で見えているのかどうかすら判断ができませんが、尾は立派に成長しているようです。

 今後は、10月12日(土)に地球に最接近し、その距離は7070万キロです。その頃から夕方の空に姿を現します。中旬以降は、彗星の高度も次第に高くなり見やすくなりますが、地球からは遠ざかるので、明るさは徐々に暗くなっていきます。どのくらいの明るさで西の空に見えるようになるのかはよくわかりません。

 それより前の10月7日(月)から10日(木)にかけて、SOHOのコロナグラフの中を通過するので、その画像には注目しておく必要があります。

 今日は、午前2時半頃に目が覚めました。トイレに行った際に玄関先に出て、晴れているかどうかを確認したところ、木星・火星を中心に冬の星座たちが美しい姿を見せていました。西にまわった秋の星座の方を見ると、アンドロメダ銀河がかろうじて肉眼で認められるレベルでした。夜半を過ぎると光害が少なくなるため、空の条件はよくなるようです。

 準備してあった機材を急いで車に積んで、撮影のために、数百メートルほど走った海岸の駐車場に行きました。本来は徒歩で充分なのですが、機材がたくさんあったため、車を使う必要がありました。

 持参した機材ですが、EOS 1Ds MarkⅢ・EF300mm F2.8L・EF200mm F1.8L・APO SONNAR 135mm F2.0、それにポータブル赤道儀、三脚、ニコン10×70双眼鏡などです。機材を準備しているうちに、雲が広がってきました。300mmレンズのピントを合わせただけで終わってしまいました。

 雲間からは、月齢27.7のきわめて細い月(新月2日前)が地球照とともに見えていました。双眼鏡で見ると、それはまさに皆既食直前の太陽を見るようで、とても美しいものでした。あたりが明るくなるまで現場にいましたが、天気が改善する気配がないので、機材を撤収しました。

 明日の朝の天気は、今日よりもよさそうなので、再度挑戦するつもりです。おそらく明け方の空でのラストチャンス(いやもしかしたら今朝が最後だったのかも知れません)でしょう。ここ数日間、午前3時頃に毎朝、天気がどうなっているのか、空をチェックしていますが、いっこうに晴れる気配がなく、やきもきしています。

 下の画像は、機材を撤収後に撮影した空と海の様子です。この頃には一面の曇り空になっていました。
赤道儀の調整
9月28日(土)
 今日は、時々薄日が差していましたが、太陽面を撮影できるほどではなかったので、撮影は見合わせました。

 時間が確保できたので、少し前から気になっていた赤道儀の調整を行いました。右の画像にある、手前の赤道儀です。これは教え子からずっと借りているものです。高橋製作所のJ型赤道儀です。TS式160ミリ反射望遠鏡を搭載するために発売されたものです。発売されたのは1977年12月ですので、今から約47年前の物です。

 当時は黒い色の塗装ですが、これは塗り替えられています。これだけの年数が経過しても、大変しっかりしています。モータードライブ装置は、最新のものに置き換えました。お借りした当時は、ギア系の駆動系でしたが、トラブルがあったために、ベルトドライブ系の駆動装置に置き換えたものです。今年6月中旬のことです。

 それ以来、駆動系の調子を見るために、太陽面撮影時に毎回チェックしてきました。トラブルはほとんどなく、現在はとても安定しています。これまでの間に、途中で電源が落ちてしまうようなトラブルもあったのですが、電源ドラムのコンセントが緩んでいたのが原因だったようです。

 電圧も調べてみましたが、電源ドラムのコンセントにおいて99.5Vが来ていました。私共は電気の専門家ではないので、この数値がどうなのか判断がつきませんが、よいのではないでしょうか。

 ベルトドライブ系の最大のメリットは、ギア系のようにバックラッシュが生じないことです。しかしながら最近になって、赤経方向の動きにおいて、4倍速・8倍速で日周の逆方向に動かすときに、タイムラグが少しだけみられるようになってきました。

 今日は、それを解消するために、タイミングベルトまわりのモーターの取り付けネジを締めなおし、ベルトの張りを強くしておきました。工業用のタイミングベルトは伸びることはないとのことですが、購入当初から見ると、赤経方向がやや伸びてしまったようです。おそらく取り付け時の調整が悪かったのでしょう。

 明日からしばらく、太陽を撮影しながら様子を見ることにします。この駆動系は自動導入にも対応しています。ステラショット3やステラナビゲータ12を使用して、すでに動作を確認済みです。ただし、自動導入のスピードは、さほど速いものではありません。これほど古い赤道儀なので、贅沢は言えないでしょう。

 赤道儀の追尾精度ですが、少なくとも太陽面を撮影しているケースにおいては、充分に満足できる精度です。3倍の拡大光学系を使用して、焦点距離3300ミリ、撮影用のカメラは、35ミリフルサイズセンサー換算で、約1.9倍となりますので6270ミリとなります。これだけの焦点距離で追尾している割には、安定していると思っています。

 あとしばらく様子を見たのち、問題がなければ、夜の撮影に使用するつもりです。オートガイダーと組み合わせて、どのような精度になるのか期待しているところです。

 この赤道儀には、極軸望遠鏡がありませんので、ポールマスターというツールを使用して極軸を合わせます。TOA150Bという屈折望遠鏡を載せると、鏡筒バンドも含めて25キロの重さです。この重さのバランスをとるために、8キロのバランスウエイト3個(2個でもバランスが取れます)を使用しています。

 この赤道儀の後ろにあるのは、五藤光学製のマークX赤道儀です。2軸モータードライブで駆動します。純正のピラー脚に載っています。ピラーは、もともとグレーの色でしたが、私共がマークXカラーに塗り替えました。主に、Hα太陽望遠鏡を載せて撮影しています。

 いつの間にか、その後ろに彼岸花が咲いています。秋の気配をあちこちで感じるようになりました。近日中に、夜明け前の天気がよければ、近くの海岸に出て、水平線から上ってくる紫金山・アトラス彗星を撮影したいと考えています。
ヒーターコントローラーの修理
9月25日(水)
 天体写真撮影の際には、天体望遠鏡だけでなく、さまざまな機器がが必要となります。カメラ、レリーズ、赤道儀用電源、結露防止用ヒーター、作業用ペンライト、赤道儀の極軸合わせ用のツール、パソコン、テーブル、椅子などです。

 太陽面の撮影でも、大変な量の機器が必要ですが、毎日出し入れしていれば、それも日課となりますので、あまり苦にはなりません。しかし夜の写真撮影となると、暗い中での作業となるので、昼間以上に時間がかかりますし、神経を使います。

 昼間と環境が大きく異なるのは、夜露が降りることです。風がある日はさほどではありませんが、無風の日には、気がつかないでいると、いつの間にか体中がしっぽりと濡れてしまいます。

 天体望遠鏡の対物レンズ、ガイド鏡の対物レンズ、そして、カメラレンズなどを結露防止用のヒーターで守らないと、レンズが曇ってしまって、撮影ができなくなります。

 いつ頃購入したかは覚えていませんが、おそらく15年以上使用していると思います。カナダのケンドリック社製のヒーターコントローラーと、そのヒーター4本です。4本を同時に使用することもあれば、撮影機材によっては2本で済む場合もあります。

 遠征するときには、車用の12Vバッテリーから電源を取っていましたが、現在ではとても性能の良い、ポータブル電源に接続するようにしています。庭先で使用するときには、100Vの電源が使用できるので、あいだに12V変換アダプターをかませて使用しています。

 最近になって、コントローラーの通電を示す赤色のパイロットランプが点滅するようになってしまいました。すなわち、どこかで接触不良が起きているということでしょう。ヒーターが機能しないと撮影そのものができません。だいぶ酷使したのでそろそろ寿命かなと思いました。

 廃棄して新しいものを購入しようとして、ネットを見て驚きました。ヒーターコントローラーで消費税込みで、約20000円弱、ヒーターの方は、使用する対物レンズの大きさにより異なりますが、私共が使用する望遠鏡では、1本あたり約10000円以上です。

 仕方がないので、使用中のコントローラーの接触不良の原因を調べ、修理することにしました。劣化した12Vプラグも新品に交換することにしました。こちらは5Aのヒューズが内蔵されているようですので、同型の商品をアマゾンで購入することにしました。

 注文してから届くまでにずいぶんと時間がかかるものだなと思っていたら、中国から直送されてきて驚きました。商品の方はしっかりしたものでしたが、値段は思った以上に安いものでした。接触不良は、コントローラーから出るケーブルの付け根あたりで起きているようでしたので、それをカットして、別のケーブルに置き換えました。

 ヒーターを取り付けて、熱が出ているかどうか確認しましたが、大丈夫でした。あとは実際に使用してみて問題ないことを確認すればOKです。新しく買いそろえると、これだけでも結構な出費となるので、修理ができてよかったです。

 はんだ付けがいまだに得意ではありませんので、仕上げはいまひとつですが、動作していればよいので、これで問題ないと思います。天気のよい日の夜に、撮影に使用してみるつもりです。画像は、ヒーターコントローラーをばらしたところです。新しいケーブルに交換済みです。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 9月21日から22日)
9月23日(月)
 9月21日(土)から22日(日)にかけて、岐阜県関市の、まなびセンターにおいて、直径12メートルドームにメガスターゼロ投影機を仮設して投影を行いました。

 投影の前半部は当日夜9時の星空解説、そして後半部では「見えるか紫金山・アトラス彗星」と題して、投影を行いました。

 9月28日(土)に太陽に最も近い所を通過します。これを近日点通過と言いますが、その時の彗星から太陽までの距離は約5千900万キロ、すなわち水星と金星の軌道の間を通過していきます。

 当初は大彗星になるのではないかと予想されていましたが、この9月中旬までの観測結果からは、3等級前後になるとみられています。

 しかし、近日点を通過してみないことには、どうなるかわかりませんので、今回はこのテーマを取り上げました。

 テーマ解説の部分は、昨年度末には、まなびセンターと調整して決めておきます。彗星の場合は明るさの予測が難しく、その時点で、はたして取り上げてよいものかどうか、ずいぶん迷いました。しかし彗星という天体全般についても、解説しておきたかったので、あえてこのテーマとしました。

 彗星とはどのような天体なのか、どこからやってくるのか、その構造はどのようになっているのか、今回の彗星は、いつ頃どの方向に見えるのか、などに関して、オリジナルの解説図を使いながら解説しました。明らかに幼児・低学年向けの内容ではありませんね。

 しかし、小学校低学年の児童からは、投影終了後に、どうしてハレー彗星(ハレー彗星についても解説しています)は、何回も太陽のまわりを回っているのに、溶けてなくならないのですか・・・。などといった鋭い質問が飛び出します。解説しているこちらの方がびっくりするくらいでした。低学年のこどもたちにも、ある程度理解できていることがよくわかりますが、さすがにその下の年齢のこどもたちには難しかったのではないでしょうか。

 彗星はまもなく、明け方の薄明中の東の空に姿を現すでしょう。近日点通過後、どのような姿を見せてくれるのか楽しみです。太陽の強烈な熱で、核が崩壊しないことを祈るばかりです。

 21日(土)夜の、天体観望会は、雨こそ降りませんでしたが、一面の曇り空でしたので、プラネタリウムの解説のみでおしまいとなりました。画像は宿泊先のホテルから見た、まなびセンターの夕方の様子です。
レンズのクリーニング
9月13日(金)
 このブログ「星雑記」の9月5日(木)のところで、庭先で北アメリカ星雲を撮影したと記述しました。その時の画像を処理したのですが、結論から言って失敗でした。

 星空の写真もこれまで何度となく撮影しているので、いまさら失敗など・・・と思っていました。

 失敗の原因は、しばらく使用していなかったカメラ(改造カメラ・赤外カットフィルター除去機)を使用したのですが、撮影した画像の背景にかなり目立つ色むらが発生していたためです。
 
 赤い星雲にかぶってしまっていたので、画像処理の時点で修正しきれませんでした。

 原因を特定するまでに時間がかかってしまったことと、画像処理で何とかならないかと試行錯誤したのですが、あきらめました。

 どうやら輝星がフレーム内にあると、その散乱光で色ムラが生じるようです。以前からその傾向にありましたが、しばらく使用していなかったうちに、その傾向が顕著に現れるようになってしまったようです。

 せっかく時間をかけたのに残念です。しかし、いくつか分かったこともあります。光害のあるこの場所でも、短時間露出で枚数を多くすれば、暗い空で撮影した画像と、あまり遜色ない画像を得ることができること。マークX赤道儀とM-GENオートガイダーの組み合わせであれば、300ミリクラスの望遠レンズにおいては、まったく問題なく追尾できること。そして、画像処理に使用しているソフトウエアが、バージョンアップされてからとても使いやすくなっていたことなどです。

 手元にあるカメラは、古いものばかりですが。新しく購入しても、この先何年使用するかもわかりません。なので、その古いカメラを使用して、次の新月期に再度撮影に挑戦するつもりです。

 レンズの結露防止用のヒーターコントローラーも接触不良を起こしてしまいました。だいぶ使い込んだので、新品を購入しようとネット上を調べたら、結構な価格になっていましたので、パーツだけ取り寄せて、自分で修理することにしました。

 使用頻度が高いので、望遠鏡をはじめ、何かしらのバーツの不具合が出てくるのは避けられないようです。気を付けて丁寧に扱うようにはしているのですが・・・。

 撮影中にオートガイド用のレンズに露が来ていないかどうか確認したところ大丈夫でした。しかしレンズに汚れなどが生じていましたので、さっそく次の日に、クリーニングしました。画像はクリーニングを終えた状態です。
鉛筆画11作目(新薬師寺 十二神将立像(迷企羅))
9月13日(金)
 鉛筆画の11作目が完成しました。新薬師寺の十二神将立像(迷企羅)です。本尊である薬師如来坐像を囲んで立っています。

 左手を上げ、右手を腰に当てています。完成までに約1か月かかってしまいました。あと8体残っています。

 すぐに次の作品に取り掛かるつもりです。
海岸を埋め尽くした大量の倒木・落枝その後
9月9日(月)
 8月27日(火)のところで記述した、表題の倒木・落枝は、約2週間が経過しようとしている今、このような状態になっています。アングルは違いますが、ほぼ同じ場所を撮影しています。あれほどあったものが、このようになりました。すべては波と潮の干満のせいです。コンパクトにまとまりましたが、それでも大量であることに変わりありません。

 薪ストーブ用に回収すれば、相当な量になるはずですが、回収して乾燥させるのも一苦労ですね。このまま、また海に戻っていくのかも知れません。

 8月26日(月)あたりに、栃木県でゲリラ雷雨があったようですが、それが本当かどうかは未確認です。その時に流れ出た倒木・落枝が那珂川に出て、那珂湊と大洗の間の河口付近から、海に流出して、潮の流れに乗って私共が滞在する海岸に流れ着いたようです。地元の漁師さんたちも、このような光景を初めてみたとおっしゃっていました。これらの障害物を避けるようにして、漁をしたといっていました。近年、雷雨が暴力的になりつつある証拠ではないでしょう。

 その上の画像は、今日の夕方の散歩時に撮影したものです。場所は、情報通信研究機構(NICT)平磯太陽観測センター跡地のすぐ近くです。さつまいも畑の向こうに雑木林がありますが、そのさらに向こうは太平洋です。

 夏の終わりの雲が美しく思えたので、スマートフォンで一枚撮影しておきました。茨城県は、パラボラ銀座とも呼ばれていますが、画面右側に見える道を通って、中学校まで徒歩で通学していました。この少し先が太陽観測センターでした。当時からパラボラアンテナがいくつかありました。今は、雑草の生い茂る空き地になっています。

 中学校の頃は、あれはいったい何の施設だろうと思っていましたが、今現在、そのすぐ近くで太陽面を自らが撮影するようになるとは、夢にも思いませんでした。まだまだ暑い日が続きますが、空の方は秋の気配が忍び寄っているようです。
ポストフレアループ
9月9日(月)
 午前中に用事があり、出かけていました。曇り空でもあったため、日課である太陽面の撮影はしないつもりでいました。帰ってくる頃になると、空には晴れ間が広がっていました。しかし、時間はすでに午後になっていたので、太陽面の撮影はあきらめていました。

 それでも太陽面がどのようになっているのか、気になったために、京都大学飛騨天文台のSMART望遠鏡のHα太陽画像をチェックしてみました。

 驚いたことに、太陽面の西の縁にループ状のプロミネンスが見えていました。国立天文台のHα太陽画像の、リアルタイムの像もチェックしましたが、同じようにループ状のプロミネンスが見えていました。

 急いで、撮影機材の準備にかかり、Hα太陽望遠鏡を覗いてみると、見事なループ状のプロミネンスでした。早速撮影に取り掛かりました。雲が多かったので、Hα線の画像だけでやめるつもりでしたが、撮影している間に空一面の青空になったため、白色太陽像、カルシウムK線太陽像も撮影しました。

 午後からの撮影でしたが、結局すべての撮影メニューをこなすことになりました。まだまだ暑さが続いていており、体力を消耗するのですが、撮影できてよかったと思っています。

 日本時間の11時(世界時の2時)頃に、太陽面の西縁でM1.0の中規模フレアが発生しました。これに伴うポストフレアループとみられます。フレアが発生した後によくみられる、幾重にも重なったループ状プロミネンスのことです。黒点群が西没中ですが、場所から判断すると、その上空かも知れません。いずれにしても、美しいプロミネンスを撮影できてほっとしています。今日撮影したほかの画像はこちらをご覧ください。

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