鉛筆画9作目(新薬師寺 十二神将立像(安底羅))
7月16日(火)
 鉛筆画の9作目が完成しました。このところ天気が悪く、ひたすら鉛筆画に取り組んでいましたので、仕上げるまでにさほど日数がかかりませんでした。

 仏像を描くときには、ひたすら祈るような気持ちで描いています。

 描いている間に、これまでの様々な出来事を思い出しながらです。これまでの生き方を振り返ると、これで良かったのかなと思うこともたくさんあるのですが、描きながらそんなことを考えてしまいます。

 とはいっても、この先の時間が限られているので、与えられた環境の中で、今何ができるのかを考えながら、日々を過ごしていくのでしょう。

 と同時に、これらの仏像を造立した人々は、いったいどのような気持ちで取り組んだのだろうかと、想像を巡らせています。

 奈良時代の作で、11躯(残りの1体は補作です)で1件の国宝に指定されています。ご本尊である薬師如来を守るように、円形に安置されているということです。機会があれば、ぜひ見てみたいと思っています。

 この仏像は両手で払子(ほっす)を持っています。動物の毛や麻などを束ねて柄を付けた仏具だそうです。もともとは虫や埃を払うための道具でしたが、後に僧が説法で威儀を正すために用いる道具になったそうです。知りませんでした。

 今の計画では、12体全部を描くつもりです。仏像を描くことに、少し飽きてきていますが、スケッチブックの全ページに描くことで、見えてくるものもあるのではないかと思っています。
NOAA13738黒点群
7月13日(土)
 標記の黒点群が大きく成長しました。太陽面の中央部にやってくる頃に撮影できればよかったのですが、天気が悪く撮影できませんでした。この3連休も天気予報では曇りや雨でしたので、期待していませんでした。

 しかし、午前中は薄日が差していました。撮影するかどうか迷いましたが、雲の流れのシミュレーションを見る限りでは、少なくとも午前中いっぱいはこのような天気が続きそうだったので、撮影の準備をしました。

 標記の黒点群は、太陽面において、だいぶ西の方に来てしまいましたが、それでも大きな黒点群でした。気流の状態もまずまずだったので、5倍の拡大光学系を用いて、画面いっぱいに広がる黒点群の姿をとらえることができました。半暗部のフィラメント構造もよく見えています。15センチ屈折望遠鏡の解像度の威力でしょう。

 この画像の撮影データや、本日撮影した他の画像はこちらにあります。よろしかったらご覧ください。
鉛筆画8作目(唐招提寺)
7月6日(土)
 唐招提寺を訪れたのは、昨年の5月23日(火)でした。興福寺の国宝館に展示されている阿修羅像を見ることが主な目的でしたが、この唐招提寺もいつかは訪れてみたいと思っていた場所のひとつでした。

 早朝に行ったために、人影はまばらでした。静寂に包まれた境内を散策しました。南大門をくぐった正面に荘厳な姿を見せる金堂は、まわりの新緑に包まれて、印象的でした。

 仏像を描くのにも少し飽きてきたために、8作目に取り組んだのが、この風景です。描いていく中で、アクリル画とは異なる課題もだいぶ見えてきました。次は再び、仏像を描きますが、時には、鉛筆画でこのような風景に取り組むことも考えています。
財布
7月5日(金)
 今から15年以上前になりますが、それまでのサラリーマン生活をやめて、独立して個人事業者となりました。

 プライベートで使用する財布と、仕事で使用する財布を分けなくてはいけないと思い、新品を購入することにしました。どうせだったら長く使用できるものをと思い、横浜元町のキタムラで財布を購入しました。

 皮でできた財布は、使い込むうちに傷だらけになりましたが、使い勝手がよいので今でも重宝しています。

 しかし、15年以上も使い込むと、ファスナーの部分などに劣化が生じます。引き手パーツが取れてしまったり、またファスナーを締めても、途中の部分で空いてしまうようになりました。エレメントの一部がテープから外れてしまっているような感じでした。小銭などが落ちてしまいそうなので、先日お店に立ち寄り修理をお願いすることにしました。

 財布を見せて状況を確認してもらうと、修理できそうだということでしたので、そのまま置いてきました。2か月くらいかかるとのことでした。ただ、それだと仕事用のお金を入れるものがなくて困ります。たまたま、同型の財布が在庫であったので、購入することにしました。キャンペーン価格だということで、当時と同じような値段で購入できました。

 「ところで修理代の方は、どのくらいになりますか・・・?」「修理代はいりません。無料です。」「え!・・・」「ただし送料分の代金のみ頂戴します。」お店のプライドを感じました。15年以上の前の財布を修理し、しかも修理代を取らないとは・・・。送られてきた財布を見ると、結構な手間暇をかけて修理された跡がうかがえます。ますます、キタムラのファンになりそうです。

 画像において左側が修理してもらった財布、右が今回購入した財布です。修理してもらった方から使います。古い方の財布がダメになる頃には、個人事業者としても、廃業していることでしょう。
ひとりぼっちのようせいぴっぴ について
6月23日(日)
 童話が完結しましたので、作者のあとがきをつけて、別のページにまとめました。こちらからご覧ください。新たに描き下ろしたピッピのスナップショットも添付しました。

 あとがきにある通り、当時を思い返せば姉にとっては大変な出来事でした。足のことも、姉の夫の死のことも、見ていて涙が止まりませんでした。こんなにむごいことがあるのだろか・・・と思ったものです。生きていくために、ひとりで不自由な生活に耐えながら、これまでよく頑張ってきたと思います。どんなにつらい思いをしたかと思うと、今でも涙が出てきます。

 姉のやさしさがにじみ出ている童話になっていると思っています。書道だけではなく、絵にしても、これだけの才能を持った姉を誇りに思っています。
ひとりぼっちのようせいぴっぴ その4 完結編(作 軍司あゆ子)
6月23日(日)
 下のオリジナル童話の続きです。初めての方は、5月19日(日)のところを上から下へ。次に6月3日(月)のところを上から下へ、6月18日(火)のところを上から下へ、次にこの下の画像を上から下へ読んでください。
ひとりぼっちのようせいぴっぴ その3(作 軍司あゆ子)
6月18日(火)
 下のオリジナル童話の続きです。初めての方は、5月19日(日)のところを上から下へ。次に6月3日(月)のところを上から下へ、次にこの下の画像を上から下へ読んでください。
鉛筆画7作目(興福寺 乾漆八部衆立像 阿修羅)
6月18日(火)
 前回の鉛筆画を完成させたのが5月28日(火)でしたので、それから約3週間でこの絵が完成したことになります。意外に早く完成したように思います。祈りをささげるような気持ちで、この絵に取り組みました。集中している間は、何も考えることがなく、それはそれでよかったと思っています。

 阿修羅像に取り組むのは、これが2度目です。1作目は30号キャンバスにアクリル絵の具を用いて描いてます。その作品は、このブログ「星雑記」にすでにアップしてあります。こちらの2023年11月13日(月)のところをご覧ください。阿修羅像についても触れています。

 今回もそうですが、少年のような清楚な顔立ちの中で、笑っているようでもあり、怒っているようでもある、その独特な表情にどれだけ近づけることができるか、相当試行錯誤しました。何度も修正を繰り返しましたが、これ以上修正をかけると、ベースとなる紙そのものにダメージを与えそうなので、そのギリギリのところで筆(鉛筆)を置きました。

 ほかの部位は、かなり正確に描くことができたと思いますが、場所によっては少し手を抜いてしまったところもあります。あとしばらく鉛筆画に取り組みながら、1枚残っている30号キャンバスの下絵に取り組みたいと考えています。

 すでに描き終わった2枚の30号キャンバスは額装済みです。額装すると、とても大きくて保管するのにもスペースを取るし、額の代金もかなりのものになるため、30号はあと1枚描いたら、おしまいにしようと考えています。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 6月15日から16日)
6月17日(月)
 岐阜県関市のまなびセンターにおいて、6月15日(土)から16日(日)の2日間、直径12メートルドームにメガスターゼロ投影機を設営して投影を行いました。

 前回の投影は、5月4日(土・祝)から5日(日)でしたので、約1か月ぶりの投影です。

 今回は事情があって、いつも以上の長距離を走りましたので、大変疲れました。復路は眠くなるたびにサービスエリアやパーキングエリアに車を止めて、仮眠を繰り返したので、帰りついたのは今朝になってしまいました。

 投影後半部のテーマ解説は「宇宙の広さは」というものです。長さの概念と、速度の概念から始まり、太陽系がどのくらい大きいかを説明したのち、銀河系の果てまで旅をするCG動画をご覧いただきました。その後、銀河系のような星の大集団が宇宙にはたくさんあることなどを説明し、宇宙のスケールについて、少しばかり実感していただくというものです。

 15日の市民天体観望会は、午後からあいにくの曇り空でしたので、参加者は少ないだろうと予測していましたが、それでも予想していたよりたくさんの参加者で、驚きました。プラネタリウムの投影のみで終了となりました。

 投影以外の件で、私共、館のスタッフの皆様が大変神経を使う中での投影となりましたが、何事もなく終了してほっとしているところです。今日はたまった疲れを取り去るためゆっくりと過ごし、明日からまた本格的に様々なことに取り組むつもりです。画像は市民天体観望会開催前のプラネタリウム内の様子です。
粒状斑の変化の追跡
6月11日(火)
 晴れていれば、出かける用事がない限り、必ず太陽面の撮影を行っています。今日は、今頃の時期にしては気流の状態が良かったので、TOA150Bという15センチ屈折望遠鏡で太陽面を強拡大してみました。×5.0というバローレンズを使用しました。これで対物レンズの焦点距離が5500ミリとなります。

 ちなみに、太陽面の撮影に時々使用する、ミューロン210ミリ反射望遠鏡の焦点距離は2400ミリですが、気流の状態の良いときには、×2.0のバローレンズが使用できます。それは、年に1回から2回程度です。稀に訪れる好条件の気流の状態でなければなりません。これ以上拡大すると、像がぼやけてしまって使い物になりません。

 5倍もの拡大光学系ですから、いくら高性能の屈折望遠鏡といえども、さすがに像がぼけるだろうと思い、望遠鏡に太陽を導入し、パソコンのモニターに写し出された太陽面を見て、驚愕しました。それは、×3.0で見た時のようにシャープで、ピントの山もはっきりとわかるものでした。モニターには粒状斑がびっしりです。見事なものでした。さすがに世界最高峰の性能を誇る、高橋製作所の屈折望遠鏡の威力です。

 太陽の表面に見られる米粒のような粒状斑は、ちょうど、みそ汁のような熱対流によって起こるものです。大きさは約1000キロで、日本の本州程度と言われています。ちなみに、横浜から南西に走ると、ちょうど山口県から九州に入るあたりで、1000キロとなります。直線距離ではありません。粒状班の寿命は、短いもので3分、長いものでも10分程度と言われています。

 ネット上には、天文台の太陽望遠鏡で撮影された粒状斑の動画などが公開されていますので、それを見れば、粒状斑の振る舞いは一目瞭然です。しかし、せっかくこの解像度で、撮影ができるようになったので、この変化を今後は独自に追跡してみたいと考えています。

 私共は、若い頃、5メートルドームに入っていた20センチ屈折望遠鏡(五藤光学研究所製)を使用できる環境にありました。プラネタリウムの付属施設として、観望会などを行うためのハードウエアでした。それを使用して、太陽面のスケッチや写真撮影も行っていました。

 当時としては、太陽の観測装置としてこれ以上のものは望めませんでしたが、それでもフィルムカメラで、粒状斑を写すことは至難の業でした。それでも当時所属していた東亜天文学会の「天界」という機関誌の表紙に掲載していただいたこともありました。

 技術が進歩したいま、私共のような個人レベルでも、粒状斑がとらえられるレベルに達したことは、誠にうれしい限りです。本来、粒状斑は多角形の形状ですが、12.5センチクラスの望遠鏡では丸く写ります。わずか2.5センチの差ですが、15センチになると多角形で描写することができるので、この差は大きいと思います。撮影地の気流のよさも一役買っているのでしょう。

 今後、気流の良い状態のときには、強拡大して、粒状斑の変化を追跡したいと思っています。課題は、ホームページにアップするときの見せ方を工夫しなくてはいけないことです。今後試行錯誤したいと思います。

 今日撮影した画像は、こちらからご覧ください。 
ひとりぼっちのようせいぴっぴ その2(作 軍司あゆ子)
6月3日(月)
 下のオリジナル童話の続きです。初めての方は、5月19日(日)のところを上から下へ。次にこの下の画像を上から下へ読んでください。
 続きはまた今度。
鉛筆画6作目(新薬師寺 十二神将立像(伐折羅))
5月28日(火)
 私共を取り巻く環境が激変してしまったので、落ち着いて鉛筆画に取り組んでいる時間がありませんでした。それは、ピアノも卓球練習も同じです。

 特にピアノは、20日間以上、練習していませんので、これまでに練習した曲が弾ける状態ではありません。環境を整えて、また再びゼロからの出発となるでしょう。

 絵の方ですが、これは、スケッチブックと鉛筆さえあれば、何とでもなります。継続するのが困難なほどの、精神状態でしたが、今は落ち着いてます。

 この年になってもこんなことが起きるのかと思うほどの出来事でした。

 しばらくは、いまの環境に慣れる日々が続くでしょう。望んでいたわけではありませんが、これも定めです。受け入れるつもりです。

 というようなわけで、6作目の鉛筆画の完成には、時間がかかってしまいました。あえて色合いを薄くして表現しましたが、出来栄えとしては満足しています。ただ、もっと上のクオリティーがあるはずですので、これから精進したいと思っています。次は、アクリル画で描いた阿修羅像を鉛筆画で描く予定です。

 今回描いたのは、新薬師寺の本尊である薬師如来の従者である十二神将立像です。伐折羅(ばさら)と呼ばれるこの像は、甲冑を身にまとい、壇上で本尊を守っています。右手に剣を持ち、髪を逆立て口を開いています。よくこんな緊迫感のある姿勢の像を、完成させたなと思うほど、造立した人々の芸術性の高さには感心させられます。
ひとりぼっちのようせいぴっぴ(作 軍司あゆ子)
5月19日(日)
 私共の実の姉(軍司あゆ子、旧姓 遠山あゆ子)による、オリジナル童話をお楽しみください。これらのイラストの無断転載を禁じます。ただし、リンクをはっていたたくことはかまいません。
 続きはまた今度。いずれ、このホームページに専用のページーを設ける予定です。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 5月4日から5日)
5月19日(日)
 内容が前後してしまって申し訳ありません。

 5月4日(土・祝)と5日(日)の2日間、岐阜県関市の、まなびセンターにおいて、直径12メートルドームにメガスターゼロ投影機を設営して投影を行いました。

 2012年5月に開始した、まなびセンターでの投影も、今年度で13年目に入ります。ここまで長く続くとは思っていませんでした。

 古希を過ぎた私共にとっては、例えば、横浜から関市まで、投影機を車に積んで高速道路を走り、投影をして帰ってくるまで、肉体的にも、精神的にも様々な面で負担が大きくなってきています。

 昨年度限りでプラネタリウム解説者を引退するつもりで、施設に伝えてはいたのですが、諸般の事情により、継続することにしたものです。

 今年1月の投影以来、約4か月ぶりの投影となりました。その間に、投影後半部のテーマ解説で使用する、ビデオプロジェクターが新品に置き換わっていました。色の再現性もよく、高画質でとてもよいものです。

 投影後半部のテーマ解説は「太陽系46億年の歴史」と題して、太陽系の誕生から今日に至るまでの歴史を振り返るものです。私共が制作したイラストや、折に触れて撮影した天体写真を、これまで以上にふんだんに使用して、投影を行いました。

 5月4日の夜は、市民天体観望会でした。いつも以上に天気が安定していたため、たくさんの参加者となりました。また、天文ボランティアの皆さんもたくさん参加されました。

 「初夏の星座を見つけよう」というテーマでした。実は、この日は天文薄明の終了時刻が遅く、その一方で、月や惑星が出ているわけではないので、観望会は正直やりにくいというのが本年です。

 しかし、5月の投影日は、日付が固定されているので、プラネタリウムの一般投影の方が優先されます。仕方がありませんでした。

 それでも参加者の皆さんは、思い思いに楽しまれていた様子でした。

 5月5日は、施設内でイベントがあったため、たくさんの方がプラネタリウムを見に来られ、大変な賑わいでした。

 今年度の投影は、まだ始まったばかりです。それから今日までの間に、いろいろなことがありましたが、1年間何事もなく、無事に終われるよう、細心の注意を払って頑張りたいと思います。

 写真は、上が市民天体観望会開催前のプラネタリウムのようす、下が観望会の準備をしている天文ボランティアの皆さんと、その望遠鏡です。
レンズの修理完了(Canon EF24-70mm F2.8LⅡUSM 5月17日)
5月19日(日)
 このブログ「星雑記」の4月28日(日)「豊洲 千客万来」のところで記述したとおり、4月24日(水)に東京都内に行ったときに、カメラを落としてしまいました。

 ボディーの方は問題ないようでしたが、レンズの方は、オートフォーカスがきかなくなり、光軸も狂ってしまったようでした。

 だいぶ酷使したレンズだったので、廃棄することも考えたのですが、ネット上で今の価格を見たら、かなり上昇していたので、廃棄することはやめました。

 4月30日(火)に配送のスタッフがレンズを引き取りに来ました。レンズは大分の修理センターに送られ、5月17日(金)に私共の手元に戻ってきました。

 カメラボディーに取り付け、動作チェックをしましたが、問題なく使用できるようになりました。

 USMユニット、メイン基板ユニット、固定筒ユニット、後筒ユニット、レンズマウントなどが交換されていましたので、ダメージは大きかったように思います。福沢諭吉先生が6人以上出て行ってしまいました。予期しないかなりの出費となりました。

評価の高いレンズであり、一般撮影においては、ほとんどの場面をこのレンズ1本でカバーできます。使用できなくなって、その威力を実感しました。

 このレンズのほかに70-200mm F2.8L ISⅡUSMというレンズも所有しているのですが、この2本があれば、一般的な撮影にはほぼ困りません。ただこの2本と、EOS1Ds MarkⅢというカメラボディーを持ち歩くと、その重さでかなりの体力を消耗します。

 これらのレンズを天体写真撮影に使用することはありません。ほとんどの場合において、短焦点レンズの出番となるためです。一般撮影を行う場面も多いので、今回のアクシデントを教訓に、大切に扱うことにしたいと思います。高い勉強代となってしまいました。
カルシウムK線太陽像の撮影再開
5月17日(金)
 ここしばらく撮影を休んでいた、標記の太陽画像の撮影を本日より再開しました。これまでと大きく異なるのは、使用する望遠鏡の違いです。これまではBORG100EDという屈折望遠鏡を使用していました。

 その望遠鏡は、現在使用することができない状態になっています。しかし、手元には撮影用のモジュールがあるので、現在主力として使用しているTOA150Bの対物部に、その口径を10センチに絞る対物キャップを自作しました。今日はそれを使用しての初めての撮影となりました。

 空は快晴ですが、気流の状態はいまひとつでした。白色太陽の全体像を撮影したのち、その状態で、対物部にキャップをかぶせ、接眼部のモジュールをカルシウムK線用に入れ替えます。これでピントが合うのかどうか不安でしたが、延長筒を使用することにより、ピントを合わせることができたので、ひと安心です。

 今の撮影環境では、お昼前頃に気流が安定してくるようです。その頃を見計らって黒点の拡大撮影を行いました。強拡大ができる状態ではなかったので、軽めの拡大率としました。

 まだ今の環境に慣れていないので、すべての撮影を終えるまでには、時間がかかっています。また、TOA150Bの鏡筒を撮影のたびに部屋から出し入れし、赤道儀の不動点の高さまで持ち上げるのは一苦労です。しかし、その解像度が素晴らしいので、これも運動の一環と考えています。

 カルシウムK線で撮影するために、パソコンのモニターを見ると、これまでよりもシャープで、コントラストも高い印象でした。これで撮影を継続できることが分かったので安心しました。本日撮影した画像は、こちらからご覧ください。
NOAA13664群(太陽黒点 5月14日)
5月16日(木)
 活発に活動している標記の黒点群が、13日(月)から14日(火)にかけて西没する頃でした。14日(火)は天気の状態を気にしながらも、いろいろと用事があったため、撮影は午後からになってしまいました。それ以降は、天気の状態が悪くて撮影そのものができていません。

 これまでと異なり、TOA150Bで太陽面の撮影ができる状態にまで機材を準備するには、大変な時間がかかります。この日は撮影を開始した頃から、雲が接近してきて、拡大撮影を行い始めた途中で、太陽は雲に覆われてしまいました。

 質の良い画像が得られなかったため、2日間ほど放置していました。ほかの用事が一段落したため、画像処理をしてみました。画質は悪いのですが、かろうじて拡大撮影した画像がアップできる状態でしたので、アップすることにしました。こちらからご覧ください。さらに気流がよくて、撮影時間を長くできれば、さらに高画質の画像を、今後はアップできるでしょう。

 NPAA13664群の活動領域では、合計で11回のXクラスのフレアが発生したようです。12日(日)には磁気圏の激しい乱れが地球に到達し、日本各地でも低緯度オーロラが観測されました。

 この群は、地球から見て、太陽面の裏側に回ってもまだ活発に活動しているようです。世界時の14日17時にはX8.7の大規模フレアが発生しています。この規模に達したフレアは7年ぶりだそうです。次に再び、太陽の東リムから現れるときには、どんな状態になっているのかとても楽しみです。

 円安や物価高の影響で、天体写真撮影や太陽面の撮影に使用する機材の価格も高騰しているようです。ためしに現在使用しているHα太陽望遠鏡の価格を調べてみたら、目の玉が飛び出るような価格になっていました。カルシウムK線モジュールもそうでした。今だったら、私共としてはとても購入できる価格ではありません。

 一方で、TOA150Bに関しては、価格もさることながら、受注そのものが停止されており、手に入れることすらできません。太陽撮影の取り組みのために、これらをそろえておいてよかったと思っている次第です。
太陽面撮影機材の変更
5月12日(日)
 太陽面撮影のためにこれまで使用していた機材を変更することにしました。白色太陽像の撮影には、BORG125EDを使用していたのですが、解像度の点で少し不満に思っていました。そこで、私共が所有するもう一本の屈折望遠鏡である、TOA150Bを白色太陽像と、カルシウムK線の撮影に投入することにしました。

 一昨日から、すでに運用を開始しています。現在は、画像処理の時点でのパラメータの最適化を行っているところです。TOA150Bの高解像度の特性を生かして、昨日撮影した画像処理では、その能力を最大限に発揮できるパラメータに近づいてきたように思います。

 カルシウムK線は、これまでBORG100EDでしたが、ある事情により、使用できない環境にあります。そこでTOA150Bの対物部にかぶせるキャップを自作し、そこに口径10センチになる、穴をあけました。明日以降、空が晴れれば、それによってカルシウムK線での撮影を再開できます。

 望遠鏡の口径を10センチに絞るのには、理由があります。それは、カルシウムK線を撮影するモジュールが、口径10センチまでに制限されているためです。無理をして大きな口径で使用すると、太陽の強烈な熱で、モジュールを破損する恐れがあります。

 いろいろと変更を余儀なくされているのですが、今注目されているNOAA13664群の撮影にかろうじて間に合わせることができて、よかったです。

 昨日撮影した、太陽面の撮影画像は、こちらをご覧ください。従来の白色太陽像の画像と比較していただければ、その性能の一端がお分かりいただけるのではないでしょうか。

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