科学技術顧問会議(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校 11月15日)
11月15日(木)
 久しぶりにスーツを着用して、サイエンスフロンティア高校に向かいました。年に1度の科学技術顧問会議の日です。早期で定年退職してからは、スーツを着ることはほとんどなくなってしまいました。特に最近は、その傾向が顕著です。集まるメンバーは、大学の教授や研究機関の研究者、企業の研究所の所長クラスと、そうそうたるメンバーです。なぜ、私共がここにいるのか、少々場違いな気がしないでもありません。いつも末席で小さくなっています。

 久しぶりにお会いする科学者も何人かいました。その方々は、私共が科学館勤務時代に、私共の上司であったり、勤務していた組織の理事であったりした方々です。高名な方たちですので、名前を出せば・・・ああ、あの人かと思い出す方も多いのではないでしょうか。近くに歩み寄って挨拶をさせていただきましたが、私共に気さくに話をしてくださるので、ありがたいことだと思っています。まぎれもなく超一流の科学者の方々です。

 この1年間の、同校の活動の様子などの報告を受けたあとに、同校の今後などに関して、意見交換を行います。同校は、すでに創立10年を迎えています。卒業生も、学校に出入りして後輩たちの指導にあたる場面も多くなってきました。とてもうれしく思っています。私共は学校創立の1年前から、科学技術顧問として学校にかかわってきましたので、もうそんなに時間が経過したのかと、改めて思った次第です。中高一貫校となり、中学生たちの活躍も目覚ましいものであることが報告されました。頼もしい限りです。

 学校の将来は、必ずしも明るい材料ばかりではありません。難問がいくつも突き付けられています。今日は、それらに関して、顧問からたくさんのコメントが出されました。その中で、前述の科学者のおひとりのコメントは、心に響くものでした。さすがだと思いました。帰りがけに立ち話をさせていただきましたが、お世話になった科学館時代を懐かしく思い出しました。元気そうで何よりでした。

 会議はお昼頃で終わりました。校内には学食があるので、そこで昼食としました。カレーライスを注文しましたが、安くてボリウム満点です。そしておいしいものです。学校に出向いて、お昼をまたぐときには、いつもここで昼食としています。居合わせた女子生徒のひとりが私共を見つけて、歩み寄ってきました。「ぜひ、天文部の活動に顔を出してください。」と声をかけられました。そういえば、最近は顔を出す機会がめっきり減ってしまいました。申し訳ないと思うと同時に、うれしい限りでした。
ワックスがけ
11月14日(水)
 風が強かったのですが、朝から良い天気だったので、車のワックスがけを行いました。先日、車を点検に出した折、撥水加工を行ってもらいました。本来は、ワックスが先で、撥水加工が後の方が良いといわれました。しかし、1か月も経過すれば、車を水拭きしなくてはいけません。布でふくことにより撥水効果が次第に失われると思いますので、結局は、ワックスが先でも撥水加工が先でもあまり変わりないのではないかと思います。

 ワックスがけをするのは、約10年ぶりです。移動式プラネタリウムの出張投影で使用していた車は、1BOXカーでした。10年間で2台使用しました。いずれも17万キロ以上を走らせました。酷使しました。洗車などを行ったことはありません。3か月に1度の割で、オイル交換を行いました。ディーラーに持って行くと、そのたびに洗車をしてくれます。自らの手で洗車をしなかったのは、そのためです。2台とも傷だらけでしたが、まったく気にしませんでした。施設によっては、搬入路が狭かったり、駐車スペースが狭くて、傷がつくのを承知で駐車場に入れることも多かったためです。ハードウエアの搬入・搬出は、そのくらい時間に余裕のない中で行わなくてはいけませんでした。車の傷を気にしている場合ではありませんでした。

 現在の仕事は、岐阜県関市のまなびセンターのみです。駐車場も広いので困ることはありません。ただ、駐車場から施設までの距離が長いのが困りものです。そのため、台車は必需品です。移動式プラネタリウムの仕事をやめたのを機会に、乗用車に乗り換えました。現在の車は、傷をつけないように気をつけながら運転しています。しかし、それでも細かい傷がつきます。

 高速で移動する車は、大なり小なり、傷がつくものです。特に高速道路でそれが顕著です。フロントガラス、車の側面の下部などは、注意していても避けられるものではありません。大切に乗ってはいますが、小さな傷にいちいち神経を使うものではないでしょう。これらの小傷は、多くの場合、小さな飛び石が原因です。このため、コンクリート片などを輸送しているトラックの後ろを走るときには、注意が必要です。

 ワックスは、昔からシュアラスター社の製品を使用しています。他のワックスとは異なり、車のボディーを各ブロックに分けて、スポンジを縦横方向に移動しながらワックスを薄くのばしていきます。乾き始めが拭き頃なります。乾いてしまうと、拭き取りが厄介になります。拭き取り専用のクロスを使います。その後、鏡面仕上げ用のクロスで仕上げをします。カーショップで一般的に市販されているワックスとは、使い方が異なるように思います。おかげで車は光沢が出ました。この車はメンテナンスさえ確実に行えば、20万キロは楽に走る車です。私共の年齢を考えると、おそらく車の寿命が来る前に、運転免許証を返納することになるのではないでしょうか。近日中に、再び長距離を走ります。

 今日は、高校時代のクラスメートから電話がありました。ずいぶんと久しぶりだったので、大変懐かしく思った次第です。皆、それぞれ年を取り、だれが先に逝ってもおかしくない年齢なので、久しぶりに何人かで会おうということになりました。とても楽しみにしています。いずれ、そのレポートをアップするつもりです。
肩こり
11月9日(金)
 ずっと以前から肩こりに悩まされてきました。その主な原因はパソコンのマウスの使い過ぎと、どこかへ出かけるときに、両肩に背負うバックです。バックの中身は、どちらかといえば重いほうでした。肩こりを改善するために、通常は右手で使用していたマウスを左手に置き換えたことがあります。このため現在では、左手でも右手でもマウスを自在に使用できる状態です。ただし、肩こりは改善しませんでした。2年ほど前が一番ひどい状態でした。右肩から手までに常時しびれを感じるようになりました。

 この頃にはすでに卓球練習を始めていたため、左肩から肩こりは徐々になくなっていきました。私共は左利きであり、ラケットを左手で振るためです。高速でラケットを振るため、血流が良くなったのでしょう。肩に背負うバックは、使用しないようになり、現在はたすき掛けの小型のバックにしています。最小限のものだけ持ち運ぶようにしたため、重さも軽くなり、肩への負担も軽減しました。その後、日頃のトレーニングとして、重さ2キロのダンベルを左腕、右腕でそれぞれ30回ほど持ち上げるメニューを加えました。腹筋・腕立て伏せ・ハンドグリップのほかにです。

 最近になって、肩こりはすっかり改善されました。肩のあたりの痛みは全く感じません。卓球練習の効果がいちばん大きいように思います。卓球は、今よりさらに上手になりたいという気持ちももちろんありますが、それ以上に、健康維持と老化予防のためにやるというほうが、その目的としては大きなウエイトを占めています。今後もできる限り、これらのトレーニングのメニューを継続したいと思っています。

 ここ数週間の間に、実にいろいろなことが起きてしまいました。予測もしていなかったことや、予測はできていたのですが、その進行が予想以上に早かったことなど様々です。精神的に大きな負荷がかかってしまい、動揺しました。地に足がついていないような状態でした。今は少し落ち着きました。新月期ですが、とても星空を見に行く気持ちにもならないので、自宅でじっとしながら日々を過ごしています。具体的なことの記述は控えますが、いろいろと考えさせられるこの数週間でした。気が進まないときには、無理に星空を見に行くことはないと自らに言い聞かせています。
手書きイラスト15作目
11月1日(木)
 手書きイラストの第15作目が完成しました。前回の作品が完成したのが8月23日(木)です。今回の作品の制作に要した期間は、約2か月半です。これまでの作品に比べると、期間がだいぶ短縮されました。制作に費やす時間を、比較的多く確保できたことが、短縮できた要因です。正味時間でみると、さほど変わりません。

 前作もそうですが、今回の作品もまた、桜を扱ったものです。ただ、これまでの作品に比べると、大きく異なる点があります。これまでは、どちらかと言えば、正確に描くことを重視していたのですが、そこから脱却して、自らの作風をより前面に押し出すようにしました。このため、現場で実際に見る景色に比較すると、色も鮮やかですし、桜を際立たせた作品になっています。これからの作品では、このような描き方をするようになるのではないかと思っています。

 前回のイラストを、写真に撮影してプリントアウトし、あるところに送付しました。それ以来、返事をいただいたわけではありません。今回の作品も、同じところに送付する予定です。しつこい奴だと思われるかもしれませんが、そこに送付するのは、これが最後です。イラストを募集しているわけではないので、迷惑に思われるかもしれません。ただ、何もしなければ、チャンスは訪れません。そのための第一歩です。そろそろ、私共の手書きイラストによる風景画を、世に出してもよい頃だろうと判断しているためです。

 完成した作品は、前述の理由で、今回もこのホームページへの掲載を見合わせます。未公開にしておいたほうが良いだろうという判断です。どちらにしても、来年の桜が咲く頃までには結論が出ます。それまでに、あと数作が完成していると思いますが、その頃までには、第14作目、第15作目をアップする予定です。
観客が少ない場合、プラネタリウム解説者はどのような気持ちで投影すべきか
10月31日(水)
 少し前になりますが、往年のスーパースターがアリーナでのコンサートにおいて、施設のキャパシティーに対して、観客の数が少ないことを理由に、開演の前にコンサートをキャンセルしたというニュースが、メディアで取り上げられていました。その翌日には、自宅近くの公園において記者会見を開き、キャンセルに至った経緯とともに、コンサートに参加した方々に謝罪をされていました。

 その中で、ご本人が、観客席がスカスカな状態で、パフォーマンスを披露する辛さは、やる側の立場でないとわからない、といったコメントをされていました。この騒動に対して、賛否両論がありましたが、多くの芸能人関係者などからは、否定的な意見が多かったように思います。ファンの立場を考えれば、実施すべきであったと。

 当日の入場者数を考えれば、決して少ない人数ではありませんが、会場に対する観客の割合を見て、スカスカと表現されたのでしょう。確かに、スカスカの状態でパフォーマンスを披露するのは、盛り上がりにも欠けるし、やりずらいでしょう。私共もプラネタリウム解説者として、同じような立場にありますので、その気持ちはとても良く理解できます。

 この騒動のニュースを聞いた時から、この状況をプラネタリウムに置き換えて、考えてきました。もっと早い時期に、アップするつもりでいましたが、最近は、これまでに比べると、仕事をはじめ、様々なことに対する処理能力が、劣ってきたように思っています。今頃になってしまいました。しかしコメントを期待されているわけでもないので差支えないでしょう。

 プラネタリウムの場合、特に平日に観客が少ない場面での投影は、よくあることです。それがたとえ、首都圏のプラネタリウム館であったとしてもです。地方都市に行くと、この状況はさらに顕著になります。極端な場合、1回の投影に観客はひとりだけということもあります。費用対効果を考えると、いかがなものかと思うような状況ですね。

 このような状況で、投影は中止すべきなのでしょうか。答えはノーです。当然です。告知している以上は、投影を行わなくてはいけません。観客は、告知されている時間を見て、見に来ているからです。施設の近くであったとしても、時間に間に合うように身支度をして、施設まで出向いてくる時間を費やしています。そして投影を見るための時間を確保しているわけですから、投影をしないわけにはいかないでしょう。

 しかし、一方で、1名や2名の観客を相手に投影をすることは、プラネタリウム解説者にとっては大変です。1名であろうが、満席であろうが、投影するためにやることは何も変わりません。しかし、そこには人間としての感情が入ってきます。同じ投影をするなら、満席であるほうが、モチベーションが上がるのは当然でしょう。

 では、数名程度の観客の場合、モチベーションを維持しながら、投影をするには(ここでいう投影とは、生解説のことです)どのようにすればよいのでしょうか。とても難しい問題ですが、私共は、若い頃から無心で投影することを心掛けてきました。どうしても雑念が入り込んでしまって、うまく投影できないのですが、年を取るにしたがって、それができるようになってきたように思います。最近は、解説に集中できます。たとえ観客がひとりであってもです。ここまで来るのに、ずいぶんと時間がかかりました。しかしそれでも、頭の中で、このような状況で投影をするのは、いかがなものだろうかという疑問を感じていることは、事実です。

 天体写真を撮影に行く場合は、天気予報を詳しく調べますので、最近では、曇り空の下で指をくわえて空を見上げているという状況は、とても少なくなりました。満天の星の下で、写真を撮影していると、時々、一般の方が星空を見るために、山の上まで上がって来ることがあります。そのような方たちに解説をして差し上げると、とても喜んでくれます。観客が少ないときは、いつしか、そのような状況を想定して、解説を行うようになりました。これだけ長きにわたって、プラネタリウムの仕事をさせていただけたのは、観客の皆さまあってのことです。たとえ観客がひとりであっても、感謝しながら、投影をしなくてはいけないと思っています。

 常設館での現役の時のことです。朝10時の回、時間ぎりぎりで、おばあさんと、そのお孫さんが一緒に入ってきました。観客はその2名です。投影を始めましたが、途中でお孫さんがトイレに行きたくなったようで、ふたりで出て行ってしまいました。残されたのは、解説者である私共ひとりです。解説を継続するのもばからしいので、トイレから戻ってくるのを待ちました。次の回の時間が迫っていたので、途中の部分を省略して解説を続けたことがあります。夏休みなどは、朝から満席が当たり前の館でしたが、通常の平日の午前中には、このような状況が発生することがありました。プラネタリウム館では、避けられないことなのかも知れません。しかし、この時間に見に来ていただける方々こそ、ありがたいと思って投影をすべきでしょう。これは、自らへの戒めでもあります。


 幸いなことに、移動式プラネタリウムの出張投影は、一過性のイベントですから、ほとんど満席の状態で投影をさせていただきました。プラネタリウムの潜在的な人気を裏付けるものだと思います。
仮設プラネタリウム(岐阜県関市 10月27日から28日)
10月31日(水)
 岐阜県関市にある、まなびセンターの直径12メートルドームにメガスターゼロ投影機を仮設して、10月27日(土)から28日(日)にかけて、プラネタリウムの投影を行いました。当日夜9時の星空の解説。そして、投影の後半部分のテーマを「天体望遠鏡の話」と題して解説しました。
 投影の後半部分に使用した静止画・動画は全てオリジナルです。天体望遠鏡の構造を説明する静止画(スケルトン画像を含む)や、光路を説明するための動画、赤道儀の動きを説明する動画などは、高橋製作所の望遠鏡を参考に3DCGで作成したモデルを使用して制作したコンテンツです。天体望遠鏡を使用すると、どのようなものが見えるかという説明のためには、実際に天体を撮影した動画や静止画が必要ですが、これらも全てオリジナルのものです。上の2枚の画像は、実際の投影に使用したものの一部です。昔からの天文ファンであれば、どの望遠鏡を参考にしたか簡単にわかるのではないでしょうか。このタイプは、製造が終了しています。これらの3DCGの制作は大変です。モデルを制作するには3か月程度を要しますが、それを動画にするには、さらに約3か月を費やすことになります。一度制作してしまうと、使いまわしができるので、あとは楽になります。

 プラネタリウムの投影に必要な、これらの基本的な静止画・動画素材は、すでにかなりのストックに達しているため、最近では、新たに制作することは少なくなりました。制作のほとんどの時間を、投影内容に沿って、それらをプレゼンテーション用のソフトウエア(私共が使用するプレゼン用のソフトウエアは、パワーポイントではありません。より多彩な表現が可能なソフトウエアです)に取り込んで、どのように見せるかの工夫に費やしています。

 27日夜の市民天体観望会ですが、夕方頃から雲が多くなり始めました。秋の星雲・星団が観望対象でしたが、火星や土星も見えていたので、それらの天体もご覧いただきました。星雲・星団を見るには、いつもよりも空のバックグラウンドが明るかったように思います。当日の気象条件が原因でしょう。

 翌28日は、午後から「星空のコンサート」でした。~絵本を使ったおしゃべりコンサート~と題したものです。関市立図書館の館長と、あとおひと方の2名のユニットです。フルートとピアノの演奏に加えて、読み聞かせと歌が入ります。それを私共の星空解説とコラボします。

 お二人とも本業が別にあります。正直、パフォーマンスのクオリティーに関してとても心配していました。しかし、各施設等でのコンサート経験も豊富です。ふたを開けてみたら、とてもクオリティーの高いものでしたので、安心しました。地元を拠点としてこのような活動をされている方々をプラネタリウムに招いて、パフォーマンスを披露していただく企画は、地域の文化の発展にも貢献するので、とても良い企画だと思います。ただし、だからといって、だれでもよいというものでもありません。お客様から入場料を頂戴している以上は、クオリティーはプロのレベルであることが当然のように求められます。毎回、とても神経を使うのが、この星空コンサートですが、無事に終わってホッとしました。

 今回も、近隣の県から、プラネタリウム解説者が視察に来られました。関市は車以外でアクセスすると、とても時間がかかります。にもかかわらず、はるばる来てくださったことに、感謝した次第です。
楓天Solar Star Party(保土谷公園 神奈川県横浜市 10月21日)
10月24日(水)
 太陽望遠鏡のオーナーが一堂に会して、情報交換などを行いながら、それぞれの機材を紹介するイベントが10月21日(日)に保土谷公園において開催されました。このようなイベントが行われることを知りませんでしたが、私共にとっては先輩格の観測者からのお誘いがありました。

 建物の外壁工事の関係で、最近は望遠鏡を使用する機会がめっきり減ってしまいました。望遠鏡がどのような状態にあるのか心配で、あまり気が進みませんでした。しかし、高価な太陽望遠鏡が何台もそろう機会は、国内ではおそらく初めてだと思われるので参加することにしました。先輩格の観測者としばらくお会いしていないので、久しぶりにお会いして話をしたいという目的もありました。

 横浜は前日の夜、雨が降っていましたが、明け方にはその雨も上がり、当日はまたとない快晴となりました。午前3時に起きて、太陽観測用の機材を車に積んで出発しました。5時から公園で機材のセッティングができることになっていました。この時間は、まだ星が見えています。機材を所定の場所に運搬し、北極星が見えているうちにセッティングをしました。薄明が始まり、北極星が見えなくなるギリギリのところでセッティングを終えました。やれやれです。

 夜が明けてきて、落ち着いてまわりを見渡しました。すると、太陽が昇ってきて日周運動で動いていく方向に、大きな木がありました。午前中のちょうどよい時間帯に太陽を遮ってしまいそうな気配でした。うかつでした。時間がなかったので、北極星の方向ばかりを気にしていたため、背後の木までは気がまわりませんでした。急いで、機材を別の場所まで移動しました。・・・何のために急いでセッティングを行ったのでしょうね。

 参加者は約20人、機材は30台弱です。皆それぞれ個性的な機材です。初めて目にする機材もたくさんありました。また、私共と同じ機材を持参された方も何人かいたので、見比べることができました。Hα太陽望遠鏡は個体差が大きく、また使用しているうちに劣化が進む(特にブロッキングフィルターと呼ばれる部分が劣化します)ので、自らの望遠鏡の劣化の具合を確認できて、とても参考になりました。機材を中心とした情報交換もできたので、行って良かったと思いました。

 とても高価な機材の集まりです。公園を散歩されている方々も興味津々で、私たちのほうを見ていました。今日は何かあるのですか・・・と、たくさんの方から声をかけられましたので、その都度、望遠鏡で太陽をご覧いただきました。皆さん、何を見ているかよく理解できていないようなので、持参した写真を利用して、このようなものを見ているのですよと、説明しました。

 2か月近くも、望遠鏡に触れていませんでしたが、たくさんの刺激をもらって帰ってきました。外壁工事もまもなく終了するので、太陽観測も再開することになるでしょう。以下に、当日の写真をアップします。



公園の噴水広場に並んだ望遠鏡群(左から2番目が私共の望遠鏡です)

私共のHα太陽望遠鏡です。私共が撮影した写真パネルも持参しました。

背後に控える大きな望遠鏡は、口径15センチの屈折望遠鏡(高橋製作所製)にデイスター社のクォークというHαモジュールを組み合わせたシステムです。Hα望遠鏡としては、解像度が極めて高いものでした。経緯台式ですが、コンピュータ制御で太陽を追尾します。高価な太陽望遠鏡の中でも、とびきり高価なシステムです。

右の写真は、私共の望遠鏡の背後に控える望遠鏡の拡大写真です。架台の部分がとてもユニークな形をしています。初めて見るタイプの架台でした。屈折望遠鏡の対物レンズの前に付いているのは、エネルギー・リジェクション・フィルターです。これがないと、機材もしくは、目にダメージを与える可能性大です。

手前の望遠鏡は、私共と同一の望遠鏡ですが、Hαフィルター2枚重ね(ダブルスタックといいます)です。太陽面、プロミネンスを見るとコントラストがより高くなります。高価なフィルターを2枚使用するため、こちらもかなり高価です。

真ん中の望遠鏡は、白色太陽を見るためのものです。写真では、角度的にわかりにくいのですが、実は望遠鏡が2本あります。双眼望遠鏡です。とてもユニークです。その後ろの望遠鏡も同じく、白色太陽を見るための双眼望遠鏡です。

ミューロン18センチ反射望遠鏡(高橋製作所製)の前面に、エネルギー・リジェクション・フィルターを装着し、接眼部にデイスター社のクォークを取り付けたタイプです。太陽観測装置としては、大変珍しいものです。
 私共は、以前から、反射望遠鏡にHαフィルターは適さないと聞いていましたので、この組み合わせには驚きました。ただし、太陽面や、プロミネンスのコントラストがいまひとつだということでした。改善できれば、太陽を見るための大口径望遠鏡として活躍できるでしょう。


 架台は、マークX(五藤光学研究所製)です。私共の架台と同一のものです。マークX架台が2台並ぶこと自体、大変珍しいといえます。

望遠鏡を逆さに覗いているように見えますが、この覗き方で正解です。フランホーファー線(太陽光の可視光スペクトルの中にみられる暗線)を見るための装置です。五藤テレスコープ株式会社の開発によるプロトタイプです。これで見るフランホーファー線は感動的です。高等学校などの授業に最適な教材のツールとなるでしょう。


マニアックなコメントばかりで申し訳ありません。
近況
10月19日(金)
 このところの横浜は、毎日すっきりしない天気が続いています。この新月期もそのような天気の日が多かったために、星空の写真撮影に出かけることはありませんでした。先月もです。2か月連続で写真撮影を行っていません。建物の外壁工事の関係もあり、この夏以降、天体望遠鏡や写真撮影機材を持ち出すことがありません。

 天体写真撮影、風景写真の撮影などには、体力を使います。私共の年齢になると、次第にそれらが負担になってきます。撮影に行く間隔を2か月もあけてしまうと、行くこと自体がおっくうになってきてしまいます。以前であれば、それではいけないと、自らを奮い立たせていましたが、最近では、年齢のせいにして「・・・まっ、いいか」と思うようになってしまいました。精神的にも体力的にも、確実に老化が進んでいることを実感するようになりました。

 昨年の12月末で、移動式プラネタリウムの出張投影の仕事を終わりにしてから、生活のスタイルが大きく変化しました。スケジュール表は、空白が目立つようになりましたので、手帳を見る頻度も減ってしまいました。似たような毎日の繰り返しですが、これはこれで満足しています。

 昨日、いつものように近所の公共施設で体を動かしてから外に出ると、月齢9の月の左下に、火星が明るく輝いていて見事でした。月や惑星の撮影は、これからの季節、気流の状態が悪くなるので適していません。しかし、外壁工事が終わって、望遠鏡が使用できる環境に戻ったら、すぐに活動を再開したいと思いながら、その光景を眺めていました。近日中に、天文関係のイベントがあるので、参加する予定でいますが、雨天の場合は延期となります。参加できたときには、レポートをアップすることにしています。

 パソコンを立ち上げるときの初期画面ですが、Windows10では、世界各国の見事な景色が表示されるように設定しています。その初期画面が、最近表示されず、ブルーの無地の画面に置き換わってしまいました。自動更新の際に何らかの不具合が出たのでしょう。ネット上で調べてみると、似たような事例が報告されているようです。ユーザーが何かしたわけではないので、納得がいきませんが、実害がないので、そのままにしています。調べ始めると、おそらくそれなりの時間を費やすことになるでしょう。困ったものですね。
秋の味覚
10月9日(火)
 横浜はここ数日間、雲は多少あるものの秋らしい穏やかな天気が続いています。朝の日課である散歩から戻ると、午前中からイラスト制作に入り、午後からは近くの公共施設で体を動かすというのが最近の過ごし方です。たいした刺激もない穏やかな毎日ですが、このような日々が送れることこそ、ありがたいことだと思っています。私共の年齢を考えると、このような平穏な日々が長く続くとは思えません。私自身も含めて、兄弟、親戚が高齢化して、皆それぞれにさまざまな問題を抱えているからです。

 朝の散歩の途中に、野菜の無人販売所があり、最近ではそこに立ち寄るのが習慣になっています。野菜が安く手に入るからです。ここ2週間ほど、そこに栗が置かれるようになりましたので、2度ほど買って帰りました。栗の甘露煮や栗ご飯を作り食べました。皮をむくのが多少の手間ですが、おいしいものでした。今年は、秋刀魚が豊作らしいので、秋刀魚を焼いて食べる機会もたくさんあります。例年より、秋の味覚を楽しむことができています。

 秋刀魚を食べる頃になると、こどもの頃の秋の過ごし方を思い出します。学校から戻ると、近くの水産加工場に歩いて行って、秋刀魚のはらわた(内臓)をバケツ一杯もらってきます。魚を釣るための撒き餌に使うためです。ちょうど今頃の時期です。家からすぐのところの磯におりて、浮き釣りをします。クロダイやイシダイなどがかかることもありました。家に持って帰ると、母がすぐに調理し、夕食の食卓に上ります。

 こどもの頃は、魚があまり好きではありませんでした。釣ったばかりなので新鮮ですが、ほとんど食べたことがありません。魚といえば、塩引きか、秋刀魚、カツオの煮つけくらいしか食べませんでした。刺身も嫌いでした。大人になって、味覚が変わった今にして思うと、とてももったいないことをしたと思っています。
天体写真コンテスト
10月4日(木)
 現在発売されている天文情報誌は数冊あります。ただし書店で購入できるのは2冊です。これらの雑誌では、「ギャラリー」などと称して、読者が撮影した天体写真を掲載するページがあります。ただし、写真のクオリティーが高くないと掲載してもらえません。実際ところは天体写真コンテストといってよいでしょう。

 星に興味を持つと、最初に欲しくなるのは天体望遠鏡です。ひととおりの天体を見てしまうと、次に手を出すのが天体写真です。天体写真から入り、次に天体望遠鏡というパターンの人もいます。私共は、高校生の時に星に魅せられ、その後、前者のパターンをたどりました。

 プラネタリウム解説者として仕事を始めた頃、施設には20センチの屈折望遠鏡がありました。5メートルドームに入った、当時としてはとても立派な施設でした。その望遠鏡で、人々に天体をご覧いただいたり、望遠鏡のメンテナンスをする一方で、自らも太陽の観測や、さまざまな天体を対象に天体写真撮影を行いました。プラネタリウム解説者としてのスキルアップのためです。

 数年も経過すると、自らがどの程度のレベルにあるのか、確かめてみたくなり、当時の雑誌の天体写真コンテストに時々応募していました。目標は雑誌の表紙を飾ることです。優秀な写真の場合は、表紙に掲載されるのが当時の傾向でした。当時、太陽プロミネンスの撮影を行うには、高価な装置が必要だっため、取り組む者は全国でも極めて少数でした。たまたま、噴出型のプロミネンスをとらえた写真を、当時の雑誌の表紙に掲載していただいたことがあります。自らの天体写真のレベルが確認できたので、以降、コンテストには応募しなくなりました。

 その後、日食計算や、スペース・イラストに取り組むことにより、これらの天文情報誌に、解説記事の執筆や、表紙にイラストを連載してもらうようになりました。雑誌社とのかかわりが次第に深くなっていきました。

 関市まなびセンターで投影を行うときには、多くの場合、前日の午後にハードウエアのセッティングと動作チェックを行います。昨年のちょうど今頃、ひとりの高校生と知り合いになりました。星に興味を持ち出した彼は、私共がセッティングしているところにやってきて、星の話をしたり、撮影した天体写真を見せてくれるようになりました。私共はいつしか、撮影や画像処理のアドバイスをするようになります。せっかくの機会なので、ハードウエアのセッティングを手伝ってもらうようになりました。プラネタリウムの機材のセッティングを行うという行為は、とても珍しいことであるので、彼にとってもプラスになるだろうとの判断からです。

 設営が終わると、時間があるときには、一緒にお茶を飲みながら様々な話をします。その中に、高校生の時に何をすればよいかという話を必ず織り交ぜますので、彼にとっては、少し重たい話かも知れません。その彼を、今年の夏に、乗鞍岳天体写真撮影ツアー(この星雑記の8月11日のところで記述)に連れて行きました。光害のない、本物の星空を見せてあげたかったからです。

 彼の天体写真のセンスの良さには、以前から感心していました。撮影の段取りの手際の良さ、構図の決め方、画像処理の方法など、どれをとっても才能を感じさせるものです。原石といってよいでしょう。その彼が、最近になって、前述の天体写真コンテストに入選し、雑誌に掲載されるということです。報告を聞いてとてもうれしく思いました。涙が出そうになったくらいです。彼の努力もさることながら、だめでもよいからと思いつつも、積極的に挑戦する姿勢に心を打たれた次第です。

 すでにこれらのコンテストの常連になりつつある、私共の教え子が何人かいます。彼が近い将来、その仲間に加わることを、とても楽しみにしています。コンテストの常連になることが、最終目標ではありません。ひとつのことに、時間と労力をかけて取り組むことにより、立ちはだかる壁を、創意工夫して突破し、次のステップに進んでいくことがいかに大切かを、若いうちに学んでもらいたいと思っています。

 写真は、私共が天文情報誌の表紙を飾ったときのものです。廃棄しないで保管してありました。彼らに話すだけでは、説得力がないので、実際の証拠をアップしておきます。
仮設プラネタリウム(岐阜県関市 9月29日から30日)
10月2(火)
 岐阜県関市にある、まなびセンターの直径12メートルドームにメガスターゼロ投影機を仮設して、9月29日(土)から30日(日)にかけて、プラネタリウムの投影を行いました。当日夜9時の星空の解説。そして、投影の後半部分のテーマを「彗星(すいせい)ってどんな星」と題して解説しました。

 惑星にも水星という天体があります。読み方は同じでも、まったく別の天体であること。流れ星のように一瞬で消滅する天体ではなく、尾を引きながら、しばらくの間その状態で見えていること。星々の間を移動していく地球からの見かけの動きは、さほど大きくないこと。など、彗星に関して知っておいていただきたい基本的なことを中心に話をしました。

 2か月前の7月28日(土)、29日(日)の投影の時には、台風12号の動きに翻弄されました。今回は台風24号の動きに振り回された2日間となりました。9月29日(土)の投影は、夜の天体観望会の時でもさほど影響がありませんでした。しかし、メディアなどで不要不急の外出は避けるようにとのアナウスがされていたので、観望会の参加者はかなり少なめでした。プラネタリウムの投影のみで終了しました。天気のほうは、小雨が降ったりやんだりの状況でした。

 翌30日(日)の午後は、今年度に入って第1回目の「星空のコンサート」でした。~どこかなつかしくて、やさしいオカリナのひびき~と題しての星空コンサートです。演奏は「野沢栄子とゆかいな仲間」の皆さんです。台風が接近している中での開催でしたので、観客が少なめでした。せっかくの機会だったのに残念です。

 台風のほうは、その頃、四国に上陸しそうな気配でした。岐阜県直撃のコースをたどりそうだったので、投影終了後に、急いで機材を撤収し、そのまま横浜を目指しました。本来であれば、翌月の投影のセッティングをしてから帰るのですが、今回はその作業を省略し、次回の設営時に行うことにしました。この判断は正しかったようです。

 私共が、高速道路を横浜に向けて走る頃には、風が強くなっていました。トラックや1BOXカーなど、風を受ける面積が大きい車は、風にあおられてふらふらしていました。私共が現在使用しているのは乗用車です。投影機を除いて、移動式プラネタリウムのハードウエアを搭載する必要がなくなったからです。乗用車の中でも、トップヘビー級です。風の影響を受けにくいスタイリングですので、これまで使用していた1BOXカーに比べると、風にあおられる頻度はかなり少ないものでした。風切り音も抑えられているので、強風の中でも安心して、車を走らせることができました。車の性能の高さを、はからずも実感した次第です。走行中は気象条件が厳しく、レーダー・クルーズ・コントロールが作動しなくなるような激しい雨のエリアがありました。その時には、ワイパーも最速で作動していました。しかし、これまでの移動式プラネタリウムの出張投影の仕事では、これ以上の厳しい気象条件の中を、何度も走行している経験があるので、それらに比べたら、今回は比較的安全に走行できました。

 自宅に戻り風呂に入る頃、テレビをつけてみると、台風の中心が関市付近を通過しそうな気配でした。急いで戻ってきて良かったと思いました。台風の影響で、施設のスタッフの皆さんは、大変神経を使われた様子でした。それでも2日間、何事もなく投影ができたので、ほっとした次第です。


 
写真は、星空のコンサート開催時の、プラネタリウムの様子です。いつもでしたら、満席になるところですが、今回はさすがにそうはいきませんでした。
卓球練習 9月19日
9月20(木)
 2日続きで高校に顔を出しました。ただし、今回は卓球部の練習に参加するためです。記憶がはっきりしませんが、今年の2月頃、顔を出して以来、彼らの練習に参加することができませんでした。約7か月ぶりに練習に参加したことになります。

 高校生の、現役の卓球部員たちの成長には、目を見張るものがありました。全員が、そのフォーム、フットワークともに見違えるようにレベルが上がっていました。球のスピードも速く、そして返球されたボールが、私共のラケットに当たった瞬間の衝撃もかなりのものでした。3時間ほどの練習でした。

 最後の場面で、試合をすることになっていたようです。彼らが1年生の時には、私共と対戦して、私共は負けた記憶がほとんどありません。ただ、今の成長ぶりを見ると、負けるかも知れないと思いました。近日中に他校との試合があるそうです。万一、その前に私共と対戦して、私共が勝ってしまうと、彼らのモチベーションが下がってしまうことになりかねません。それでは困るので、試合は行いませんでした。
 
 私共の年齢になると、頭で考えたことに体がついていかない傾向にあります。彼らのどこに課題があるのかは、わかりますので、ひとりひとりと練習しながら、個別に課題の修正の方法を指導をして練習を終了しました。高校生のパワーに圧倒されましたが、私共にとってもよい練習になります。来月、また練習に参加することを約束して帰ってきました。
地球科学実験(会場 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校 9月18日)
9月20(木)
 横浜市立大学の非常勤講師の立場で、担当の先生立ち会いのもと、9月18日(火)に同大学の学生を対象に、講座を行わせていただきました。会場は、私共が科学技術顧問を務める、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校です。夜の天体観測のプログラムで、同校の望遠鏡を使用するためです。内容は、移動式プラネタリウムを使用した星空の講義、演習問題、30センチ反射望遠鏡を使用した天体観測です。

 私共は、移動式プラネタリウムの仕事をすでに引退しています。このため投影のほうは、この仕事の私共の後継者である河合準子さんにお願いしました。投影機は、私共が所有するメガスターゼロではなく、1ランク下の機種であるメガスタークラスです。7メートルドームであれば、この投影機でも充分に美しい星空を投影することができます。ただ、魚眼レンズ1台でドームスクリーン全体をカバーするので、投影するエリアによっては、星座の形に多少のゆがみが生じることと、緯度が固定されていて、北緯35度付近の星空しか投影できません。しかしながら移動式プラネタリウムのドームスクリーンに使用するには、充分ではないでしょうか。ビデオプロジェクターに魚眼レンズを組み合わせて使用するデジタル式の投影機よりは、星空の美しさにおいて、はるかにクオリティーが高いのではないでしょうか。

 夜の天体観測のプログラムの都合で、月や惑星が、その時間帯に見えている、この時期に講座を設定しました。学生の皆さんには、移動式プラネタリウムの機材の搬入から手伝っていただきました。そして、ハードウエアの組み立て、セッテイングと続きます。お昼をはさんで、午後からは、本格的な講座となりました。当日夜の星空を河合さんが解説します。その後、演習問題を入れて、学生の皆さんに解いてもらいます。こちらは、私共の担当です。

 毎年似たようなレベルの演習問題を出題していますが、学生の皆さんは、いくつかの問題にとても苦労していました。中学・高校までの勉強の中で、取り扱う内容が変化していることに原因があるように思っています。いくつかのヒントを出すことにより、ほとんどの学生が正解するので、講座に参加している学生の皆さんのレベルが高いのだと思います。

 機材の撤収を終えたのち、屋上に上がって、天体観測の予定でした。ただし雲が多く、見る予定であった天体の方向が、ことごとく雲で遮られていたため、中止としました。屋上に上がってもらって、天文台の天体望遠鏡のみ見学していただきました。

 この地球科学実験は、6つの実験で構成されています。地質・物理・海洋・地震・地殻変動・天文の各分野に関して、非常勤講師と常勤教員により集中的に実施されます。毎年、天文の分野を私共が担当しています。今年で7回目ですが、私共にとっても、とても貴重な体験になっています。移動式プラネタリウムの対応を河合さんにお願いしたので、体力的にはとても負担が軽く、楽ができました。
定年後の人生をどう生きるか
9月17(水)
 先日のNHK総合テレビの午後の番組で、定年という言葉をキーワードに、定年後の人生をどう生きるかということを、何人かの方々の事例をあげて取り上げていました。大変興味深かったので見ていました。私共はすでに、前期高齢者と呼ばれる年齢に達しています。定年後に訪れる生活の、それまでの生活とのおおきなギャップは、すでに克服してしまいました。しかし、これから定年に直面する方々にとっては、深刻な問題でしょう。

 サラリーマンが、それまでの仕事から解放されると、多くの場合、1日中家にいることになります。独身者の場合は別として、夫婦で過ごす時間が多くなることで、夫婦間で、さまざまなトラブルが生じます。お互いに、それまでの生活のペースが乱れることが原因です。また、サラリーマンをやめることにより肩書がなくなります。些細な事のように思われますが、初対面の方に差し出す名刺がないことは、精神的には厳しいものです。考え方を変えて、定年後の人生において、それまでやってきた仕事以外に、生きがいを見つけ出せるかどうかが、大変重要です。番組を見ながら、かつての自分自身も、そのような時期があったなと、思い出していたところでした。

 私共は、人様より早く、早期定年退職をして、個人事業者として仕事を立ち上げ、今に至っています。定年退職後、3か月くらいは、世の中から置き去りにされたような気持ちに襲われました。町を歩いていても、昼食に向かう、さっそうとしたサラリーマンの姿を見て、大きなコンプレックスを感じたものです。体調もすこし崩してしまいました。職場の仲間などからの連絡は、次第に少なくなっていきました。人に頼りにされないことが、精神的にこれほどきついものかと思った次第です。サラリーマン時代は、あれほど煩わしいと思っていたことなのに、皮肉なものですね。

 半年くらいすると、少しずつですが、仕事が入ってくるようになったため、心も体調も少しずつですが改善されていきました。現在は、すでにプラネタリウム解説者を引退してもかまわない年齢ですが、幸いにも、まだオファーをくださる施設があることと、体調も悪くないので、様子を見ながらできるところまで継続するつもりでいます。

 幻冬舎より樋口裕一著(1951年生67歳)「何もしない勇気」という本が発売されているようです。もっと気楽になって、何もしないでいよう、好きなことだけしようということを提唱した本のようです。読んだわけではないのですが、妻から内容の概要を教えてもらいました。たとえば

我慢しない、無理しない
家族と理解し合わなくていい
年寄りらしくしなくていい
運動しなくていい
気を使わない

真面目でなくていい
他人に従わなくていい
リップサービスしなくていい
大勢の中のひとりでいい
見栄を張らなくていい

といったものです。確かに、なるほどと思いましたが、果たして本当にそれでよいのかどうか、少し考えてしまいました。共感する部分もあり、そのように考えると気が楽になります。しかし、少なくとも、私共の現在の生き方とは、少し異なります。「〇〇しなくてはいけない」ということがたくさんある日常生活の中で、それがストレスとなり自分を追い込んでしまう。ということは、確かにあると思いますが、程度の問題だと思います。

 私共は、独立してからの10年間の取り組みの中で、今後、自らがどのように生きていけばよいかが、はっきりしています。プラネタリウム解説者として、できるところまで継続すること。そのために機会あるごとに星空を見に行くこと。イラスト制作に取り組むこと。卓球練習で常に体を動かすこと。これらが現在の私共の取り組みの4本柱になっています。

 高齢者として分類される私共の年齢になると、定年後をどう生きるかという部分は、すでに通り過ぎていますが、現在の自分の取り組みがこれでよいのかどうか、再考する良い機会でした。
星図・星表類
9月12(水)
 昨日、星空の写真撮影に行っていたとすれば、教え子たちや、日頃交流のある星仲間と現地で合流するはずでした。その際、今年2月から6月いっぱいまで取り組んでいた断捨離で、不要となった星図・星表類を教え子たちにプレゼントして引き継ぐ予定にしていました。教え子たちには、すでにさまざまな資料や、カメラ・レンズ・光学機器などをプレゼントしています。ただ、現在使用している撮影機材などについては、あと数年継続使用する予定ですので、彼らに引き継ぐのは、そのあとになるでしょう。

 星図とは、文字通り星の位置を示した図です。日常生活で使用するマップのようなものです。星図があると、明るい星を頼りにして、付近にある恒星をたどり、目的の天体を望遠鏡に導きます。目的の天体とは、多くの場合、星雲・星団・彗星などの暗い天体であり、これらは肉眼では見えません。どこに存在するかは、天体により異なります。星雲・星団の場合は星図に記載さ入れています。彗星の場合は、恒星の間を移動していくので、その位置(赤経・赤緯という赤道座標系で示されますが、これは、マップでいうところの何丁目何番地に相当します。厳密に表現すると緯度と経度に相当します)を星図に書き込み、その周りの恒星を頼りに探し出します。

 星表とは、星図に記載された恒星の住所録のようなものです。多くの場合、赤経、赤緯、明るさ、距離などが1セットのデーターとして示されます。昔は、本にまとめられた一覧票でしたが、現在、これらのデーターは、テキストファイル化されて、パソコンのさまざまなアプリケーションや、プラネタリウム投影機の、原板の星の位置のプロットなどに使用されます。

 今の天体望遠鏡は、機種にもよりますが、天体の自動導入の機能が搭載されています。液晶画面に示される、見たい天体の位置にカーソルを持って行き、決定すれば、天体望遠鏡が自動的にその方向を向いてくれます。私共が若い頃には、このような装置自体が存在しませんでした。星図、赤いセロファンを貼ったペンライトが必需品でした。暗い場所で、星図と実際の星空を比較しながら、目的の天体まで、望遠鏡の位置を追い込んでいきます。時間がかかる作業ですが、慣れてしまうと、代表的な星雲・星団の位置は、覚えてしまうので、次第に星図を使う必要がなくなります。

 天体望遠鏡の自動導入のスピードは、さほど速くはないので、上記のような導入方法のほうが、スピードが速いかもしれません。しかし、望遠鏡が大きくなると、振り回すのが大変なので、自動導入装置があったほうが助かります。

 上の写真は、教え子たちにプレゼントする予定の星図です。まもなく手元から離れてしまうので、記念に撮影しておきました。今では、おそらく絶版になっているものが多いのではないでしょうか。左からフラムスチード天球図譜、ノルトン星図、全天恒星図、肉眼恒星図、全天星図、変光星図です。その下の見開きの本は、新標準星図です。この他にSAO星図、SAO星表、ベクバル星図、ウラノメトリア2000、ATRAS OF THE HEAVENSなどの海外の星図数冊や、へべリウス星座図絵などがあります。手放すのがおしいのですが、所有していても何の役にも立ちませんので、彼らに役立ててもらいたいと思っています。ただ、今となっては、全てコレクターズアイテムでしょう。彼らが機材を購入するときなどの、資金の一部に充ててもらえばと思っています。

 右の画像は、新標準星図に、私共が若い頃書き込んだ日付が入ったものです。さそり座頭部にある、星雲・星団を初めて見たときの日付を記入したものです。昭和45年(1970年)7月の日付が入っていました。今から48年前です。高校3年生の時でした。ほかの領域にも、このような日付が書き込んでありました。

 当時はお金がなく、生前の父が勤務していた印刷所で、アルバイトして得たお金で、10センチ反射望遠鏡の鏡だけを入手しました。鏡筒、架台などは全て自作し、その望遠鏡を使用して、毎晩のように星空を見ていました。望遠鏡の性能は、どれだけ調整しても、像が2重に見えてしまうような粗末なものでしたが、さまざまな天体を見た経験が、後に、プラネタリウム解説者としての、生涯の仕事につながっていくことになったのでした。
星空の写真撮影
9月11(火)
 今はちょうど新月期なので、今日の夜から星空の写真撮影に出かける予定でした。教え子たちや、日頃交流のある星仲間と一緒です。日程や撮影場所の調整を進めてきました。しかし、撮影に予定していたいくつかの場所は、湿った空気が流れ込み雲が多いという天気予報でしたので、断念しました。予定を切り替えて、午後からは近くの公共施設で、卓球練習で体を動かしてきます。

 昨日は、カットマン相手に大苦戦しました。返ってくるボールは、強い下回転がかかっていたかと思えば、ナックル性のボールであったり、あまり切れていなかったりと、さまざまです。その球質に翻弄されてしまいました。相手をしてくださった方は、試合であまり負けたことがないとおっしゃっていましたので、相当なレベルの方なのでしょう。私共は、このようなタイプの方を相手にするのが初めてだったので、戸惑いました。

 「私でよければ、また練習相手になってください」とお願いしたところ、「こちらこそ練習になります」とのことでした。社交辞令だとしても、このような体験ができるのは、うれしいことです。次回までに、今回うまくいかなかった部分を修正しておきたいと思っていますが、そう簡単にいくものではありません。

 帰りがけに、ほかの方から「相手をしてください」と声をかけられました。帰らなくてはいけない時間だったので、丁重にお断りして、次回、お願いすることを約束して戻ってきました。前回、私共がフォアハンドで、ある方とラリーの練習をしている場面を見て、相手をしてほしいと思ったそうです。比較的安定して打てるのは、フォアハンドだけなので、課題がいっぱいですが、さまざまな方と一戦交えられるのは、ありがたいことだと思っています。
イラストその後
9月6(木)
 8月が終わったと思ったら、あっという間に6日になってしまいました。事業を縮小してからの初めての夏が終わりました。毎日同じことの繰り返しの平凡な日々が続きました。ただ、建物の外壁工事の関係で、足場が組まれています。全面がシートで覆われているために、まるでビニールハウス状態の中で、ひと夏を過ごしました。私共は、どちらかというと冷房が苦手なほうなので、極力エアコンを作動させることを控えていますが、さすがに、室温が30度を超える中では我慢ができず、使用する頻度がたくさんありました。

 時間に余裕があるので、イラスト制作を中心に過ごす日々です。作品に集中しながらも、昨年までの約9年半、全国各地でプラネタリウムを投影をさせていただいたことが、脳裏をよぎります。取り組んでいるときには、リスキーな仕事を選んでしまったものだなと思っていましたが、今となっては、それも楽しい思い出に変わっています。全国各地で、様々な施設の担当者や、イベント制作会社の担当者とやり取りをしながら、投影をさせていただいたことは、本当に良かったと思っている次第です。

 8月26日(日)に、あるところに掲載をお願いするために、デジタル化しプリントアウトして送付したイラストですが、いまだに返事がありません。多分、だめだったのでしょう。もともと募集していないところに、強引に送り付けたものですから、仕方がありません。だめだったから落ち込むという年ではないので、すでに気持ちを切り替えて、次の作品に取り組んでいるところです。継続することこそが、何よりも大切だと思っています。

 卓球練習のほうですが、8月中は、私共よりもレベルの高い方々を練習相手にお願いしました。その一方で、マシンを使った練習にも取り組みました。そのおかげで、1か月の間に、だいぶレベルが上がってきたように感じています。ただ、こちらも奥が深いので、ここまで来たら満足というのはないのでしょう。何のために取り組んでいるのかと思うこともありますが、少なくとも体の健康を維持するためには、とても効果的なので、こちらも継続する考えです。

 天文関連の話題がなくて申し訳ありませんが、今月の新月期に、撮影に行く計画を立てており、教え子や、日頃、太陽撮影に取り組みながら情報交換を行っている仲間などと調整をしているところです。


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