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2022年の総括
12月29日(木)
 日本国内で最初に新型コロナウイルスの患者が報告されたのは、2020年1月とされています。来年の1月には、それから3年目が終わろうとしていますが、いまだに収束する兆しが見えません。規制緩和により、海外からの観光客を受け入れるようになったことなどもあり、現在の感染者の増加傾向はしばらく続くのではないでしょうか。

 この新型コロナウイルスに限らず、今年は嫌なニュースがたくさんあったように思います。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、安倍元総理の暗殺事件、物価の上昇、円安など、数え上げたらきりがありません。この先、この国はどうなってしまうのだろうかと不安になるようなものばかりです。

 移動式プラネタリウムの出張投影の活動を終了して5年が経過しました。もし今も続けていたとしたら、新形コロナウイルス感染防止の観点から推測すると、おそらく仕事のオファーを受けることはできなかったのではないでしょうか。仮にオファーがあったとしても、今の状況では、まちがいなくお断りしていたことでしょう。

 現在の仕事は、関市まなびセンターでのプラネタリウム投影のみに絞っています。世の中が新型コロナウイルスと共存を模索する方向にかじを切っているため、施設での投影が予定通りにここまで行われてきたことは、私共にとってはよかったと思っています。私共が感染することもありませんでした。

 その一方で、私共の年齢も、来年は古希をむかえます。引退する時期に関してもすでに決めており(施設との関係も配慮し、今ここでその時期を明言することはできません)、その先を見据え、さらに私共を取り巻く今の環境も配慮して、現在の取り組みを今後も継続するつもりです。プラネタリウム解説者を引退するときが、このホームページを閉鎖するときです。

 仕事は大幅に軽減されているので、移動式プラネタリウムの出張投影に取り組んでいた頃に比べると、ストレスのかかり方が段違いに少なくなりました。その状況も5年が経過し、すっかり慣れてきました。外出せずに、イラストなどにじっくりと取り組める今の状況は、悪くないと思っています。

 車のほうは、走行キロ数が14万キロに迫っています。おそらく20万キロ以上を走らせることになるでしょう。今まで以上に丈夫な車なので、大丈夫でしょう。そしておそらくこれが、私共にとっての最後の車になるでしょう。今年に入って、足回りからとみられる、コトコト音が聞こえるようになってきたので、エアサスペンション4本全部を交換しましたが、状況は改善されませんでした。

 乗用車でエアサスを採用している車は珍しいものです。運が悪ければ10万キロ前後で、運が良くても13万キロ程度で寿命が来ると言われています。私共の車の場合は、高速道路を走行することが圧倒的に多いためか、13万キロオーバーでの交換となりました。結果論ですが、新品に交換しても乗り心地の変化は体感できませんでした。これまでのエアサスは、まだ使用できたのではないかと推測していますが、寿命が突然来ると言われているので、このタイミングが適切だったのではないかと思っています。メカニックの話では、外からでは見えないオイル漏れが発生していたとのことでした。

 なお、タイヤの方は、今年6月にすでに交換済みです。タイヤ内側のサイドウォールと接地面との間には、4本とも長さ30センチ程度の亀裂が入っていました。気がつかなかったら、大変なことになっていたでしょう(6月15日のタイヤ交換の表題で詳しく記述しました)。

 前述の通り、コトコト音が改善されないため、来年のどこかで、足回りのブッシュやその他のパーツ交換を予定してます。エアサス4本と、ブッシュまわりを交換すると、工賃も含めると中古車が1台購入できる費用が出ていきますが、最後の車であることと、今と同等のクオリティーの車を購入するとなると、さらに大きな出費となるために、仕方がないと考えています。

 横浜市立大学の非常勤講師の仕事も、11年目に入りましたが、今年が最後です。来年からは、その肩書がなくなります。残されているのは、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校の科学技術顧問の肩書ですが、そろそろ、どうしたものか考える時期に来ていると思っています。

 2012年10月下旬に導入したHα太陽望遠鏡ですが、今年から撮影を再開しました。私共が撮影したからといって、何がどうなるものでもないのですが、朝晴れていると、太陽面がどのようになっているのか気になることと、撮影のノウハウを失わないようにするために、今後も継続するつもりです。Hα太陽望遠鏡をダブルスタック化(Hαフィルターを2枚重ねとして、波長の半値幅を狭めることを目的としています。これによりHα線で見た太陽面のコントラストが格段に上がりました。)したことと、21センチ反射望遠鏡を使用して、太陽面の微細構造の抽出に取り組めたことが大きな成果でした。

 手書きイラストは35作目が終わったことろで、ひと休みしています。次回作は1月中旬から開始することになるでしょう。次回作からは30号キャンバスも使用する予定でいますが、すでに2作分の下絵が出来上がっています。仏画(ただし背景には宇宙を題材にしたものを持ってくるつもりです)が多くなってくるのではないでしょうか。

 作品のほとんどは、額装済みですが、手元に置いておいても場所をとるだけであることと、私共に万一のことがあった時に、残された家族が処分に困るであろうことを配慮して、来年3月に予定している展示会から、徐々に販売して手放すつもりでいます。もちろん、それなりの値段になると思いますので、簡単に売れるものではないと思っていますが、精魂込めて描いた作品であるため、売れなければ売れなくてよいといった複雑な気持ちです。

 星空の撮影に関して、今年は3回だけの遠征に終わってしまいました。伊豆最南端の石廊崎、白川郷、妙義山麓です。年を取って、遠征する回数が減っていますが、来年も新月期には、天候と体が許す限り遠征する予定でいます。

 日課となっている卓球の練習ですが、再開してからすでに7年目に入っています。最近では練習をしてもレベルが上がるということはなくなりました。それでも、高校時代にインターハイに出場経験のある方と、定期的に練習する限りにおいて、多少の上達はしているように感じています。体力と健康の維持のために、今後も続けていきます。

 今年9月下旬から練習を開始した、ピアノですが、以来3か月が経過しました。自宅にいるときは毎日ピアノに向かいます。中島みゆきの「糸」が、私共の最初の練習曲です。右手は、すでに主旋律が弾けるようになっており、現在は左手の方と合わせている最中です。スムーズに最後まで弾けるようになるには、あと3か月程度かかるのではないかと思います。来年はあと1曲、レパートリーを増やしたいと考えています。楽譜はいまだに読めません。

 この1年間、私共のホームページをご覧いただき、ありがとうございました。皆さま、どうぞおからだご自愛のうえ、素敵な年末・年始をお過ごしください。この「星雑記」の次の更新は、1月4日以降を予定しています。ただし、太陽面を撮影した画像は、ブログとは関係なくアップすると思います。
鎌倉殿の13人(NHK大河ドラマ)
12月22日(木)
 12月18日(日)に最終回が放送されました。私共はその日の放送時間帯は、岐阜県関市からの帰路の途中でしたので、録画を楽しみに車を走らせました。自宅に到着して、車から投影機材などを部屋に戻し、それらが一段落してからテレビをつけました。日付はすでに変わっていました。

 平安時代末期から鎌倉時代前期までを、鎌倉幕府2代執権となる北条義時を中心として展開するドラマです。ユーモラスな場面が随所にちりばめられていましたが、ストーリーの多くの場面で、身内同士の壮絶な静粛劇が描かれました。それはおそらく前述のような場面を挿入しないと、陰惨な場面だけが印象に残ってしまうためだったのではないでしょうか。

 上総広常が謀反の首謀者として静粛される場面、畠山重忠と北条義時の一騎打ちの場面、北条政子の演説の場面などがとても印象的で見応えがありました。同時に平安末期から鎌倉時代へ入っていくプロセスがよくわかりました。三浦義村を演じた山本耕史の、上半身裸になる場面(なんでそこで裸になるの・・・)や、ユーモラスなセリフに笑ってしまいました。ドラマの冒頭に流れるテーマ音楽も勇壮で、長澤まさみの語りも、とてもよかったと思います。

 日曜日の夜の楽しみがひとつ減ってしまいましたが、まだあとひとつ残っています。それは、そのあとにNHK BSプレミアムで放送される中国ドラマ「―上陽賦 運命の王妃―」です。中国を代表する女優チャン・ツィイーが主演のスペクタクル時代劇です。全42話ですが、すでに17話まで放送されています。

 架空の古代中国を舞台として繰り広げられる、人間ドラマと激しい権力闘争を描いたもので、制作費は170億で期間は4年が費やされているそうです。超一流のスタッフ陣によるこのドラマは、映像のスケールが大きく、チャン・ツィイーの美しい衣装やパートナーの勇ましい甲冑姿なども見どころのひとつです。前述の大河ドラマとは、まったく異なるテイストで大変興味深いものです。

 私共の自宅は、鎌倉に近く、夏の夜などに、朝比奈から逗子へ抜けて、葉山から海岸線を鎌倉まで走ることが時々あります。また、ハイキングコースである、いくつかの小高い山を越えて鎌倉まで歩くこともあり、身近に感じていた鎌倉市ですが、さらに興味を持つようになりました。正月過ぎのどこかで参拝に行くことになるでしょう。私共の恒例行事です。
横浜イルミネーション2022
12月22日(木)
  昨日の夕方、久しぶりに横浜の中心部エリアに出かけました。11月24日(木)から来年の1月3日(火)まで、臨海部を中心に開催されている横浜イルミネーションを見てきました。

 見慣れた景色ですので、特に感動するわけでもありませんが、たくさんの人々で賑わっていたので、クリスマスの期間のロマンチックな雰囲気満点でした。新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、車で出かけました。移動式プラネタリウムの出張投影を行っていた頃、大変お世話になった、大さん橋国際客船ターミナルの駐車場に車を止めて、そこから象の鼻地区、赤レンガ倉庫を通過して、桜木町駅前付近まで、イルミネーションを撮影しながら散歩をしました。

 午後からの散歩と卓球練習を済ませた後でした。さらに夜になってから撮影をしながらの、この散歩は大変疲れましたが、久しぶりに見る都市景観を彩るイルミネーションは華やかに感じました。

 赤レンガ倉庫と横浜税関(画像の上から2番目の緑色のドームがある建物)を除けば、ここに見えている建物のほとんどが、元は埋め立て地であった場所に立っています。1989年に開催された横浜博覧会が、この埋め立て地区の初のお披露目会となりましたが、それ以来、たくさんの建物が建てられて現在の都市景観を作り出しています。

 ハレー彗星が1986年2月頃に回帰した折、その観望会をどこで実施するか検討していたことがあります。科学館に勤務していた頃のことです。その時に、この埋め立て地で実施できないか、工事中の現場を見に行ったことがありました。それから35年以上が経過し、みなとみらい地区の様子はすっかり様変わりしてしまいました。

 その当時のことを思い出しながら、イルミネーションを見てきました。夕食を中華街で食べるつもりでいましたが、大さん橋から反対方向に歩かなくてはいけません。そこまでの体力がなかったために、途中のファミリーレストランに入りました。オーダーした料理の味は普通でしたが、ご飯に関しては、私共が普段に食べているお米の方が、明らかにグレードが上でした。

 食材などを含めて、全ての物が値上がりしています。日頃から節約を心がけていますが、お米だけはグレードの高いものを食べるようにしています。外食のおいしさは前述の通りでしたので、少しもったいないような気がしました。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 12月17日から18日)
12月19日(月)
 12月17日(土)から18日(日)にかけて、関市まなびセンターにおいて、プラネタリウムの投影を行いました。今年最後の投影ですが、今年度の投影としては、来年の1月に予定されている投影が最後となります。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、どうなることかと思っていましたが、今年度は、ここまで予定通り実施することができてよかったと思っています。ただ最近になって、再び感染拡大の傾向にあるので、この先どうなっていくかは予断を許しません。投影時には、施設のスタッフも細心の注意を払っていますが、それでも感染拡大のリスクは、以前にもまして高くなっているのではないでしょうか。

 宿泊するホテルにおいてもそれは同じです。とくに規制緩和の影響で、外国人観光客の宿泊が目立つようになってきました。今回も東南アジアの国からの団体客が宿泊していました。

 ホテル側では、宿泊者の朝食時に、薄手のビニール手袋やアルコール消毒を用意し、それぞれの料理には、ふたをつけて開閉しながら取っていくスタイルです。これまでは安心して食事ができました。

 日本人が暗黙のうちにルールを守っているのに対して、海外からの観光客の場合は、そうではありません。例えば、それぞれの料理のふたは開けっ放し、薄手のビニール手袋は片方の手だけ、食事中は大きな声が聞こえてくるなど、こちらが感染したらどうしようかと心配になるくらいです。文化が異なるので、誰も口出ししませんが、これが外国人観光客を受け入れる際のリスクでしょう。

 コロナ禍が終わってから、最も行きたい国のトップに日本がランクインしているそうです。これから、さらにこのような状況が各地で続くと考えれば、収束にはまだまだ時間がかかりそうに思います。新型コロナウイルスと共存しながら生活を続けていくスタイルが、今後しばらく続くことになるのではないでしょうか。

 投影の方は、星空解説のほかに、テーマ解説として「宇宙の大きさを調べる」という内容を取り上げました。天体までの距離をどのようにして調べるかという内容です。

 こどもたちには難解なテーマでしたので、あまり詳しく解説をしないで、映像で楽しんでもらうような内容にコンテンツを制作しました。

 毎年この時期は、入場者が減少傾向にありますが、雪が舞っている時間帯があったため、さらに少なく感じました。しかし、常連の方々が見に来てくださるのは、とてもありがたいと思っている次第です。

 17日(土)の夜に予定されていた市民天体観望会は、天気が悪いことがわかっていたため、参加者が少なめでしたが、それでもプラネタリウムを見に来てくださる方が結構いらっしゃって、すでにイベントとして定着していることがよくわかります。

 18日(日)のハードウエア撤収時にも、雪が舞っていました。積雪を覚悟していました。オールシーズンタイヤで雪道をまだ走ったことがありません。果たしてどの程度の性能なのか、試してみるよいチャンスだったのですが、高速道路に入る前に止んでしまいました。またの機会を待つことにします。

 往路の高速道路において、車の破片のような小さめの落下物が、私共の車に当たってしまったようです。フロントバンパーに傷がついてしまいました。これまでにも飛び石の影響で、ボンネットや、フロントバンパーには傷があちこちについています。いちいち気にしていても今後も傷はつくので、タッチアップペイントで対応することにしました。

 車は、すでに10年落ちになってしまいました。しかし、私共が乗る最後の車です。走行距離は14万キロに近づいています。各パーツは劣化しているはずですが、内装はしっかりした状態です。日常の生活で使用するだけならなにも気にしませんが、仕事で長距離を移動するための車です。メンテナンスを怠らないで、故障のリスクを最小限にしたいと思っています。

 写真は、上の画像から、夕方のまなびセンターの外観、プラネタリウム施設のウェイティングサークルから見た、雪交じりの外の景色です。
TOYOTA2000GT 1/8スケールモデル製作レポート
12月4日(日)


 シャーシの部分がある程度形になってきました。この先、エンジンベイやエンジンなどが搭載されると、サスペンションが見えなくなりそうなので、写真を撮影しておきました。エンジン部分は、ほぼ完成しています。エンジンベイがまだ製作途中です。

 上の画像は画面左端がフロントサスペンションまわり、画面右奥がリアサスペンションまわりです。シャーシはX型バックボーンフレームと言われています。ジャガー・Eタイプやロータス・エランなどで採用された形状であり、低重心でありながら高剛性を実現させるものです。サスペンションは、前後ともコイルサスであり、ダブル・ウィッシュボーンです。

 模型全体としては、まだ半分までしか終わっていません。パーツのほとんどは、穴に押し込むか、小さなネジで固定するだけなのですが、小さいので組み立てるのはかなり大変です。パーツ自体は精度よく作られていますが、それでもネジが最後まで入らなかったり、パーツが穴に入りにくかったりと、時間がかかります。

 この「星雑記」の8月17日(水)で記述したとおり、プレゼントしていただいたピンセットを使うようになってから、小さなパーツを飛ばして探し回ることがなくなりました。それでも用心のために、組み立てを行う時には、畳の上で行うようにしています。

 最近では、模型の製作は楽しみというよりも、どちらかといえばストレスになりつつあります。しかし、せっかくここまで来たので、最後まで取り組むつもりです。ボディーを組み上げることを今から楽しみにしています。早く全体像を見ることができるとよいのですが、あと1年はかかると思います。
風景画35作目(冬晴れの山下公園)
12月2日(金)


 前作が完成したのが7月27日(水)でした。すぐにこの作品に取りかかりましたが、完成までには4か月もかかってしまいました。通常であれば、約3か月で完成します。今回は都市景観を選びました。横浜の代表的な景色のひとつである、山下公園です。記憶がはっきりしませんが、昨年の暮れか今年の始めに散歩に出かけた時に出会った風景です。

 向こうに見えるのは、みなとみらい地区の都市景観です。右側の貝殻状の建物はインターコンチネンタルホテル、左側に立ついちばん背の高い建物がランドマークタワーです。移動式プラネタリウムの出張投影の時に、大変お世話になった、大さん橋国際客船ターミナルの駐車場に車を置いて、そこから山下公園、中華街、みなとみらい地区などを散歩するのが、この地域に出かけた時のいつもの行動パターンです。元町を散歩することもあります。

 絵の完成が遅れた理由は、いくつかあります。太陽面の撮影が、8月から10月にかけて、画像処理も含めて思いのほか時間がかかってしまったこと。11月に毎週末県外に出かけていたことなどです。最後のひとつは、都市景観の場合、ビル群の窓ガラスや人混みの様子などを描写するのに、細かすぎて、予想していたよりも時間がかかってしまったことです。

 ただし、急いで描く理由は何もないので、じっくりと納得いくまで筆を走らせました。完成が今頃になってしまいました。描き終わって、改めて絵を見ると、手前の路面が広すぎて、この空間に何か欲しかったかな・・・と思ったりもしていますが、ここに人物を持ってくると、大きくなりすぎて、そこに目線がいってしまいます。そうすると奥の都市景観が薄れてくるので、これはこれでよかったのだろうと判断しています。プラネタリウムの仕事もそうですが、絵もこれでよいということがないので、難しいものだと思います。

 これまでは20号のキャンバスに描いてきましたが、次回作は30号キャンバスに描こうかと考えています。描くものはすでに決まっており、これから年末にかけて、まずはパソコン上で、どのような構図がよいか、いろいろとシミュレーションしてみるつもりです。描き始めるのは、年が明けてからになるのではないでしょうか。今年は3作しか完成させることができませんでした。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 11月26日から27日)
11月28日(月)
 11月5日((土)から6日(日)にかけて投影を行って以来、今月はこれが2度目の投影です。施設の大規模改修工事が行われている関係で、6月から7月の投影ができませんでした。その分、8月と11月にそれぞれ1回ずつ増やしたので、このような投影スケジュールとなりました。

 頻繁に関市に通っているような状況です。慣れていますが、それでも遠方まで出向いて投影を行うことは、さまざまな面でリスクが伴います。投影を終えて自宅に帰りつくまでは、気を抜けない状況です。

 中でも、投影機と車のトラブルが、いちばん心配です。そのために、車の方は先日、心配な部分のパーツ交換やバッテリー交換などを行いました。

 一方、プラネタリウム関連のハードウエアは、可能な限り予備を持っていくようにしているので、今のところ、それで何とかなっています。

 寒くなってくると、入場者の数が減少する傾向にあるようです。毎年のことです。最近は以前にもまして、観客の低年齢化が目立ちます。

 保護者とともに入場してくるのですが、小学校にも行っていないような年齢の子に、投影内容が理解できるとは、とても思えません。しかし、それでも、投影途中で騒ぎ出す子はほとんどいません。むしろ投影終了後に、そのこどもたちが楽しかった・・・と言ってプラネタリウムを出ていくのは、いまだに理解できません。

 大人の観客の皆様は、寝息を立てている方もいらっしゃいます。最近では、それも気にしません。生理的に眠たくなるような環境が整っているので、仕方のないことだと割り切っています。

 以前はどのようにしたら、最後まで寝ないで見ていただけるのだろうか、工夫を重ねた時期もありましたが、今は、気にしません。

 今回の投影における、テーマ解説は「12月1日に地球に最接近する火星」という内容です。火星の基本的な情報や、なぜ2年2か月ごとに接近するのか、また、最接近時の火星の大きさなどについて解説しました。

 26日(土)の夜は、市民天体観望会です。参加者の数は、少なめでした。これには、逆に天文ボランティアの皆さんもビックリされていました。本来は、今回の倍くらいの参加者の数です。天気の方は、雲が多かったのですが、開催時間帯に晴れてくれましたので、火星・木星・土星、秋の星雲・星団などをご覧いただきました。

 このところ、週末になると県外に出かけることが多かったので、だいぶ疲れがたまっているようでした。帰りの高速道路を走っていると、眠気が襲ってきて、浜松サービスエリアで力尽きて、寝てしまいました。目が覚めると、寝る前までの記憶が飛んでいるようで、・・・あれ、ここはいったいどこだろうと思いました。

 入場者が少ないときには、いろいろ考えさせられることが多いのですが、ここまでやってきてしまったので、あとは何も考えずに、終着駅を目指すだけです。
蔵王堂秘仏ご本尊 特別ご開帳(金峯山寺 奈良県吉野郡吉野町 11月19日から21日)
11月21日(月)

蔵王堂(金峯山寺)


吉野山の紅葉(最盛期を過ぎているような感じでした)

 この「星雑記」の7月27日(水)のところで、風景画34作目として「蔵王権現立像(ざおうごんげんりゅうぞう)」をアップしました。その時の記述とあわせてご覧いただければ、私共が今回、表題の特別ご開帳に行った動機などがご理解いただけると思います。

 金峯山寺(きんぷせんじ)は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として世界遺産に登録されています。桜の名所として知られる、奈良県中央部の吉野郡の吉野山にあります。桜の数は約3万本ともいわれ、その開花は、4月上旬頃にふもとの下千本から約1か月かけて中千本、上千本、奥千本へと上っていきます。

 花矢倉展望台からは、吉野の桜の全景が見えますが、その中心にあるのが蔵王堂であり、ここに3体の蔵王権現が鎮座しています。写真撮影は禁止となっているので、もちろん画像はアップできません。上にアップした私共の絵の画像をご覧ください。

 20号キャンバスに描いていますが、左から本地弥勒菩薩(みろくぼさつ)、本地釈迦如来(しゃかにょらい)、本地千手観音(せんじゅかんのん)像です。それぞれの像高は5.92m・7.28m・6.15mです。まるでにらみつけられるような怖い表情ですが、蔵王堂の奥にある本地堂には、やさしいお顔のそれぞれの像が祭られています。これらの仏様こそが、蔵王権現様の本来のお姿とのことです。

 これらの像は蔵王堂の秘仏ですが、国宝仁王門修理勧進のために、2012年から10年間、毎年一定期間ご開帳されました。ちなみに、この11月の1か月間が、その最後の特別ご開帳となります。国宝仁王門の大修理は、平成30年(2012年)に着手され、令和10年(2028年)頃に完成予定だそうです。総工費は約20億円となるそうです。

 この秘仏の特別ご開帳を7月から心待ちにしていました。11月は、いろいろと用事が入っていたので、今回のタイミングで拝観に行くことにしました。11月19日(土)の午後2時半頃横浜を出発しました。吉野山までの距離は約470キロです。いつものルートで走り、何回かの仮眠をとりながら、日付が変わって午前2時半頃に吉野山駐車場に到着しました。すなわち所要時間は約12時間です。疲れたという感覚はありませんでした。

 駐車場は24時間いつでも入れますので、ここで明け方まで仮眠をしました。今回もポータブル電源と電気ケトルを持って行ったので、朝食に温かいコーヒーと、手前のコンビニで調達したサンドイッチを食べました。

 霧雨が降っていました。傘をさして観光地を歩いた記憶がほとんどありません。今回の天気は、実に久しぶりでした。ご開帳の始まる午前8時半には蔵王堂に入りました。3体の蔵王権現様は、私共が絵を描きながら想像していたよりも、少し小さな感じがしました。想像を膨らませすぎてしまったためでしょうか。それでも圧倒的な迫力でにらみつけられているような感じでした。大変厳かな時間を過ごせたように思います。

 3体の仏様のベースとなる肌の色は、私共が描いたよりも、やや暗めのコバルトブルーでした。そして目の印象も想像していたものとは、かなり異なりました。身に着けているものの模様や色も、色あせているせいか、そのディテールはよくわかりませんでした。高さが7メートル近くもある、これらの像がご本尊であるためには、これだけ巨大な建物が必要であることがよくわかりました。本地堂に祀られているそれぞれの像も拝観することができました。こちらは蔵王権現様とは全く異なり、きらびやかで、それぞれがとても優しいお顔でした。 

 やっと蔵王権現様を見ることができましたので、満足した気分で表に出ました。まだ霧雨でしたので、中千本付近まで歩き、最盛期を過ぎたであろう紅葉を楽しみました。展望台まで登るつもりでしたが、天気が回復するのが午後の予報であったため、そこで引き返して車に戻りました。

 奈良市に向かって車を走らせました。夜行日帰りでもよかったのですが、今回は旅行代金の補助と地域クーポン券が利用できるので、JR奈良駅直結のホテルに宿泊することにしました。ハイクラスのホテルですが、代金が割り引かれることと、これまで貯めていたポイントを使用し、嘘みたいな料金で宿泊することができました。夕食は、近鉄奈良駅近くのイタリアンです。こちらも地域クーポン券のみで支払いで大丈夫でした。奈良市には、これまで何度も来ているので、すでに土地勘があります。

 ホテルに入る前に時間があったため、奈良国立博物館の、なら仏像館に展示されている「金峯山寺金剛力士像(重要文化財)」を見ることにしました。2年間にわたる保存修理を終えて、仁王門の修理完了まで、特別公開されています。5メートルに達する巨像です。東大寺の南大門像に次いで2番目に大きく、南北朝時代の作とのことです。

 おびただしい数の仏像などを見ることができました。昔の仏師の芸術性の高さには驚かされるばかりです。満ち足りた気持ちで、本日の朝には、奈良を後にし、午後6時半頃に横浜に戻りました。
エンジンオイル交換と地図データ更新
11月18日(金)
 以前の10月22日(土)のところで、車のメンテナンスに関して記述しました。その時にエンジンオイル交換を同時にやっておいてもよかったのですが、交換するにはまだ距離が短かったために、今の時期まで引っ張りました。先日、長野県の小海町まで行ったときには、交換するようメッセージが出ていたのですが、あくまでも目安ですので往復した後にしました。

 午前中にディーラーに車を持っていきましたが、予想以上に混んでおり、時間がかかってしまいました。もちろん、今日実施してもらうことは事前に伝えてありました。今の時期はかなり忙しいようで、車が入れ替わり立ち代わりでした。

 ついでにカーナビの地図データも、最新バージョンに更新してもらいました。5年くらい前のデータのままでしたので、高速道路を走ると、道路のないところを走っている場面があり、不便を感じていました。もちろん、高速道路ですから、道に迷うことはありませんが、一般道をリルートして、いちいち案内してくるのが、煩わしかったためです。

 近日中に、再び長距離を走ることになりますので、その前に、車の調子を整えておきたいと思っていました。ディーラーにもっていくまでに、少し時間があったため、車内のシートをクリーニングし、ワックスを塗り込んでおきました。半年に1度程度の割で、この作業を行っています。

 来年の4月頃に、再度、足回りのメンテナンスを予定しています。車の走行距離が、すでに14万キロに近づいていることと、仕事で使用するので、万一に備えてリスクを最小限にするためです。
ポテトサラダ(11月16日)
11月17日(木)
 皆既月食写真の画像処理も終わり、少し時間的に余裕ができたので、昨日の夕方、ポテトサラダを作りました。何日かに分けて食べられる分量です。

 スーパーマーケットなどで、お総菜として買うと、この量だと軽く1,000円は超えてしまうのではないでしょうか。それでなくてもお総菜の値段等も上がっています。

 以前にも記述したとおり、時間があるときには、なるべく手作りして、ストックしておき、サイドメニューとして食卓に出すようにしています。物価の上昇に対応するという意味もあります。

 ジャガイモは北海道産のおいしいものです。品種は、私共の好きなもので、これ以上のおいしさのジャガイモに巡り合ったことはありません。しかし、私共の近所のスーパーで、この品種を見かけることはありません。

 ジャガイモと玉ねぎをもらいました。ニンジンとキュウリだけを買ってきたので、安くつきました。ハムも入れています。先日、岐阜県関市で仕事をした折に、スーパーで買ってきた明宝ハムです。とてもおいしいものです。触感を持たせるのに、ちょうどよいと思っています。

 作り方は我流ですが、ジャガイモやニンジンは蒸し器にかけました。ジャガイモの皮は、手でむきました。

 調味料などを加えて味を調えましたが、大変おいしくできました。ポテトサラダを作ることが多くなりました。最近では、ほとんど作らなくなった餃子も近日中に作りおきして、冷凍保存しておきたいと考えています。
11月8日の皆既月食の画像処理
11月14日(月)
 11月8日(火)に見られた皆既月食については、すでに2枚ほどこのブログに画像をアップしましたが、その他の画像の処理が終わりましたので、以下にアップします。

皆既月食の全経過を1枚の画像にレイアウトしてみました。月の右下に表示されているのは時刻で( )内は、食分です。

天王星の潜入を10分間隔で撮影しました。月は20時40分の皆既食終了直前の月です。

出現時の天王星です。こちらは1枚の画像に3分割してまとめてみました。

21時10分(食分0.60)の月を、肉眼で見た感じに近くなるよう、HDR(ハイダイナミックレンジ)処理しました。

八ヶ岳星と自然のフェスタ in こうみ(長野県南佐久郡小海町 11月12日から13日)
11月13日(日)

 小海星フェス実行委員会の主催で、「八ヶ岳星と自然のフェスタ in こうみ」が11月12日(土)から13日(日)の2日間、長野県南佐久郡小海町のガトーキングダム小海(旧小海リエックスホテル)を会場として開催されました。今年で5回目の開催だそうです。

 実行委員会の中心メンバーのおひとりに、私共が太陽面を撮影するための、Hα太陽望遠鏡のダブルスタック化(Hαフィルターを2枚重ねることで、太陽の光の波長において、Hα波長の通過する幅を狭めることを目的としています)に際して、大変お世話になりました。この時のお礼のために、ボランティアスタッフとして参加することにしました。私共はこのような大きな規模の星空イベントに参加することは、ほとんどありません。

 紅葉シーズンの土曜日です。高速道路の渋滞に巻き込まれると、時間を大幅にロスする可能性があったため、12日(土)の午前1時前には、横浜の自宅を出発しました。もちろんこの時間には渋滞がありませんので、順調に中央自動車道を進み、双葉サービスエリアに到着すると、そこで明け方まで仮眠しました。

 日が昇り、車内で朝食(今回はポータル電源と小型の電気ケトルを持っていきましたので、車内で温かいコーヒーが飲めました)を済ませると、その足で会場まで車を走らせました。今年はまだ紅葉を見ていなかったので、長坂インターをおりて野辺山方面に進むと、八ヶ岳を背景にしたカラマツ林の紅葉が大変見事でした。目には良い保養になったと思いました。

 会場となったガトーキングダムは、林の中にひっそりとたたずむホテルでした。静かでこんなに景色のよいところがあったのかと思った次第です。夜になると、さぞかし星がよく見えるのではないでしょうか。

 会場に入ると、すでに一般参加者の受付が始まっていました。前述のスタッフは、すでに受付に入り、他のメンバーとともに対応されていましたが、イベント全体を見なくてはいけないので、各ブースの担当者からの連絡や相談がひっきりなしでした。見かねて受付に入り、対応することにしました。

 イベントの概要はパンフレットで把握していましたが、受付となると話は別です。他のスタッフを参考に、見よう見まねで対応をはじめ、彼が自由に動けるようにしました。彼は、堰を切ったようにどこかに飛んで行ってしまいました。

 こうして、受付の対応も一段落すると、今度はアストロカーで太陽を参加者に見ていただく時間が迫っていました。彼が望遠鏡で太陽を導入するところから、そこでお手伝いをはじめ、どのようにオペレーションするのかを把握したのち、私共がアストロカーの中で、参加者に対応しました。

 お昼は、ホテルが用意した、新米のご飯の上にカレーがかかったものをいただきましたが、とてもおいしいものでした。(・・・ただし、お米だけは、私共が普段食べているコシヒカリの方が、さらにうまいです)。

 夜も、参加者に星雲・星団や月を見ていただくお手伝いをしました。アストロカーは大変よくできており、このような観望会に対応するには、とてもふさわしい設備だと思った次第です。オペレーションのことまで、よく考えられて作りこまれていました。・・・想像ですが、車の運転やメンテナンス、会場に到着した際の、車のセッティングなどは大変なのだろうと思っています。内部には、五藤光学製の20センチクーデ式屈折望遠鏡が設置されています。

 なぜこのアストロカーがここにあるのかに関しては、話は彼から伺いましたが、私共がここで記述すべき内容ではないので、省略します。町内の皆さんも、この車のことは、気になっている様子でした。

 駐車場で車中泊とし、夜が明けると朝食を食べて、彼にあいさつしてから帰路につきました。午後までいる予定でしたが、天気が崩れてきそうだったのと、日曜日の中央自動車道の上り線の、午後からの渋滞を避けるためでした。

 知り合いに会うことは、少ないだろうと想像していましたが、天文情報誌の編集長・カメラマン、プラネタリウムの解説者仲間、移動式プラネタリウムの仕事を展開していた時に、大変お世話になったクライアントのマネージャー、天体望遠鏡の会社のスタッフなど、たくさんの懐かしい人々と再会することができました。

 夜は寒くて大変だろうなと、行くのがおっくうになっていたのですが、行って良かったと思った次第です。来年も元気な体でいれるようなら、また行きたいと考えています。上の写真は、イベント準備中の風景です。背景にある建物がホテルです。下記に、お手伝いの合間に撮影したスナップをアップします。

 左の画像の望遠鏡(画面左端)は、単なる反射望遠鏡ではありませんでした・・・。

 おそらくI・I(イメージインテンシファイア)を斜鏡と接眼鏡の間に内蔵しているのでしょう。オリオン星雲などは、これまでに見たイメージではなく、まるで画像処理された天体写真そのものをリアルタイムで見ている感じでした。

 オリオン座にある馬頭星雲という暗黒星雲や、はくちょう座にあるペリカン星雲などを初めてみました。衝撃でした。
















 右の画像は、株式会社五藤光学研究所が開発中のプロトタイプ機です。MH-HD+という名称でした。奥に見えている小型機(現行商品)を一回り大きくした赤道儀です。搭載重量は何と50キロまでのハーモニックドライブ赤道儀です。

 余分なコード類もクランプも存在しないので、とてもシンプルで使い勝手がよさそうでした。大変魅力的な赤道儀で、発売が待たれます。私共が今回最も注目したハードウエアです。


 Hα太陽望遠鏡も、いくつか見せていただきましたが、私共が現在使用している望遠鏡が、よく見える望遠鏡であることがよくわかりました。










 抽選会の時間になると、会場のあちらこちらにいた参加者の皆さんが、一斉に本部前に集まってきました。いつの間にこんなにたくさん・・・・。

 上の画像は、夕方の会場の風景です。この時間帯になると、急激に気温が下がってきます。

 私共がお手伝いをしたアストロカーの外観です。下の画像は、アストロカーの内部です。昼間は、太陽をご覧いただきました。フードの先端に、ダブルスタックのHαフィルターが取り付けられています。ドアの外に参加者の皆さんが、太陽を見るために列を作っています。
地球の影
11月10日(木)
 晴れていましたが、太陽面の撮影はお休みしました。月食の画像処理の時間を確保するためなどです。今日は地球の影を表現する画像処理に取り組みました。その結果が上の画像です。

 ステラナビゲーター9というソフトウエアを使用して、宇宙空間に投影された地球の影を固定します。その状態で、赤道座標のモードで月の動きを10分ごとにシミュレーションします。その結果ベースとしてphotoshop CS6に持ち込んで、各レイヤーに入れて、比較(明)合成で表現すると、地球の影(本影)に対する、相対的な月の動きが表現されます。

 実際の写真も、下の11月9日(水)の部分で記述したとおり、赤道座標に沿ってフレーミングしてありますので、あとは画像を縮小して、ベースのその位置に重ねるだけです。シミュレーションは10分間隔でしたが、そのままの状態で実写の画像を再現すると、見苦しくなるので、どのように表現すればよいか、ベースにした画像の各レイヤーを表示・非表示にし、それに沿って、実際の画像を割り当てました。

 上の画像において、皆既中の月は、食最大直後の画像で、下の11月9日(水)のものと同じです。天王星もその位置です。皆既中の月をはさんで、両側に欠けた月を配置することで、地球の本影の輪郭をあぶりだすことができます。皆既中の月と比較すれば、地球の影の大きさがよくわかります。

 これまでの皆既月食の画像でも、同じことができるだけのクオリティーのデータがあるのですが、面倒だっため、行っていませんでした。今回は、最初から地球の影を表現するつもりで、撮影に取り組んでいました。曇ってしまったらアウトでした。しかし当日は、雲ひとつない好条件の天気だったため、このような表現が可能となりました。

 フィルムカメラ時代の皆既月食では、このような画像を得るための撮影は、一発勝負でした。フィルムを巻き上げずに、多重露光という手法で、望遠鏡の位置や、カメラの露出などを設定しなくてはいけません。大変高度な撮影技術が必要でしたが、デジタルカメラであればこそ、このような技法を用いて、撮影の後の画像処理で行うことができます。


写真のデータ 2022年11月8日の皆既月食(地球の影)
TOA150B ×1.5エクステンダー J型赤道儀架台(借用品) EOS1Ds MarkⅢ 撮影地 茨城県ひたちなか市
画像は、日周運動に沿ってフレーミングしています。画面上が北、下が南、左が東、右が西です。
画面右から
18時20分(食分0.17) ISO200 1/200 19時00分(食分0.77) ISO200 1/30 20時00分(食分1.36) ISO400 5sec 21時00分(食分0.74) ISO200 1/30
21時40分(食分0.14) ISO200 1/250
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 11月5日から6日)
11月9日(水)
 先週に引き続いての投影となりました。1週間があっという間でした。

 11月5日(土)と6日(日)に関市まなびセンターにおいて、投影を行いました。今回は、11月8日の皆既月食が直前に控えていたので、投影後半のテーマ解説は「11月8日の皆既月食直前解説」と題して解説しました。

 具体的には、月食当日のシミュ―レーション動画を事前に作成して、当日の関市での見え方や、天王星食とはどのような現象で、どのくらい珍しいことか、そして、皆既月食を楽しむためには、などについて解説しました。

 想像していたほどの入場者が来られたわけではなかったので、少し拍子抜けしてしまいました。

 地方におけるプラネタリウム館の宿命でしょう。メディアでは、現象の前日あたりからこの情報に関する説明が多くなってきたようなのと、当日はたくさんの地域で皆既月食を見ることができたので、それはそれでよかったと思います。

 11月5日(土)の市民天体観望会も、よい天気の中での開催となりました。こちらは固定客がたくさんいるので賑やかでした。月齢11の月、木星、土星などをご覧いただきました。

 画像は、上が工事中の建物の屋上にある、プラネタリウムのドームと天体観測施設のドームです。右の画像は、観望会時に、プラネタリウムのドーム越しに眺めた月齢11の月と木星です。スマートフォンのカメラでもこれだけ写るのですね。
皆既月食(茨城県ひたちなか市 2022年11月8日) 
11月9日(水)
 皆既月食当日は、天気がよく、多くの地域で皆既月食を見ることができたようですね。たくさんの人々が空を見上げて壮大な天文現象に注目することは、とても良いことだと思います。ライブ配信のネット動画にも注目が集まったようです。また、たくさんの方々が画像をアップされているようですが、中には、失敗作をあえてアップして注目を集められている方もいらっしゃって、おかしくなってしまいました。スマートフォンの普及で、それだけ写真撮影が身近になったということでしょうか。

 私共は、前日から滞在先のひたちなか市にいました。別の用事があったため、そこで撮影することにしました。部分食の始めが屋根から出てくるかどうか、ぎりぎりのタイミングでしたが、何とか撮影することができました。全経過を雲ひとつない好条件で撮影できたことは、良かったと思っています。

 撮影した画像をパソコンに取り込んだだけです。まだ画像処理を始めていませんが、とりあえず、皆既食の最大近くの時間で撮影した画像をアップします。

 当日は、気温もさほど低くなく、観望用に準備したニコン20×120双眼望遠鏡Ⅱ型を使用して、皆既月食と天王星食を楽しむことができました。現象の終了後、機材を片づけるとそのまま横浜に戻りました。途中のサービスエリアで仮眠したため、到着は夜明け近くになりました。


写真のデータ 皆既月食2022年11月8日20時00分(食の最大直後)
TOA150B ×1.5エクステンダー J型赤道儀架台(借用品) EOS1Ds MarkⅢ ISO400 5sec露出
画像は、日周運動に沿ってフレーミングしています。画面上が北、下が南、左が東、右が西です。 
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 10月29日から30日)
11月1日(火)
 関市まなびセンターにおいて、10月29日(土)から30日(日)にかけて、プラネタリウムの投影を行いました。28日(金)の午前中に施設に入り、午後から動作チェックを兼ねて、投影を行いました。

 そのあと、教え子のひとりが、大学のギャラリーにおいて、写真展を開催中だったので、彼と合流して、写真展示を見せてもらいました。

 鵜飼と天体写真が中心でしたが、レベルがかなり上がったようで、いずれも力作でした。私共も時々、写真展示や風景画を展示することがあるので、大変参考になりました。

 ホテルに戻る際に、途中のレストランに入り、久しぶりに話をしながら食事をしました。

 投影の方は、秋の星空解説と、後半部のテーマ解説「11月8日の皆既月食としし座流星群」と題したものです。

 皆既月食については、当日のシミュレーション動画を作成し、それを再生しながら、月食とはどのような現象かなど、基本的なことについて解説しました。

 ある投影の回に、幼稚園生程度のこどもさんとその保護者が入場されました。その女の子は機械に興味があるらしく、投影機の近くに行って熱心に見つめていました。

 席に戻ったのを見計らって、私共が解説を行う机に手招きしました。矢印ポインターや、投影機の制御系パソコン、それに画像を出力するパソコンなどを見てもらい、どのようにして解説をしているのか、わかりやすく説明しました。

 彼女は感激したようで、席に戻ると母親に、今聞いたことを熱心に説明している様子でした。

 投影終了後に、保護者のもとに行って、せっかくの興味をさらにのばしてあげるように、お願いした次第です。

 29日(土)の夜は市民天体観望会の日です。空は快晴です。曇る気配は全くありませんでした。

 木星と土星をご覧いただくことになっていました。この時期としては、とても気流がよく、15センチクーデ式望遠鏡でも、土星のリングの中の、カッシーニの空隙がよく見えていました。

 天文ボランティアのおひとりが持参された10センチ屈折望遠鏡でも、木星の縞模様がいつもよりもたくさん見えていました。参加者の皆さんは、大変満足されたご様子でした。

 下の10月22日(土)のところで記述したとおり、車のメンテンナンス直後の高速道路走行です。新品に交換したサスペンションは、高速道路上では、ビシッとした乗り心地でしたが、逆にこれまでのサスペンションも、最後までなかなか粘りがあったことがよくわかりました。

 走行しながら、ふとスピードメーターを見ると、レーン・キープ・アシストの表示において、その機能が動作していないことがわかりました。車線を逸脱するとアラームが鳴るのですが、それも作動していませんでした。

 エアサスペンションの交換時のトラブルなのか、あるいはバッテリーを新品に交換したためのトラブルなのか、よくわかりませんので、近日中にディーラーで確かめてもらうことにしました。

 この種のメンテナンスを行えば、何かトラブルが発生するだろうと考えていました。このため、ディーラーのスタッフには、何度も確認したのですが、やはり発生してしまったか・・・というのが、正直な印象です。次に高速道路を走るまでには、対応できるようにしたいと考えています。

 画像は、上から、屋上から見たプラネタリウムのドーム、天体観測施設内部の15センチクーデ式望遠鏡、市民天体観望会の様子、そして夕焼けを背景にした天体観測施設です。

冬支度
10月25日(火)


 つい数日前(昨日だったかも知れません)に富士山を見た時には、雪を頂いているようには見えませんでした。今日の午前中に食料を調達するために買い物に行った帰り、西の方を見ると、富士山麓まで雪が来ており、驚きました。1日でこんなに・・・と思った次第です。おそらく昨夜の出来事でしょう。

 雪は、太陽光の反射率が高く、その光が遠くまで届くので、これからの季節は、晴れていれば毎日のように富士山が見えます。今回の雪は、時期としてはまだ早いので、山麓の雪は、晴れればすぐに消えてなくなるのではないでしょうか。

 午前中は、雲が低く垂れこめていました。それでも見通しがよく、富士山から、丹沢方面、そしてその北側には、大菩薩嶺、さらに北には雲取山から、秩父方面の山である武甲山まで見えていました。

 お昼過ぎになると、雨が落ちてきて、路面が濡れていますが、それでも富士山をはじめとしたこれらの山々が、まだ見えています。不思議な天気ですね。これから冬になると、夕焼け空にシルエットで浮かび上がる富士山の姿が、さらに美しく見えることでしょう。山々はいよいよ冬支度です。
車のメンテナンス
10月22日(土)
 車をメンテナンスに出しました。走行距離が140,000キロに近づいています。車の年式から考えても、各部が劣化してくる時期だろうと思っています。最近では、足回り付近とみられるところから、コトコトと異音が発生しています。また、トランクを開けるときに使用するスイッチ(その部分に触れると、トランクは電動で開くようになっています)のゴムの部分が劣化しており、ふやけてしまっています。

 私共の車は、乗用車には珍しいエアサスペンションが使われています。その寿命をネット上で調べてみると、10万キロから、運が良くても13万キロとなっていました。前述したとおりです。いつ壊れてもおかしくありません。特に高速道路上で壊れると大変なことになるでしょう。思い切って交換することにしました。

 予定外の出費となりましたが、仕方がありません。メンテナンスが完了するまで、代車をお借りしました。グレードは、私共の車よりもはるかに下のハイブリッドです。走り出してから5分で慣れてしまいました。高速道路を使用しなければ、これでも充分であるように思った次第です。特に安全装置の充実ぶりには、目を見張るものがありました。これらの装置が、このクラスの車にも装備されるようになったことに驚かされました。

 メンテナンスが終わり、本日車を引き取りに行ってきました。サスペンションを交換したことで、さぞかし乗り心地が良くなっているのだろうと期待したのですが、残念なら期待を裏切られる結果となりました。交換前と比較して乗り心地は、体感できるレベルでの改善は、まったく見られませんでした。これがコイルサスであったなら、改善が見られたのではないかと想像しています。

 言い換えると、交換前のエアサスでも、乗り心地に関しては、まったく問題なかったということになります。交換した意味がないように思われるかもしれませんが、メカニックから聞いた話では、フロント側の1本から、目視では確認できないオイル漏れが発生していたとのことでした。

 このほかに、トランクのスイッチ交換、バッテリー交換、ワイパー交換、エンジン洗浄、エアコンや空気清浄機のフィルター交換などを行いました。残念なことに、足回りからとみられるコトコト音は、いまだに発生しています。サスペンションではなく、アームなどから発生しているのかもしれません。次のオイル交換の時に、メカニックに同乗してもらい、異音の発生源を突き止めたいと考えています。

 車については、今の車を最後にしようと考えています。免許証を返納する時期をいつにするかまでは、まだ考えていません。このままいくと、車の走行キロ数は、20万キロを超えると思います。各部の状態に気を配りながら、不具合が出た部分を修理しつつ、延命させようと考えています。このままいくと、最終的には新しい車を買った方がよいくらいの修理代がかかってしまうかもしれませんね。
ピアノ練習
10月17日(月)
 最低でも1曲弾けるようになってから、この件に関してアップしようと考えていましたが、かなり時間がかかるようです。途中ではありますが、あたらに取り組んでいることのひとつをアップします。

 下の9月24日(土)の近況(喘息とストリートピアノ)のところで、ピアノについて触れましたが、その日以降、毎日ピアノに向き合うようになりました。まだ半月しか経過していませんが、「糸」(中島みゆき)という曲を途中まで弾けるようになりました。もちろん、超初心者向けのアレンジです。両手を使用して弾けるように、毎日1時間程度練習していました。インターネット上の動画解説を参考にしていました。

 それは超初心者向けで、大変わかりやすかったのですが、なぜか、動画のシリーズが、曲の途中までの解説で終了しており、そこから先の解説をいくら探しても、ネット上には見当たりません。登っている梯を途中で外されたような印象です。仕方がないので、ほかの解説動画を探しました。ネット上には、この曲に関するたくさんの解説動画があるのですが、私共にとってはどれも一長一短です。

 楽譜が読めない私共にとって、必要な情報が全てそろっている解説は、ほとんどありませんでした。ある程度ピアノに触れている方を対象としているものがほとんどです。それらは初心者向けとなっていますが、私共にとって満足いくものではありませんでした。ひとつだけ、私共が必要とする情報に一番近い動画があったので、それを教材として使用することにしました。

 ただし、ドレミファソラシドの表示がないので、鍵盤の位置から、それを割り出し、どの鍵盤をどの指で弾くかを明確にするための指番号などをメモ帳に記入しながら練習を進めているところです。本来、動画にこのような情報が全て網羅されていれば、このような時間をかける必要もないでしょう。

 さて、初心者として、新しい分野に取り組むときに、何が必要かは、私共プラネタリウム解説者にとっても、情報を出す側として考えさせられる状況です。星空に興味を持ち始めたこどもたちや大人の方々に、難しい言葉を使用したり、わかりにくい説明をしていないかどうか、改めて考えるきっかけとなりました。

 もちろん、これまでも充分に配慮して解説してきたつもりですが、さらに気を使わなくてはいけないと思っている次第です。ピアノの練習は、私共の年齢になると困難を極めます。途中で挫折しないように気長に取り組んでいくつもりです。

 今日は予定がまったく入っていないので、ゆったりとした一日を過ごしています。朝のうちに食材を買いに出かけて帰ってきました。夜の食事の分までの仕込みを終えて、このブログを書いているところです。

 食材の値段がかなり上がったような印象です。買い物の頻度を控えるようになり、お総菜や弁当などは買わないようになりました。手作りにこだわるようになりましたが、その分、時間をとられます。いかにして時間を有効に使うか、値上げされた分をどのように吸収しながら生活していくか、いろいろ考えながら日々を過ごしています。
サーバーのバージョンアップ
10月10日(月)
 私共のホームページを公開しているサーバーが、サービスの安定性の向上や、セキュリティーの強化を目的にバージョンアップされました。このホームページをご覧いただいている皆様には、直接関係ありませんが、その工事は今年2月頃から順次始まりました。私共のサイトは、この10月に工事が行われたようです。10月上旬に工事が完了した旨、メールがありました。

 コントロールパネルにおいて、アップしているファイルの容量を見ると、私共に与えられた容量に対して、まだ3パーセントしか使用していませんので、太陽面を撮影した画像ファイルなどを、引き続きアップしたとしても、まだまだ余裕があります。

 サーバー側のバージョンアップは、数年に一度程度の割合で実施されているようです。その内容はかなり複雑で、手順などを説明した部分の詳細を読んでも、全貌を理解するには、私共のインターネットに関する知識では、正直ついて行くことができません。したがって、私共に関係する部分だけを熟読するようにしているのですが、それでもついていくのがやっと・・・といった状況です。

 サーバーのバージョンアップは、これでしばらくはないでしょうから、安心して使用できるでしょう。私共がプラネタリウム解説者を引退するときがきたら、このホームページも閉じるつもりです。しかし、様々な記録を保存し、過去をさかのぼるときに、何があったのかを知る日誌のようなものでもあるので、閉じた後は、公開はもちろんしませんが、自身のPC内部では見ることができるようにしておきたいと考えています。

 このホームページを作成しているソフトウエアは、2009年頃に発売されたもので、今となっては時代遅れですが、現在使用しているOS(Windows10)のもとでも走るので、いまだにそれを使用しています。現在のそれは、さらに多機能になっているのでしょうが、基本機能しか使用しないので、それで充分です。

 世の中もそうですが、パソコンの世界も、10年も経過すると環境が大きく変化しますね。その間に自らも年をとりますが、できる限り、時代の変化について行けるように努力しなくてはいけないと思っています。
地球科学実験(横浜市立大学 金沢八景キャンパス 10月8日 ファイナル)
10月9日(日)
 横浜市立大学の非常勤講師に適用される要綱によれば、講師の年齢が70歳に達する日の、事業年度の年度末で講師の仕事は終了します。したがって私共にとっては、この講座が同大学での最後の講座となります。

 担当の先生の立会いのもと、10月8日(土)に講座を行わせていただきました。地球科学実験は6つの実験で構成されています。地質・物理・海洋・地震・地殻変動・天文の各分野に関して、非常勤講師と常勤教員により集中的に実施されます。毎年、天文の分野を私共が担当しています。私共が担当するのは今年で11回目です。

 以前は、私共が科学技術顧問を務める、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校を会場としていました。移動式プラネタリウムの投影、演習問題、夜の天体観測などを行っていました。

 移動式プラネタリウムの仕事は、2017年12月でその活動を終了したため、プラネタリウムの投影は、仕事を引き継いでくれた河合準子さんにお願いしていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が始まってからは、移動式プラネタリウムの投影は中止となり、演習問題もリモートで実施されるようになりました。その状況は、今年も同じです。

 大学に出向いて、担当の先生の研究室から、先生にサポートしていただきながら講座を進めました。学生の方は、自宅からネットに接続します。午前と午後の部に分けて講座を行います。演習問題と、天文の話題を解説するコンテンツを合計で3つ準備していきました。パソコンの画面に問題や解答を表示しながら進めます。問題の答えは、担当の先生の方にネット経由で、学生から送られてきます。

 天文の話題を解説するコンテンツとしては、11月8日(火)に見られる皆既月食の解説と、私共が日頃の取り組みとして行っている、天体写真撮影に関して、天体望遠鏡の基礎知識を説明しながら、オリジナルのCG動画や実写の映像を交えて話をさせていただきました。

 リモートで講座を行うのは、今回が3度目です。リモート用のソフトウエア、チャット、音声など、双方向のやり取りは、思い出すのに時間がかかましたが、次第に慣れ、1時間もしないうちに抵抗がなくなりました。

 夜は、サイエンスフロンティア高等学校の天体観測施設を利用しての、天体観測の予定でしたが、天気予報では晴れる可能性が低かったので、中止としました。

 2012年4月から、これまで(書類上では2023年3月まで)約10年間にわたって、横浜市立大学の非常勤講師として、この地球科学実験という講座を中心に、エクステンション講座(市民向けの生涯学習講座)などで、天文学の分野に関する様々な講座を担当させていただきました。特に、エクステンション講座に関しては、私共の講座に毎回参加してくださる方々もいらっしゃったりして、学生の皆さんを中心として、様々な方々と触れ合うことができました。コンテンツ制作やレジュメの制作などを通して、ノウハウを蓄積し、今に至っています。大変貴重な体験をさせていただきました。担当教員の先生や大学にはとても感謝している次第です。

 話は少し横道にそれますが、スーパーマーケットなどで、食材を買いに行く際に、値上がりしているか、あるいは、同じ価格でも中身の分量が少なくなっていたりします。後者は、目にみえないような値上げであるために、ステルス値上げというのだそうですね。

 このような状況に対応するため、お総菜などを最近では買わなくなりました。食材のみを買い求め、自ら作るようになりました。

 たとえば、鶏のから揚げなどは、もも肉を買ってきて、油で2度揚げします。ポテトサラダは、ジャガイモなどを蒸し器にかけてから、他の食材と混ぜ合わせて味を調え、何回か分を作り置きします。

 ただし、お米だけは、これまで食べていたものよりも上等なものをネット通販で取り寄せるようになりました。

 お米がおいしいので、外食をしないようになり、またコンビニ弁当を買わないようになりました。結果として節約になっています。今回の講座でも、大学に行くので、前夜にお弁当に詰めるおかずやおにぎりを作っておきました。ウインナは高いので、ソーセージを入れています。研究室でそれを食べましたが、おいしくできたと思います。

 アップした画像は、研究室において、リモートで講座を行う準備をしている場面と、前夜に作っておいたお弁当です。盛り付けや色どりまでは気にしていません。お弁当は2人分を作っておきました。ひとつはパートナーの分です。

 前述の通り、来年3月で非常勤講師の肩書がとれます。今後数年間かけて、今取り組んでいるほかのいくつかの仕事からも、徐々に身を引くことになるでしょう。
最近の太陽面撮影 
9月28日(水)
 台風14号、15号と立て続けに影響を受けたのち、ここ4日ほど、横浜は快晴が続いています。雲もほとんどないので、太陽面の撮影ものんびりと行うことができます。9月も下旬となると、気流の状態も夏場とは異なり、小刻みに揺れるため、21センチ反射望遠鏡を持ち出す日も減ってきそうです。

 粒状斑の写り方は、気流の状態にかなり左右されます。これからの季節は、口径12.5センチのBORG屈折望遠鏡の出番となるでしょう。太陽の出てくる方向も、夏とは異なります。撮影時刻に電線にかかるようになってきてしまいました。電線は上下に3本走っており、太陽がそれらをまたぐ間は、撮影ができません。

 晴れている日は、太陽面の撮影だけで午前中が終わります。午後からは、近所の公共施設で、卓球練習で体を動かし、帰ってくると、午前中に撮影した太陽面の画像処理を行います。量が多いので、夜までかかり、ホームページにアップすると、すでに寝る時間になってしまいます。

 この状態が4日も連続して続くと、かなりハードです。風景画に取り組んでいる時間が確保できなくなるので、快晴はありがたいのですが、曇ってくれた方が助かる場合もあります。かといって、曇り空の日が続くと、今度は太陽面の撮影ができなくなるので、痛しかゆしです。わがままな話ですね。

 気流の状態がよくないので、満足する画像が得られませんが、これからの季節は仕方がありません。気流の状態が安定している、海外の観測者たちの、クオリティーの高い画像をうらやましく思っています。
近況(喘息とストリートピアノ)
9月24日(土)
 以前に何度かお医者さんに見ていただいたことがあり、薬も処方してもらいましたが、改善されませんでした。その症状は、歳を取るにつれてだんだんひどくなりつつあります。おそらく、ハウスダストやダニなどに原因があるのではないかと思っています。

 私共の父も、先祖の何人かも同じ症状で苦しみました。喘息がひどくなると、その発作から、からだのほかの部分にも負担をかけてしまうので、よくありません。兄弟のひとりも、同じ症状で苦しんでいるので、おそらく遺伝も原因のひとつなのでしょう。その兄弟から、レモン入りのはちみつを飲むと効果がある、と言われて、実践するようになりました。

 症状がだいぶ緩和されて、咳の出る回数がだいぶ減りました。また、その副産物として、今まで以上によく眠れるようになりました。ただ、難点が一つあります。それは、はちみつの値段が驚くほど高いことです。しかし、我慢していると症状が元に戻ってしまうので、定期的に購入しています。季節によっては症状が出ないこともあるのですが、最近は、1年を通して悩まされるようになってしまいました。

 困るのは、コロナ禍で、人様のまえで咳をすると怪訝そうな顔をされることです。そのような場合は、なるべく我慢するようにしています。プラネタリウム投影の解説時にも、咳が出そうになることがあります。そのようなときは、話と話のあいだの「間」の部分で、マイクから顔をそむけて、咳をするようにしています。コロナ禍になる前から、喘息の予防のために、1年中マスクをしていました。風邪ですかと尋ねられることがありましたが、今では、多くの方々が年中マスクを着用しているので、目立たなくなりました。

 最近は、ストリートピアノの動画を見ることを楽しみのひとつにしています。新東名高速道路の浜松サービスエリアにも、上り線にはグランドピアノが、下り線には電子ピアノが設置されているようです。私共もトイレ休憩などに立ち寄りますが、演奏されている方を見たことはありません。立ち寄る時間帯に、公開されていないだけかも知れません。

 ピアノの音色は、とても癒されますね。私共のお気に入りのアーティストは、耳で聞いただけで、曲を弾いてしまう凄腕の方です。また、メジャーデビューされている方とのコラボは、まわりで聞いている方との距離も近く、緊張感がありとても迫力があります。世の中には、たいした才能をお持ちの方々がいるものだなと、敬服してしまいます。そしてとても謙虚な態度であることに頭が下がります。

 こどもの頃、ピアノを弾くことができる環境にありませんでした。文房具を買ってもらうことすら、親に気を使っていたこどもの頃でしたので、ピアノなど、夢のまた夢でした。音楽の授業は中学まででした。楽譜を読むことすらできません。苦手な科目でした。

 さて、私共の家には、こどものために準備しておいた電子ピアノがあります。高価なものではありませんが、いずれ誰かが弾くこともあるだろうと、処分せずにそのままリビングに置いたままです。しかし、私共がこの歳になっても、だれも弾く者もいません。気になって、最近電源を入れてみましたが、音はきちんと出ているようです。

 ドレミの位置すらわからないので、超初心者用の動画で少し勉強してみて、ある程度分かるようになっきました。ところが、「糸」(中島みゆき)という曲を、どうやって弾くのか、調べたところ、出だしのところの「レ」の音が、右手は、小指から始まっていました。あれっ!小指はドの位置じゃないのと不思議に思っているところです。わからなくなってしまいました。変ロ長調って何!。・・・星仲間か教え子の誰か、私にこの件について、教えてください・・・パソコンのブライドタッチの方が簡単なように思いましたが、少しの間でもピアノに触れてみようかと思っています。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 9月17日から18日)
9月19日(月)
 先月の20日(土)と21日(日)に続いて、約1か月ぶりの投影となりました。

 台風14号が接近中だっため、天候の方は行く時からずっと不安定でした。往路は自宅を出発してから、東海環状自動車道の鞍ヶ池パーキングエリアまでノンストップで走ってしまいました。

 本来であれば2時間ごとに休憩を入れたほうがよいのですが、途中雨が降っている区間もあったため、トイレ休憩なしに走ってしまいました。

 鞍ヶ池パーキングエリアに到着したのは日付が変わる頃でした。そこで車中泊として、翌日の午前中には施設に入り、設営を開始しました。

 設営を終わり、投影機やプロジェクターの動作チェックしたところまでは良かったのですが、パソコンから出力される映像の音が出ませんでした。

 いろいろ調べてもわからず、施設のスタッフに相談をすると、直近で音響を修理したらしく、パワーアンプの電源が入っていないことがわかりました。そこまで調べなかったため、うかつでした。電源を入れて再度映像を再生すると、音はきちんと出力されていました。

 投影の後半部分のテーマ解説では、「彗星の話」と題して解説を行いました。幼児・低学年のこどもたちも多いので、このテーマは難しいだろうなと思っていましたが、意外にも多くのこどもたちが、最後までよく見てくれたのでほっとしています。

 9月17日(土)の夜は市民天体観望会です。台風が接近中であるため、天気は絶望的でした。参加者もいつもよりは少ない状態でした。プラネタリウムの投影のみで終了となりましたが、機材を片付けて外に出ると、東の空には雲間から木星が見えていました。複雑な思いでホテルに入りました。

 ホテルは、施設から歩いていける距離にあります。先週オープンしたばかりの新館を利用させていただきました。

 18日(日)の投影を終えると、急いで帰路につきました。機材の搬出時に雨に打たれることを覚悟していたのですが、台風の動きが遅く雨の影響はありませんでした。

 高速道路上は、雨が降ったりやんだりでした。自宅に戻ると、急いで機材を車から部屋に入れるのですが、その時は強い雨が降っていました。すべての機材を部屋に戻すと、車を駐車場に移動します。その時には大粒の雨で、ボディーカバーをかけている間に、びしょぬれになってしまいました。

 一般道を走行中に、車の足回り付近から、コトコトと異音が生じるようになってしまいました。音の発生源は特定できていませんが、おそらくサスペンションまわりだろうと想像しています。車の走行キロ数から判断しても、そろそろ限界が来ているので、今度の車検の時に、思い切ってサスペンションも交換することにしています。

 施設は、現在大規模改修工事の最中です。工事中の施設に入るのは、何かと気を使いますが、プラネタリウムの投影をさせていただけるだけでも、ありがたいと思っています。

 右の画像は、市民天体観望会のPRをするテレビモニターですが、その下の注意書きに、私共がキャラクター化されています。

 入場者にプレゼントされる栞などとともに、最近では、施設の要所要所に私共がキャラクター化された注意書きや、PRポスターなどが置かれています。
NOAA13098群(太陽黒点拡大画像 9月12日)
9月12日(月)
 太陽の黒点群に関して、最近ではアメリカ海洋大気庁 (National Oceanic and Atmospheric Administration, NOAA)によって番号付けされたものを使う傾向にあります。黒点群を含む活動領域のことで、NOAA Active Regionのあとに4桁もしくは5桁の番号が続きます。例えば、表題の黒点群を含む活動領域であれば、表題のような表記か、NOAA AR13098あるいはAR3098などとも表記されます。

 今日の横浜は、昨日と似たような天気でした。雲は多かったものの、朝から晴れ間が見えたので、太陽面の撮影を行いました。体調がすぐれませんでしたので、無理をしながらの撮影となりました。体調がすぐれない理由ははっきりしており、外的な要因です。具合が悪くなったのは昨日の午後からでした。承知していたことであり、今日いっぱいその状態が続き、明日には回復することもわかっています。

 雲が多かったため、途中で中断しながらの撮影となりました。この関係で、撮影はお昼頃までかかりました。快晴の時には、最近では11時前には終了します。

 まず初めに、BORG125ED屈折望遠鏡を使用して、眼視で太陽面をチェックします。チェックの目的は、白色太陽像のどの部分を拡大撮影するかということと、気流の状態を見て、どの程度の拡大撮影に耐えられるかを判断するためです。何年も見続けているので、一目見れば、全ての判断ができます。

 白色太陽像の撮影が終わると、次はカルシウムK線で太陽面を撮影しますが、この時には眼視でのチェックは行いません。この波長は、肉眼の感知限界に近く、私共には接眼鏡で覗いても見えません。見えるという方もいらっしゃいます。目を傷めるのを避けるために、この波長での太陽面は、パソコンのモニター上でチェックします。

 次に、Hα太陽望遠鏡を使用しての撮影になりますが、この時にも、眼視で最初にチェックします。Hαフィルター2枚重ね(ダブルスタックといいます)で見る太陽面は、実に素晴らしく、見ていて飽きることがありません。

 一番最後に行うのが、白色太陽像の拡大撮影です。今日は21センチ反射望遠鏡を持ち出せる気流の状態でした。しかも、パソコンのモニター上に映し出された太陽面は、いつもよりもはるかにシャープでした。粒状斑もよく見えていました。おかげで、拡大撮影はうまくいきました。真夏の気流がよいときの、どんよりとした状態とは、明らかに異なりますが、春先や、今頃に訪れる気流の良さそのものでした。

 雲にさえぎられる時間が長かったのですが、あきらめずにお昼まで粘ってよかったと思った次第です。下に、表題の活動領域の黒点群の拡大画像をアップしました。ひたちなか市に保管中のTOA150B屈折望遠鏡をしのぐ解像度です。その他の画像や撮影データは、こちらをご覧ください。フィルターの1枚がそろそろ限界です。新たに調達しなくてはいけません。また、Hα太陽望遠鏡のブロッキングフィルターを1本、昨日修理に出しました。
中秋の名月(9月10日)
9月11日(日)
 昨日は午前中も太陽面の撮影ができる状態でした。天気は良い方でしたが、その傾向は夜になるとさらに良くなりました。中秋の名月です。夜7時頃に住宅街の屋根の上に月が顔を出しました。

 前回、中秋の名月を撮影したのは2020年10月1日(木)でした。ひたちなか市において、海から上ってくる名月をBORG100ED屈折望遠鏡と、EF300 f/2.8L USM望遠レンズ、そして海面に輝く月までの道(ムーンロード)を広角レンズで撮影しています。

 今回は、横浜の自宅において、BORG125ED屈折望遠鏡を使用して撮影しました。日頃の取り組みとして行っている、太陽面の撮影のノウハウと、惑星面の撮影時のノウハウを生かして、4200×4200ピクセルの動画でLRGBの各チャンネルで撮影したのち、画像処理をして、カラー合成しました。

 本来であれば、より高性能のTOA150B屈折望遠鏡を使用したいところですが、今回の機材でも前述した撮影方法で、充分に解像度の高い画像を得ることができます。おそらく、デジタル一眼レフで一枚撮りする以上の解像度でしょう。

 この望遠鏡を月に向けるのは、久しぶりです。撮影終了後に、しばらくの間、眼視で月を見ていました。先月、関市まなびセンターにおいて、今回の中秋の名月に関して解説をした直後ですので、晴れれば見ないというわけにはいきません。

 雲の通過もなく、とても穏やかな中秋の名月でした。敷地の外からは、月を見上げる家族のにぎやかな声が聞こえていました。床につくときにもカーテンを閉めずに、月明かりに照らされる空を見上げながら眠りにつきましたが、朝目が覚めると一面の曇り空でした。

 久しぶりに満月をゆっくりと楽しむことができました。


写真のデータ 中秋の名月
2022年9月10日 21時03分から21時09分 BORG125ED ASI294MM_Pro Gain120 LRGB合成 オリジナル画像4200×4200ピクセル
サーバーのバージョンアップ
9月9日(金)
 私共のホームページを公開しているサーバーの、バージョンアップ工事が行われました。この情報は、プロバイダーから折に触れて連絡のメールが来ていました。それはよくわかっていたのですが、説明が複雑でしたので、重要な部分は全てメーラーに残していました。

 この工事に伴って、IPアドレス、コントロールパネルのURLなどが変更になったために、ついでにパスワードも変更しました。私共のデータが新サーバーに移設されたのち、ユーザ側でいくつかの作業をしなくてはいけません。

 昨日の午前中にその作業を行う予定でいました。パソコンを立ち上げ、まず最初にメールを開こうとしたら、送受信エラーのメッセージが出力されました。メーラーを立ち上げるのが早かったのかな?と思い、メーラーを再起動しましたが、同じでした。

 よく見ると、ネットワークのアイコンがタスクバーに表示されていませんでした。あれっ!と思い、ルーターの方を見ると、いつも点灯しているインターネットのインジゲーターが消えていました。どうしたのだろうと、大変焦りました。普段何気なく利用しているパソコンですが、ネットワークにつながらないとなると、メールのやり取りができないばかりでなく、様々な不便が生じます。スマートフォンも、自宅にいるときには、Wi-Fiで接続しています。それも使えません。

 ルーターを再起動したり、ケーブルを抜き差ししたりしましたが、改善されませんでした。ルーターは、この7月に新しくしたばかりです。ルーターの故障かも知れないと考え、メーカーのサポートに電話しました。スタッフと電話でやり取りしながら、何が故障の原因か、ソフトウエアを操作しながら、追い込んでいった結果、ルーター及び室内のケーブルには問題なく、どうやら外部に原因がありそうだということになりました。実に的確にサポートしてくださるスタッフに感心しました。電話は、ナビダイヤルでしたが、担当者が電話に出るまでは、かなりのスピードでした。

 外部に原因があるとすれば、心当たりを調べなくてはいけません。いろいろ調べた結果、屋外のケーブルのどこかで断線が生じていることがわかりました。修理には時間がかかるだろうとのことでしたので、この日の、サーバーのバージョンアップに伴う作業はあきらめました。ここまで、突き止めるのに午後まで時間を費やしてしまいました。

 作業を中断してから、体を動かさなくてはと思い、近くの公共施設に卓球練習に行きました。帰宅しても状況は改善されませんでした。断線の復旧工事が終わったら、設定をいろいろいじったルーターの設定を、元に戻さなくてはいけないなと思っていたところでした。テレビを見ながら、ふとルーターの方を見ると、いつの間にかインターネットのインジゲーターが点灯していました。作業が終わったということでしょう。

 パソコンを立ち上げると、タスクバーにWi-Fiのアイコンが表示されていました。難なくインターネットに接続できました。サポートスタッフの指示により、いろいろいじりましたが、設定は変更されていなかったということでしょう。

 以上が昨日の出来事です。焦りましたが、無事につながってホッとしています。移動式プラネタリウムの出張投影を行っていたころに比べて、メールの数はかなり減りました。そしてそのうちの9割はフィシングサイトに誘導しようとする迷惑メールです。最近では、どれが本物で、どれが偽物なのか区別がつかなくなりつつありますので、心当たりのないものは、すべて削除するようにしています。

 今日の午前中に、新しいIPアドレスにおいて、ホームページが機能しているかどうかの確認を行いました。そして、コントロールパネルをチェックし、ホスト側サーバーとファイルのやり取りをする、FTTPソフトの再設定を行い、一通りの作業が終わりました。

 私共の年齢になると、新しい環境に移行するための、このような作業はもう限界に近いような感じがしています。プラネタリウム解説者としての引退の時期は、頭の中では決めていますが、あと少し先になると思います。引退の時が、このホームページを閉じるタイミングになるのではないかと考えているところです。
ポストフレアループ
8月29日(月)
 日本時間で8月29日(月)の午前1時48分に、太陽面のNOAA13088群でM6.7クラスのフレアが発生しました。この黒点群は27日(土)に撮影していました。こちらの上から2番目に拡大撮影した画像をアップしています。太陽の自転に伴い、今日は太陽面の南西の縁近くに達しているので、地球の方向から見ることはできなくなってしまいました。

 このフレア発生の後に、コロナ質量放出(太陽コロナの中のプラズマが大量に放出される現象です。地球の方向に到達したとしても人に影響はありませんが、人工衛星、無線通信、宇宙飛行士などには影響があります。またこれに関連してオーロラも見ることができます)が起きましたが、地球から見て真横への放出であったため、地球には影響しないでしょう。

 このようなフレア発生後は、ポストフレアループと呼ばれる、二重・三重に重なった見事なループ状のプロミネンスが見られることがあります。この現象が発生していることは、太陽観測者のネットワーク情報で把握していたので、撮影の準備はできていたのですが、残念ながら、横浜は曇っており撮影できませんでした。残念です。

 私共が最後にこの現象を撮影したのは、2017年9月11日(月)のことです。こちらにその時の画像をアップしてあります。以来、ポストフレアループの撮影はできていません。現在、太陽の活動周期は第25期に入っており、次の極大は2025年頃とされています。最近では、黒点の数も多くなってきています。また、プロミネンスも比較的大きなものが見られるようになってきました。

 今回は逃してしまいましたが、フレアの発生や、ポストフレアループをとらえることは、私共の太陽面撮影における、目標のひとつとなっています。晴れている地域で、撮影された観測者の画像を拝見しましたが、とても見事なものでした。
ボディーカバー
8月25日(木)
 私共の車は自宅近くの青空駐車場に駐車しています。移動式プラネタリウムの出張投影を行っていた頃は、機材が多かったため、1BOXカーを使用していました。その仕事は、このホームページのトップページにあるとおり、2017年12月で終了しました。

 今使用している車は、その頃に購入したものです。たくさんの機材を積む必要がなくなったために、セダンに乗り換えました。セダンとしては最大級の大きさと重量です。車が汚れるのは気にしない方ですが、おそらくこれが最後の車になるだろうと考えています。劣化の進行を少しでも遅らせるために、購入当初からボディーカバーをかけています。

 このボディーカバーはよくできており、車の腹下のフロント側とリア側に、それぞれ2本のベルトを通すことができます。台風などの強風時でも、ボディーカバーがあおられて飛ばされることはありません。また、カバー内に適度に風が入るように、風通しの穴も運転席側、助手席側にそれぞれ設けられています。

 青空駐車における直射日光は、車にかなりのダメージを与えるようです。それは、ボディーカバーが約3年でぼろぼろに劣化してしまったことからよくわかります。現在は2代目のボディーカバーです。大阪府富田林市にある、ボディーカバー専門のショップにオーダーしたものです。私共の車の寸法に合わせて製作していただきました。

 車を使用したのち、ボディーカバーをかけるのは面倒ですが、最近では慣れてしまいました。ボディーカバーの効果は抜群です。車の中にはチリ・ダストの侵入がまったくありません。窓ガラスの可動部分なども購入当初のままです。樹脂製パーツの劣化の具合もさほどではありません。

 車を洗車することは、ほとんどありません。オイル交換の時に、ディーラーで洗車してもらうだけです。それでもいまだにツヤがあるのは、おそらくボディーカバーのおかげでしょう。ただ、私共は、高速道路を走行することがほとんどです。飛び石による細かい傷がたくさんあるのですが、それは致し方ないことでしょう。

 高速道路走行中において、飛び石の被害を避けるために、トラックの中でも、コンクリートの破片や木材の廃材などを積んだ車の後を走らないように気を付けています。そのような場面では、追い越し車線に出て、一気に抜き去ります。

 日常生活において、車を使用することは、ほとんどありません。徒歩の範囲内(ただし5キロ程度までは歩きます)で、ほとんどの用事が済んでしまうためです。洗車の頻度を上げるのか、あるいは、車を使うたびにボディーカバーを装着したりはずしたりするのか、どちらがよいのかは、車をどのような目的で使うのかによるところが大きいように思います。

 話は横道にそれますが、上の文章を記述中に思い出したことがあります。九州自動車道を熊本から宮崎方面に向けて走っていた時です。長い距離にわたって路面に植木の葉が散らばっていました。強風が吹いているわけでもないので、どうしたのだろうと、不思議に思っていましたら、前方に細長い植木を2本積んだ車が見えてきました。

 その葉っぱの部分が、車を走らせるときに生じる向かい風で、どんどん引きちぎられ、路面に落下していました。走り始めを100パーセントとすると、私共が目撃した時には、約40パーセント程度に葉の数が減っていました。目的地に到着したら、さぞかし驚くだろうなと思いながら、車を走らせました。

 似たような荷物の散乱のひどい状況には、何度か遭遇したことがありましたが、一番迷惑だったのは、宝塚インターチェンジ付近で、コンクリートの破片を、道路上にたれ流していた車です。私共の車も、その時には傷だらけになってしまいました。途中で所轄の警察に電話を入れると、車のナンバーを控え、現場を目撃しないことには、どうしようもないといったような回答だったように記憶しています。結局その時には泣き寝入りでした。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 8月20日から21日)
8月22日(月)
 
 プラネタリウム施設のある建物の、大規模改修工事が行われている関係で、8月は先週に続いて2回目の投影になりました。

 関市への往路は、先週とは打って変わって穏やかな晴天でした。御殿場や新富士インターチェンジ付近を通過する際に、富士山は黒いシルエットで浮かび上がり、山頂付近では山小屋が明かりをともしている様子を見ることができました。

 今回も、自宅を出発してから東海環状自動車道の鞍ヶ池パーキングエリアまで、トイレ休憩なしに走ってしまいました。本来は2時間程度走ったら休憩を入れたほうがよいのですが、関市までの350キロ程度の距離であれば、そこまで気を使わなくても集中力が途切れることはありません。ただし、さらに長距離を走る際には、2時間ごとに休憩を入れたほうが、夜通し走るには適しているのではないでしょうか。特に夜明け前が一番眠くなるので、なおさらです。

 鞍ヶ池パーキングエリアに到着したのは、日付が変わる頃でした。ここで車中泊とし、夜が明けてから、朝食を食べて関市に移動しました。

 ちなみに朝食は、以前はコンビニのサンドイッチとコーヒーでしたが、最近は飽きてきたので、出発前に自宅でおにぎりとおかずをこしらえて、それを保冷バックに入れて持参しています。

 おにぎりのお米は、魚沼産コシヒカリを精米してもらって、あまり日数のたっていないものです。とてもおいしいものです。最近は、お米にはこだわるようになりました。おかずは質素でも食事がおいしく感じられるからです。

 設営を終えると、ホテルに入り、そのまま爆睡です。

 20日(土)は、夕方から夜にかけて、施設のイベントがありました。この関係で、17時の回が追加で投影となりました。天体観望会時の投影を含めて、6回投影をしました。

 そのうち、午後から夜の回の3回が満席の状態でした。幼児・低学年のこどもたちがたくさん入場してきました。投影の方は、常にそうですが、わかりやすく丁寧にを心がけています。こどもたちの反応は良かったように思います。「9月10日は中秋の名月」と題して投影後半部のテーマ解説を行いました。夜の天体観望会は、雨のためにプラネタリウムの投影のみとなりました。

 21日(日)は、観客が少ないのだろうと想像していましたが、実際にはかなり入った時間帯がありました。投影が全て終わると、次回の9月用のセッティングを行い、機材を撤収しました。

 復路は、静岡県内を走っている間は、雨が断続的でしたが、神奈川県に入る頃に止んでいました。22時半頃自宅に到着しました。2週間続けての投影でしたので、声の状態はベストに近い状態で良かったと思います。今日からは、再び日常の生活に戻っています。

 上の画像は、別の建物の中から見た天体観測施設のドームと、プラネタリウムのドーム(画面左側)です。右上の画像は、20日(土)3回目の投影の入場時のものです。
ピンセット
8月17日(水)
 関市まなびセンターにおいて、以前仕事で大変お世話になった(今もそうですが)方から、ピンセットをプレゼントしていただきました。その方は、昔から模型を作ることに取り組まれています。

 私共が、TOYOTA2000GTの1/8スケールモデルを組み立てていることをお話しました。

 模型を組み立てる際には、細かいパーツが多く、ピンセットなどで挟んで取り付けようとすると、パーツを飛ばしてしまって、どこに飛んだかわからなくなって探し回るのに一苦労していることや、視力の衰えで細かい部分が見えないため、勘でパーツを取り付けていることなどをお話ししました。どうすればよいか、解決方法のアドバイスをいろいろいただきました。

 先日、その方に久しぶりにお会いした時に、ピンセットをプレゼントしていただきました。これだったら、ほかのピンセットとは異なり、パーツを飛ばしてしまう頻度が減るでしょう。とのことでした。

 模型の最新のパーツは、だいぶ前に届いていたのですが、ほかのことを優先していたため、組み立てが今日になってしまいました。4号分をまとめて組み立てました。その際に、このピンセットを使用してみましたが、肉厚がありとても扱いやすいものでした。なるほど、これだったらパーツを飛ばすことは少なくなるだろうと思った次第です。

 模型に付属していたピンセットは、肉厚が薄く、しなりが生じるため、作業中に、そのしなりが原因でパーツを飛ばしてしまっていたようです。今回の物は、しなりがまったくありません。道具ひとつでこれだけの差が出るのに驚きました。最近は、万一、パーツを飛ばしてしまったときに、探せるように和室の畳の上で作業を行うようになりました。絨毯の上などで作業を行うと、探すことがまったくできません。

 道具に関しては、天体写真の世界でも同じことが言えます。性能の良いカメラや天体望遠鏡、そして赤道儀を使用すれば、天体の導入や、撮影において、使い勝手が悪いために生じる無駄な労力を省くことができます。

 上の画像は、ピンセットの比較です。一番下の物が、今回頂戴したものです。肉厚の差を理解していただけるのではないでしょうか。画面右上に見えている黒いパーツは、センターバックボーンフレームの一部です。エンジン部分がほぼ完成したため、最近の号では、シャーシから足回りの部分に組み立てが移行しています。早く、シャーシにエンジンが搭載された場面を見てみたいものだと思っています。
仮設プラネタリウム(関市まなびセンター 岐阜県関市 8月13日から14日)
8月15日(月)

 プラネタリウム施設のある建物の、大規模改修工事が行われている関係で、6月と7月はプラネタリウムの投影がありませんでした。その分、8月は2回投影があります。その1回目が8月13日(土)から14日(日)の2日間行われました。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、行動制限がありません。実施されるのかどうか心配でしたが、予定通り実施するとのことでした。

 台風8号が接近する中、11日(木)の夜に横浜を出発しました。お盆の時期の帰省ラッシュのことも気がかりでしたが、実際にはたいしたことはありませんでした。むしろ大変だったのは、断続的な強い雨です。御殿場から先、豊田東ジャンクションのあたりまで、場所によって猛烈な雨でした。

 トイレ休憩をしようにも、車のドアを開けてトイレまで行く間に、びしょ濡れになってしまいそうでした。仕方なく、東海環状自動車道の鞍ヶ池パーキングエリアまで、休憩なしで車を走らせました。途中、トラックなどによる水しぶきがすごくて、車のオートクルーズコントロールができなくなる場面が何度もありました。これだけの大雨の中、高速道路を走るのは、久しぶりでした。

 プラネタリウムの投影は、5月のゴールデンウイーク以来、約3か月ぶりです。日頃から、発声練習などは欠かさないようにしていますが、それでも本番で声を張って解説をするのと、練習とでは少し異なります。声がやや錆びついているように感じました。

 解説をしているうちに、その錆は少しずつ落とされていくような感覚でした。2日目になると、本来の声質で解説ができるようになりました。自分自身だけが知る感覚であり、人様には、おそらくその感覚の違いは説明しても理解できないくらい、微妙なものだと思います。

 「小惑星と恐竜」と題して、投影の後半部のテーマ解説を行いました。お盆の時期であったせいか、観客はかなり多めでした。解説しながら、本来の感覚を取り戻し、ジョークをたくさん入れながら解説を行いました。

 13日(土)の夜は市民天体観望会です。台風8号の影響は、関市ではほとんどありませんでしたが、夜になっても空は晴れず、プラネタリウムの解説のみで終了となりました。

 久しぶりの投影でしたので、少し戸惑いがありましたが、無事に2日間を終わってホッとしているところです。

 上の画像は、滞在先のホテルから見た、プラネタリウムのドームと天体観測施設のドームです。その右下の画像は、プラネタリウムに入場する際に、観客の皆様にプレゼントされる栞です。私共がキャラクターとしてデザインされています。
プロミネンス
8月3日(水)
 このところ、横浜は厳しい暑さの日が続いています。ここ4日間続けて、毎日太陽面を撮影しています。撮影から画像処理までのプロセスは複雑で時間がかかります。酷暑の中では体力も消耗するので、毎日続けると少し息切れしてきます。

 今日は、朝から雲が多く、撮影するかどうか迷っていましたが、次第に雲が切れてきそうだったので、撮影することにしました。撮影を開始した時には、薄雲がありましたが、それを通してみる白色太陽像は、コントラストは低いものの、気流の揺れは少なく、雲が切れれば比較的良い条件での撮影ができそうでした。

 白色太陽像、カルシウムK線太陽像と撮影を進め、Hα太陽望遠鏡に切り替えて、太陽面を見て驚きました。太陽の東縁には大きなプロミネンスが見えていました。このクラスのプロミネンスは、過去に何度か撮影しています。そのひとつはこちらに画像があります。しかし、ここ数日間の太陽面は、穏やかであったため、このような大きなプロミネンスが現れるとは、思ってもいませんでした。撮影を休まなくてよかったと思った次第です。

 雲はいつの間にか四散し、快晴となりましたので、落ち着いて撮影を行うことができました。下に画像をアップします。画像の詳しいデータ、その他の画像は、こちらをご覧ください。

 Hα太陽望遠鏡で撮影を終えたのち、白色太陽像の拡大撮影を行いました。反射望遠鏡にカメラを接続し、太陽に向けました。パソコンに表示された画像は、真っ白でした。シャッタースピード等の設定が誤っているのかなど、チェックしましたが、異常はありませんでした。ふと望遠鏡を見ると、太陽の強烈な光をブロックするフィルターが取り付けられていませんでした。

 あ・・・!と思い、急いで、太陽を望遠鏡の視野から外しました。口径21センチの反射望遠鏡です。太陽の強烈な熱で、望遠鏡の副鏡や撮影用のカメラなど、ダメージを受けていないかどうか調べましたが、異常はありませんでした。胸をなでおろしました。このような経験は初めてでした。

 太陽面の撮影においては、望遠鏡の口径を5センチ以下に絞るのが常識となっています。しかし、それでは解像度があまりにも不足するため、私共は、口径を絞らずに別の方法で、太陽光線をブロックしています。このようなミスを犯すのは年を取ったからだなと、一瞬思いましたが、全てを年のせいにするのはよくありません。油断をしないで、撮影をしなさいということなのでしょう。
Mewlon210反射望遠鏡による太陽黒点の拡大撮影(その2)
8月1日(月)
 ここ数日間、暑い日が続いています。部屋の中でじっとしていても、汗がたらり・・・と出てくるほどです。私共は、冷房が体に合わないので、夏の間、冷房をかけることはほとんどありません。さいわい自宅は高台にあり、風が通り抜けるので、夜は比較的気温が低くなり、寝苦しく感じることはあまりありません。

 気温が高い日の、太陽面の撮影は大変です。熱源に向き合うわけですからしかたがありませんが、体力もかなり消耗するようです。しかし、暑い日は比較的気流の状態が安定しており、良質の画像が得られる傾向にあります。今日もそうでした。

 撮影前には、眼視で太陽面をチェックし、太陽像の周縁部の揺れ具合をチェックします。ここ数日はとても安定した状態です。今日はこれまで以上に高倍率で太陽面の拡大撮影を行いました。

 得られた画像を上にアップします。オリジナル画像(2800×2800ピクセル)を半分のサイズにして中央部をトリミングし、リサイズしました。TOA150Bに負けず劣らずの解像度です。ベランダでの撮影ですが、このクオリティーで画像が得られれば、反射望遠鏡を使用する価値は充分にあります。ただ、気流がよい状態は長くは続きません。暑くて大変ですが、今のうちに良質の画像をたくさん撮影しておきたいと考えています。

 画像の詳しいデータ、本日撮影したその他の画像は、こちらをご覧ください。
Mewlon210反射望遠鏡による太陽黒点の拡大撮影
7月31日(日)
 7月28日(木)から30日(土)の3日間、用事があって横浜・ひたちなか間を往復しました。用事を済ませたのち、滞在先に保管してあるTOA150B(高橋製作所製)のレンズのクリーニングを行いました。

 ちなみに、この望遠鏡は、今オーダーをかけると、納品されるのは1年後から1年半後ということです。大切に使用したいと思っています。

 左の画像は、クリーニングを終えたのち、ビニール袋をかけて、保管場所にしまった状態です。奥に見える、グレーの双眼望遠鏡はニコン20×120Ⅱ型です。こちらもクリーニングを行いました。大きさの比較ができませんが、どちらもかなりの大きさです。そして、かなりの重量があります。

 このブログの、下の7月23日(土)のところで記述したとおり、横浜の自宅のベランダでは、架台も含めたその重量と大きさを考えると、この望遠鏡を設置しての太陽面の撮影はできません。

 自宅で使用できる機材の中で、高解像度で太陽面の拡大撮影ができるとすれば、Mewlon210反射望遠鏡しかありません。以前は、この望遠鏡で気流の良いときに拡大撮影を行っていました。

 しかし、TOA150Bで撮影した画像と比較すると、黒点の半暗部に見られるフィラメント構造のシャープさがいまひとつの描写でした。

 今の環境でクオリティーの高い画像を撮影するには、BORG125EDではやや力不足です。そこで、再びMewlon210を使用することにしました。

 約3か月前の4月22日(金)にTOA150B・Mewlon210・BORG125EDで同じ黒点を撮影して、比較したところ、TOA150Bの描写が満足できるものでした。その時の撮影テストでは、Muwlonに使用しているフィルターに、劣化が認められました。

 今日、Mewlon210を太陽に向けて、パソコンのモニター上に、黒点を導入してみて、あれっ・・・と思いました。

 以前は、一枚薄いベールをかぶったような、やや寝ぼけた黒点の像が表示されていましたが、今回は、ピントもぴたりと決まり、とてもシャープな黒点が、モニター上にありました。

 これなら充分使えると思った次第です。なぜ改善されたのかは、よくわかりません。

 考えられる原因としては、フィルターの劣化がかえってよい方向に作用したのか。約1年半前に、今では天体望遠鏡の専門家となった教え子のひとりが、Mewlonをクリーニングし光軸の再調整を行ったのがよかったのか。あるいは、今使用しているカメラが優秀なのか、そのいずれかです。

 このフィルターは、新たに購入する必要があると考えていますが、まだオーダーしていません。ダメもとで使用中のフィルターをクリーニングして使用してみたところ、まだ使えそうです。

 本日撮影した画像を下にアップします。オリジナル画像(2800×2800ピクセル)を半分のサイズにして、リサイズしたものです。

 半暗部のフィラメント構造は相変わらずの描写でTOA150Bのほうに軍配が上がりますが、粒状斑の描写は満足できるものでした。

 横浜の自宅で撮影するときには、Mewlonを使用し、ひたちなか市に滞在中の時には、TOA150Bを使用する方向で、引き続き太陽面の撮影に取り組む予定です。

 右の画像は、Mewlon210を太陽に向けている場面です。太陽光線をなるべく遮り、体に負担をかけないように、鏡筒の向いている方向以外は、シートを利用して太陽光線をブロックしています。

 下の黒点の拡大画像のデータ、その他、本日撮影した画像については、こちらをご覧ください。

 4月22日(金)の、それぞれの望遠鏡による比較画像は、こちらをご覧ください。
風景画34作目(蔵王権現立像 ざおうごんげんりゅうぞう)
7月27日(水)
 風景画の34作目として描きましたが、広い意味でとらえれば仏画の2作目といった方がよいかもしれません。そのような意味での1作目は、東大寺廬遮那仏像を描いたものが1作目となります。

 蔵王権現立像は、金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊です。私共はこの分野には全くの素人です。しかし、この3体の像を雑誌で見た際に、その極彩色の美しさと、にらみつけられるような表情に衝撃を受けました。ぜひ描いてみたいと考え、予定していた作品を描くことを後回しにして、この絵に取り組みました。

 金峯山寺は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として世界遺産に登録されています。桜の名所として知られる、奈良県中央部の吉野郡の吉野山にあります。桜の数は約3万本ともいわれ、その開花は4月上旬頃に、ふもとの下千本から約1か月かけて中千本、上千本、奥千本へと上っていきます。

 花矢倉展望台から見た吉野の桜は圧巻です。その中心にあるのが蔵王堂であり、ここに3体の蔵王権現が鎮座しています。下の画像(20号キャンバスに描いています)において、左から弥勒菩薩(みろくぼさつ)、釈迦如来(しゃかにょらい)、千手観音(せんじゅかんのん)像です。それぞれ5.92m・7.28m・6.15mです。

 これらの像は蔵王堂の秘仏ですが、国宝仁王門修理勧進のため2012年から10年間、毎年一定期間ご開帳されました。ちなみに今年は3月26日(土)から5月8日(日)まででした。私共は、一度も見たことはなく、ご開帳の期間も過ぎてしまったため、とても残念に思っていたのですが、このブログを記述している間に、金峯山寺のことを調べていたら、なんと11月1日(火)から11月30日(水)まで、特別にご開帳されるとのことです。最優先で行ってみたいと思っています。

 吉野山には2017年4月14日(金)に訪れています。4月1日(土)から5月7日(日)までが特別ご開帳の期間でしたので、見ることはできたはずです。しかし、恥ずかしいことに、このような素晴らしいご本尊があることを全く知りませんでした。花矢倉展望台まで行った帰りに、蔵王堂で休憩していながら、今にして思うと、実にもったいないことをしたなと後悔しています。

 これまでの絵は全て、現場で見たものを絵にしてきましたが、この絵については、前述したとおりです。写真や資料をもとにしています。それらの資料では、ディテールまではわかりませんので、想像で模様や色を付けています。

 資料を見ると、色あせている部分もあるのですが、造像当時の色とは、どのようなものであったのだろうと考えながら色を付けてみました。また、まるでにらみつけられるような怖い表情は、かなりデフォルメして描いています。本物のように描くと迫力がまったくでないためです。

 描きながら、なぜ、このような怖い表情をしたものが、弥勒菩薩・釈迦如来・千手観音なのだろうと不思議に思っていました。いろいろ調べたところ、蔵王堂の奥にある本地堂(ほんちどう)には、やさしいお顔のそれぞれの像が祀られており、これらの仏さまこそが、蔵王権現さまの本来のお姿とのことでした。

 次の絵は、横浜をテーマにした風景画を予定しています。風景画を軸にしながらも、時間があれば再度このような仏画にも取り組んでみたいと考えています。
太陽面の撮影
7月23日(土)
 今月は2度、ひたちなか市と横浜市の間を往復しました。今は、横浜の自宅にいます。今月中にあと1回、往復する予定ですが、今後しばらくの間は横浜を拠点に活動することになるでしょう。

 天気の悪い日が続きましたので、太陽面の撮影ができませんでした。今月はまだ3回のみの撮影です。ただ、過去の撮影記録を見ると、7月中の撮影は、あまり頻度が高くありません。天気の悪い日が多かったということなのでしょうか。

 撮影用の望遠鏡は、自宅のベランダに置いています。架台は、ベランダに置きっぱなしです。ベランダでは、北極星が見えないため、撮影時の太陽面の動きを見ながら、徐々に赤道儀を正しい方向に向けるように、追い込んでいます。

 鏡筒は、撮影のたびに部屋から出し入れをしています。主砲のTOA150Bは、ベランダに置くには大きすぎることと,それを搭載する架台も含めた重量を配慮すると、物理的にも置かないほうがよいと判断してます。白色太陽像の拡大撮影はBORG125EDを使用しています。

 7月中の3度の撮影結果から判断すると、気流の状態は横浜の住宅街よりも、海岸線沿いの、ひたちなか市の庭先の方が安定しているようです。

 ベランダでの撮影のほうが、体力的には楽ですが、庭先の方が撮影条件がよいように感じています。ベランダの場合は、上の階の庇に太陽が遮られるまでが撮影時間ですが、現時点では午前11時30分頃までです。それ以降の撮影はできません。

 いろいろと制約の多いベランダでの撮影ですが、私共を取り巻く環境において、できる限りのことはやっておきたいと考えています。今日は久しぶりに朝から青空です。落ち着いて撮影ができました。
TOYOTA 2000GT 1/8スケールモデル製作レポート
7月15日(金)
 記録を残しているわけではありませんので、はっきりとはわかりませんが、今年の2月頃からパーツが届くようになり、製作を始めました。以来約5か月が経過して、エンジンまわりがほぼ完成しました。現在は、エンジンベイを組み立てています。

 小学校高学年の頃、お小遣いをもらうと、プラモデルを買い、よく組み立てていました。

 大人になってから組み立てることはありませんでしたが、シカゴに行った折に、科学産業博物館のミュージアムショップにおいて、スペースシャトルの模型を見つけ、船便で横浜の自宅まで運んでもらったことがありました。

 高さ約80センチ、幅約35センチの大きなものです。固体燃料ロケットブースター、液体燃料タンクが付属した大きな模型です。その模型は、今でも私共の自宅の玄関先に飾ってあります。

 そしてその隣には、アポロ計画で使用されたサターンⅤ型ロケットも飾っています。こちらもスペースシャトルと同じくらいの高さがあります。

 模型を作るのは、それ以来です。TOYOTA 2000GTの模型だけは、どうしても組み立ててみたいと思っていました。太陽面撮影や、風景画の制作の合間に、気が向いたときに組み立てています。

 小学生の頃は、このような細かい作業は苦になりませんでしたが、さすがにこの年になると、直径1ミリに満たないパーツを組んでいく場面などでは、とても苦労します。

 ピンセットも使用するのですが、細かい部分までは、目のピントが合っても解像度がなく、感を頼りに組み立てるので苦労します。ピンセットで挟んでいる間に、パーツをどこかに飛ばしてしまうこともしばしばです。神経を使う作業です。

 最初の頃は、組み立てるのが楽しみでしたが、現在は、どちらかといえば苦痛の方が大きいように思います。

 まだ全体の半分まで到達していませんが、ほぼ組みあがったエンジンの画像をアップします。作業のほとんどは、パーツを穴に押し込むか、ねじ止めするかのどちらかです。素人でも、本物のように組み立てることができるのだと思いますが、やってみると、それほど簡単ではありませんでした。

 最近では、パーツが届くと、少し憂鬱な思いがしています。ここまで組み立てたのだから、完成まで何とかこぎつけたいと思っています。

 選挙の応援演説中に凶弾に倒れた安倍元総理、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻、新型コロナウイルスによる感染の再拡大、そしてここにきて、まるで戻り梅雨のような、不安定な天気など、気がめいってしまうような毎日です。

 これから先、この国はどうなってしまうのだろうかと心配になってしまいます。それでも、毎日の生活は続いていきます。今、私共にできることはこれまでと同じです。感染防止に配慮しながら、残された限りある時間を、毎日を精いっぱい生きることです。
真夏の太陽面撮影
6月28日(火)
 6月25日(土)から、天気の良い日が続いています。梅雨が明けたようです。太陽面の撮影には最適なのですが、ひとつだけ大きな問題があります。それは、梅雨明けした時からの気温の上昇です。それまでとは明らかに異なりました。

 横浜の自宅では、ベランダで撮影していました。上の階の庇(ひさし)に太陽が遮られる時間を配慮して、撮影は早めに行っていましたので、夏といえども気温の高さはあまり負担にはなりませんでした。滞在先では、横浜よりも撮影時間がやや遅く、場所は庭先です。地面からの照り返しなどで、ベランダで撮影しているときよりも、はるかに過酷なものです。日光を遮るものもありません。

 ここ数日の撮影で、だいぶ日焼けしました。普段から太陽を撮影しているので、日焼けには慣れているはずですが、それでも、露出した肌の部分がヒリヒリしています。長袖を着用して撮影するようにしました。体調は戻っていますが、それでも撮影でかなりの体力を奪われ負担になります。

 赤道儀架台は2台を使用します。2台ともブルーシートをかけて、庭先に置いたままです。天体望遠鏡は、合計4本を出し入れして使用しています。なかでも、TOA150Bは最重量級の重さです。また、ダブルスタック化したHα太陽望遠鏡もかなりの重量となります。

 撮影が終わる頃にお昼になります。ご飯を食べた後に、機材を片づけるパターンがほとんどですが、そのあとは、疲れて昼寝をしないと午後からの行動ができません。

 昼寝ができるのは、現役をリタイアした人の特権かも知れません。私共は、まだ仕事をやめたわけではありませんので気が抜けませんが、7月いっぱいまでは時間を自由に使うことができます。撮影は過酷ですが、体力を維持するためにも、これも運動の一環だと思って継続します。

 これがよいことなのかどうかは、正直わかりません。世界中には、太陽を撮影されている方がたくさんいるからです。私共が撮影してもしなくても、どうということはないからです。多くの取り組みが、このような悩みを抱えたまま、今に至っています。ならば、逆に何もしないという選択肢は、私共にはありません。すくなくとも、心の栄養にはなっているのでしょうね。

 SDO(Solar Dynamics Obsrevatory)衛星の画像が、停電のため更新されていませんでしたが、本日より更新されるようになったようです。NASAが打ち上げた太陽観測衛星です。私共は毎日この画像をチェックしています。太陽面の撮影時に、太陽自体の東西南北を撮影画面上で正しく再現するための参考にしています。ここ数日間は、更新されなかったために、ほかの方法に頼っていました。明日からまたチェックできるようになるのは、ありがたいことだと思っています。 
高校時代のクラスメート
6月23日(木)
 ここ数日は、体調不良で床に入っている時間が長くなってしまいました。今日は少し回復してきました。体調が悪くなった原因はわかっているのですが、症状で気になる部分があり、少し様子を見て、場合によってはお医者さんに行った方がよいかも知れません。その場所に長時間いるべきではなかったのでしょう。あるいは、室温を調整してもらうべきでした。

 この数日の間に、高校時代のクラスメートの何人かに会うことができました。大変懐かしく思った次第です。町の中ですれ違っても、まず気づくことはないくらい、皆、当時の面影がありませんでした。

 これまで、どのような人生を送ってきたかを聞いてみましたが、皆、波乱万丈という言葉が当てはまるようなこれまででした。・・・ここまでよく頑張ったね。というのが話を聞いた後の感想です。

 すでに70歳を過ぎた人、これから70歳になろうとする人、誕生日によって個人差はあるものの、人生の最終ステージに来ているように思います。何らかの病気にかかっている、あるいは過去に壮絶な病気にかかり、その後遺症を引きずりながら日々の暮らしを送っている人など、さまざまでした。

 皆の話を聞いていると、人間というのは、このような苦しみを抱えながらも、どうして頑張って生きなくてはいけないのだろうかと、切なくなってしまいました。

 次にいつ会えるのか、あるいはこれが最後になるのかは、わかりませんが、少なくとも3年間、同じ学校で学んだ仲間たちです。これから先の老後は、穏やかに暮らしてほしいと願うばかりです。
タイヤ交換
6月15日(水)
 朝、車へ荷物の出し入れを行っていた時です。作業を終えて、ふとフロントタイヤを見ると、ぺしゃんこになっていました。・・・あれ、もっとホイールとの間に幅があったはずだが・・・と思い、反対側のフロントタイヤと比較してみました。確かに、反対側と比べると、つぶれているような感じでした。

 いつもお世話になっているディーラーの担当者に連絡を入れて、パンクかどうか確認しましたが、何とも言えない状況でした。そこで、滞在先の知り合いのディーラーの担当者に連絡を入れて、確認のために来てもらいました。パンクかどうかわからないうちに、車を動かすわけにはいきません。応急処置として、ポータブル式のタイヤ用コンプレッサーでエアーを注入してもらいました。

 その担当者の知り合いのタイヤショップまで、その状態で車を走らせました。パンクと思われるタイヤを外してみて、びっくりしました。タイヤの内側のサイドウォールと接地面とのあいだに、長さ30センチ程度の亀裂が生じていました。パンクではありませんでした。おそらく、ほかの3本も同じ状況であろうと判断しました。私共の車のタイヤは、オールシーズンタイヤです。それもサイズが大きめです。在庫があるかどうか確認してもらったところ、たまたま1セットだけストックがあるということでした。

 その場で、4本のタイヤの交換をお願いしました。ついでに、タイヤには窒素ガスを入れてもらいたいことも。タイヤは30分程度で届くとのことでした。予定外の出費だったので、作業を行ってもらっている間に、最寄りのコンビニまで(歩いて往復1時間30分かかりました)行ってお金を準備してきました。

 お店に戻ると、新しいタイヤに履き替えた車が準備されていました。ほかの3本のタイヤも見せてもらいましたが、いずれも似たような状況でした。お店を一歩出た瞬間、本来の乗り心地とはこんなに違っていたのか・・・と思い知らされました。つい先日、高速道路を走行したばかりでした。その時にタイヤバーストしなくて本当によかった・・・と、胸をなでおろしたところでした。

 さて、昨年の11月に定期点検を行ったところでした。その時に、タイヤがそろそろ限界に近いはずなので、よくチェックしてください。とお願いしていました。ちゃんと見てくれたのだろうかと、疑問が残りました。最近、高速道路を走った際に、微妙な振動がハンドルから伝わってくるので、ホイールバランスが崩れているのだろうかと、思っていた矢先のことでした。原因は、おそらくタイヤの劣化だったのでしょう。

 このオールシーズンタイヤで、80,000キロほど走行しました。限界がきて当然でしょう。タイヤショップのスタッフからは、この車種で80,000キロほど走ったタイヤを初めてみました・・・と言われました。

 私共は、高速道路での走行がほとんどです。次回は50,000キロで、一度詳しく様子をため、カーナビにメッセージを出すように設定しました。いずれにしても今年の車検時には、タイヤ交換を予定していましたので、前倒しで交換したと思うことにしています。大事に至らなくて何よりでした。
日暈(にちうん 6月1日)
6月2日(木)
 今年の2月6日(日)より、太陽面の撮影を再開しました。晴れていれば、用事がないかぎり太陽を見ています。

 最近は日差しも強くなってきたため、だいぶ日焼けをしました。紫外線を浴びるのは、皮膚のためにはよくないのでしょうが、私共のライフーワークのひとつです。やめるわけにはいきません。

 私共が撮影しなくとも、ほかの人が何人も撮影しているではありませか・・・と言われればそれまでですが、物事の多くは、誰かが必ず同じ取り組みをされているものです。

 太陽を見て撮影を続けることは、若い頃からやってきたことでもあるので、今後も継続するつもりです。

 重量のある望遠鏡を出し入れするのは体力を使いますが、これも健康のためにはよいことだから。と言い聞かせています。

 今年は、日暈を見る機会がたくさんありますが、昨日もそうでした。太陽面に薄雲がかかると、撮影時のコントラストが落ちるので、よくありません。雲が通過するまで、待機するようにしています。

 雲が太陽から離れるのを待っているのは、少しじれったいものです。それが細長い雲だったりすることもあるのですが、そのような場合にかぎって、長い方向が太陽を長時間にわたり遮ったりします。

 雲が通過するのを待つ間に、日暈を撮影してみました。左の画像において、望遠鏡が太陽にきちんと向いていないのには、理由があります。

 望遠鏡の口径が大きくなると、鏡筒内では、太陽の熱により、想像以上の温度になります。その熱により、乱気流が発生して、まるで陽炎が立つように、太陽の見え方を悪くしてしまいます。

 雲が通過するまでの間、それを避けるために、赤道儀の赤経方向に、望遠鏡をずらしておきますが、そのために、太陽の方向を向いていません。

 この日は、いつまでたっても雲が移動しなかったため、そのまま撮影をしました。昨日の太陽面の画像において、コントラストが弱いのは、そのためです。
天体写真1点(M5 へび座の球状星団 5月24日・29日から30日)
6月1日(水)
 ひたちなか市の滞在先の庭先で撮影した天体写真です。いろいろと事情があり、現時点では新月期に遠征することができません。幸いなことに、滞在先では、天気がよくてなおかつ空の透明度が高い日は、はくちょう座からいて座付近にかけての天の川がうっすらと見えます。もちろん、美ヶ原高原や石廊崎で見る天の川とは比較になりません。しかし、それでも長焦点での撮影は、なんとかできるようです。

 TOA150BとJ型赤道儀(借用品・高速駆動対応型)を使用しての天体写真は、移動して使うにはかなり大掛かりです。庭先といえども、セッティングが完了するまでには、2時間近くを要します。ただ、そこから先の撮影の段階では、ステラショット2というソフトウエアが受け持ってくれます。天体の導入から、オートガイド、そして撮影までも管理してくれます。

 撮影を開始して、しばらく様子を見ると、部屋に入って床につき、タイマーをセットして仮眠をします。これで2時間程度仮眠ができます。撮影が終了すると、次の天体を導入して同じことを繰り返すか、または、夜明け近くになると、そこでダークやフラットデータを撮影しながら主な機材の撤収作業に入ります。

 最近では、昼間も太陽面の撮影に機材を使用するため、夜露や海塩粒子から保護するために、望遠鏡にカバーをかけて、そのまま再び眠りにつきます。このように撮影を繰り返すと、2日目には体力が持たないので、新月期といえども、間をあけて数日後にまた同じことをします。

 一晩に2天体ほど撮影できれば、効率がよい方です。通常はひとつの天体の撮影で終わってしまいます。天体写真とは、それほど面倒で、なおかつ神経と体力を消耗するものなのでしょうね。撮影が終わってからの画像処理も大変です。1枚撮影して、画像処理が終わるまでには、かなりの時間がかかりますが、せっかくここまできたので、体力が許す限り、継続するつもりです。

 J型赤道儀の駆動系がいまだに不安定で、原因を探りながらの撮影です。また、オートガイドのパラメーターももう少し追い込みたいと考えています。安心して撮影に集中できるまで、もう少し時間がかかりそうですが、撮影できる段階までこぎつけたことは良しとしたいと思っています。

撮影データ
M5(へび座の球状星団)
2022年5月24日21時51分から23時57分 及び 29日22時19分から30日0時13分
TOA150B EOS6D HKIR 67フラットナー ×1.5エクステンダー
J型赤道儀(借用品・高速駆動対応)
ガイド鏡 BORG100ED ASI174MM
ISO1600 60秒×120コマ 総露出時間2時間 周縁部をわずかにトリミング


※下の画像は、上の画像サイズを半分にして中央部を拡大したものをリサイズしたものです。

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