天体写真撮影(M65 M66 NGC3628 2021年2月16日から2月20日 ひたちなか市)
2月21日(金
 冷却CMOSカメラを使用して銀河の撮影を行ってみました。太陽面撮影を主な目的としていますが、それだけではもったいないので、ディープ・スカイ・オブジェクトにも撮影対象を広げるものです。

 撮影から画像処理まで行ってみた感想ですが・・・恐ろしく手間暇がかかり、神経を使うものだなというのが率直な印象です。ひたちなか市の夜空は、このところコントラストが良く安定していますので、春の銀河をねらうにはちょうど良いタイミングでした。デジタル一眼レフカメラと異なり、撮影から、画像処理までが多くのプロセスを初めて体験するものです。わからないことだらけでしたが、教え子のひとりからたくさんのアドバイスをもらいました。その関係で、比較的スムーズに(といっても初めてだったので、撮影には手間取りました)撮影ができたほうだと思います。

 教え子の成長ぶりには、目を見張るものがありました。頼もしく思うと同時にうれしくなりました。そして・・・とうとう教え子たちに面倒を見てもらう年齢になってしまったのだなとも思いました。彼はいずれ、この分野では第一人者になっていくことでしょう。期待しています。

 夜空は5等星がやっと見える程度です。それでも明け方近くになると光害が少し少なくなるようです。対象とした天体は、しし座の後ろ足の付け根のあたりにあります。空の暗いところに行けば、12.5センチの望遠鏡で眼視で認めることができますが、ひたちなか市のここでは、存在すらわかりませんでした。ファインダーでまわりの星を頼りに導入し、パソコンのモニター上で確認したのち、構図を調整します。

 このカメラはモノクロカメラです。LRGBの4枚のフィルターを使用して、画像処理の時点でカラー合成します。デジタル一眼レフに比べるとカメラはコンパクトで軽量です。シャッターブレもありません。このため、赤道儀による天体の追尾エラーもほとんど発生しません。これは、赤道儀自体の性能も一役買っていると思われます。

 4枚のフィルターを差し替えながらの撮影となります。本来はフィルターホイールを使えばよいのですが、今回撮影に使用した機材では、それを挿入すると、接眼部のさらに内側にピントが来るようでした。そこでカメラのノーズピースに、直接各フィルターを撮影のたびにねじ込むことになります。カメラを一度、接眼部から外さなくてはなりません。そのたびに構図が変わるので、撮影が終わった画像と、周辺の星の位置を比較し、構図を追い込んでいきます。時間のかかる作業でした。

 画像処理も、これまでとは少し異なるプロセスとなりました。試行錯誤しながら、何とか合成までこぎつけたのが下の画像です。RGBの各チャンネルの露出に時間をかけすぎました。星の色が飽和してしまったのはそれが原因でしょう。銀河の淡い色を出すための措置でしたが、次から露出を切り詰めたいと思います。

 前述したとおり、膨大な時間と労力を必要としました。デジタル一眼レフカメラで撮影したほうが簡単でしょう。ネット上の画像を見る限りさほど差がないようにも感じられます。また、検索でたくさんの画像が表示される状況を見ると、果たして自らが撮影する意義とは何なのか、いつも考えてしまいます。・・・同じ時間を費やすのなら、自分にしか描けない風景画に取り組んでいたほうが良いのではないか・・・。いつまでも結論が出ないままですが、ノウハウを充分に得られるようになるまでは継続する予定です。
写真のデータ
M65 M66 NGC3628
日時 2021年2月16日から2月20日
場所 ひたちなか市
機材 BORG125ED F4 f=500mm UIBAR2 フィルター使用
カメラ ASI294MM_Pro LRGB合成処理
総露出時間 6時間30分

L画像 2月16日23時10分から2月17日1時08分まで 露出 120秒 60枚 合計120分
R画像 2月19日23時16分から2月20日0時40分まで 露出 180秒 30枚 合計90分
G画像 2月19日1時19分から2時46分まで 露出 180秒 30枚 合計90分
B画像 2月20日1時29分から2時56分まで 露出 180秒 30枚 合計90分
過去に撮影した画像の修正
2月12日(金
 ノーマルカメラで撮影したオリオン星雲の画像処理の結果を見て、過去に撮影した同天体の画像処理を再度行いました。下の写真が私共のホームページのギャラリーに掲載していた写真(あとで上の写真と差し替えますが、比較のためにアップしました)で、上の写真が、今回画像処理をやりなおしたものです。画像のデータは同じもので、下のとおりです。

 画像の粗さも気になっていたので、それも調整しました。色調整の方法さえマスターしてしまえば、ある程度までは色はどうにでもなります。欲を言えば、もう少し滑らかな画像にしたかったのですが、それは今後の課題とします。

 使用した対物レンズの明るさの違いはありますが、ノーマルカメラで撮影したものよりも、オリオン星雲を取り巻く淡い星雲の抽出が、赤外カットフィルターを除去した改造機のほうが優れているのは明らかでしょう。

 これまで、発色が気に入らないと考えていましたが、そうではなく情報としてはちゃんと入っていたのでしょう。改造機のほうは、画像の色が赤に偏る傾向が強く出るので、それをどのようなプロセスでノーマルカメラの色に近づけるかが難しいのだと思います。ノーマルカメラの色の美しさには一歩及びませんが、これからさらに工夫して画像処理のレベルを上げていきたいと思います。改造機は、今となっては時代遅れですが、できればこのまま続けて使用したいと考えています。

写真のデータ
2017年11月21日 2時58分から04時04分 および12月18日 23時14分から12月19日 01時16分 総露出時間1時間43分30秒
BORG125ED F4 500ミリ EOS5D MarkⅡ(赤外カットフィルター除去機) ISO1600
15sec×4フレーム 30sec×5フレーム 60sec×4フレーム 180sec×32フレーム コンポジット
ダーク補正、フラット補正、周辺部を多少トリミング
撮影地 朝霧アリーナ
天体写真撮影(2月10日から11日)
2月12日(金)
 2月10日(水)の夜から11日(木)の夜明け前にかけて天体写真の撮影を行いました。最近よくご一緒させていただく星仲間も一緒です。

 これまで撮影に使用していたEOS5D MarkⅡ(赤外カットフィルター除去機)の発色(画像処理の後の色をさしています。)が気に入らず、ノーマルカメラで撮影するとどのような発色になるのだろうと思い、テストしてみた次第です。ネット上の画像等から予測はできていたのですが、その推測通りの発色でした。

 M42(オリオン星雲)が被写体です。青い色の出方が、これまで赤外カットフィルター除去機で撮影したものとは、ずいぶん異なるな…というのが率直な印象でした。色を見るために、極度の画像処理はせず、色彩強調を多少かけた程度です。

 星雲を取り巻く、淡い星雲のあぶり出しをするには、まだまだ露出が足りないようです。このあたりが改造機とは異なるところでしょうか。

 この画像は、途中経過として、機会を見つけて撮影し、コンポジットの枚数をさらに増やしたいと考えています。2時間以上露出した割には、結果は物足りませんでした。これがノーマル機の実力なのでしょうか。

 今回は、撮影の途中でカメラのバッテリーがなくなってしまったので、予備のバッテリーに交換しようと思いましたが、持ってくるのを忘れてしまったようでしたので、それ以降の撮影をあきらめました。しかし、よく考えてみると、改造機も持って行ったので、それを使用して、春の銀河を撮影すればよかったと後悔しています。寒さで、思考力が低下していたように思います。

 フラット補正用にELシートを使用していますが、それも断線が原因で使用できませんでした。こちらは帰ってから修理し、昨夜のうちにフラットデータを撮影しました。

 反省点がたくさんありましたが、久しぶりに星空の下で一晩過ごすことができたので、よかったと思っています。


写真のデータ
M42(オリオン星雲)
2021年2月10日20時45分から11日0時20分
TOA150B ×0.7レデューサ 合成焦点距離770mm
EOS1Ds MarkⅢ ISO800
15sec×7frame 30sec×7frane
60sec×6frame 170sec×40frame
総露出時間2時間04分35秒
太陽面撮影の準備(ASI294MM Proのテスト)
2月6日(土)
 2月4日(木)に続き、再び太陽面の撮影テストを行いました。テストしながら、太陽面撮影の感覚を取り戻しています。忘れてしまったことも多く、ハード・ソフトウエアも随分様変わりしましたので、その使い勝手に慣れる意味もあります。

 2月4日の撮影では、ASI120MMというカメラを使用しました。これは惑星面を撮影するために使用していたものです。太陽面の撮影にはDMK41AU02ASというカメラを主力で使用していました。解像度は1280×960ピクセルです。1/2インチサイズのセンサーが使用されています。

 BORG125ED F6.4(焦点距離800mm)にこのカメラを取り付けて撮影すると、太陽面全体がおさまりきれません。太陽面を4分割して撮影し、画像処理の時点で合成していました(画面全体が白いので、ソフトウエアによるモザイク合成ができません。手作業での合成となります)。Hαでの太陽面も、カルシウムK線で見た太陽面も、2分割か4分割での撮影でした。

 分割で撮影するメリットはなにもありません。画像サイズが小さいためにこのような撮影方法を余儀なくされました。途中で雲が出ると撮影を中断せざるを得ません。撮影の途中で薄雲にさえぎられたりすると、動画のその部分だけに雲がかかってしまうので、全てをNGにするか、力業で画像処理をしていました。画像処理で太陽全面を合成するのは時間がかかる作業でした。

 TOA150BにDMK41とASI120MMのそれぞれを取り付け、撮影のテストを行い、ASI120MMで得た画像が下の2月4日のものです。焦点距離が長い(1100mm)ため、太陽面全体を撮影するには4分割でもたりませんでした。考えたあげく、ASI294MM Proを使用することにしました。これは冷却CMOSカメラです。本来はディープスカイ用で、銀河や星雲・星団の撮影に使用されるのでしょう。それを冷却しないで太陽面の撮影に使います。

 太陽面は無事に画面内に余裕でおさまりました。また、転送速度も問題ありませんでした。ただ、機材が大掛かりであるため、準備に1時間ほどかかってしまいました。慣れればもっと早くなるでしょう。ついでにカルシウムK線モジュールでの撮影もテストしておきました。Hαのほうは、ブロッキングフィルターの劣化のため、結果が良くありませんでしたが、一応テストだけはしておきました。

 白色とカルシウムK線の画像のみをアップします。テスト撮影の段階のため、太陽の赤道方向などを画面上で正しく合わせる作業は行っていませんし、減光プリズムを使用しているので、白色像は鏡像になっているはずです。本格的な撮影を開始するようになれば、これらはきちんと調整するつもりです。
 
 冷却CMOSカメラは、太陽面のほか、月や惑星、そして星雲・星団と、さまざまな天体に活用できそうです。今後、それらの天体の撮影にも取り組んでみたいと思っています。まずは、太陽面の撮影のために、撮影に使用するソフトウエアのパラメーターの最適化から始めるつもりです。

 写真は、上がTOA150Bに取り付けたASI294MM Pro(拡大撮影のテストの状態)で、右がBORG100ED(接眼部にカルシウムK線モジュール付)に取り付けたASI294MMProです。



写真のデータ 太陽面(白色像)
2021年2月6日11時27分 TOA150B ASI294MM Pro 減光プリズム+OD3.0+SCフィルター 15FPS×20sec
※太陽全面の写真であれば、TOA150Bを使用しなくてもBORG125EDで充分です。TOA150Bは、主に黒点の拡大撮影に使用することになるのではないでしょうか。
※太陽の熱による筒内の乱気流もかなりのものになるので、手早く撮影することが必要でしょう。

写真のデータ 太陽面(カルシウムK線)
2021年2月6日13時06分 BOAG100ED ASI294MM Pro Cakモジュール 15FPS×20sec
太陽面撮影の準備
2月4日(木)
 太陽面を最後に撮影したのがいつだったか、私共のホームページのギャラリーを調べてみました。2017年9月11日(月)が最後の撮影(部分日食等の撮影は除く)でした。太陽活動が低調になってきたことと、使用していたHα太陽望遠鏡のブロッキングフィルターが劣化してきたことが、そこで撮影をやめた原因です。

 あれから3年5か月が経過しました。2019年12月が第24期太陽活動の極小期だったとされています。現在はやや活動がみられるようになってきました。第25期の太陽活動のピークにむけて、そろそろ撮影の準備をしなくてはいけないと考えています。前述のブロッキングフィルターの新品はまだ入手していません。

 とりあえず、白色太陽像の撮影の準備だけはしておきたいと思い、今日の午前中に撮像のテストを行いました。この3年5か月の間、使用してきた機材に変化はありませんが、白色太陽像の撮影用に、新たにTOA150B(高橋製作所製)という15センチの屈折望遠鏡が加わりました。

 私共が若い頃、自らが15センチの屈折望遠鏡を所有することなど夢物語でした。ただ、その当時職場にあった20センチF12(焦点距離2400mm、五藤光学製)屈折望遠鏡を使用できたのはありがたいことだと思っていました。同架されていた8センチ屈折望遠鏡にはプロミネンス・アダプターも付属していました。その頃からプロミネンスを見ていました。

 そのTOA150Bに撮影装置を取り付け、ピントが出るかどうか、撮影用カメラの性能やキャプチャー用ソフトウエアの動作などをチェックしました。パソコンも現在は、ヒューレットパッカード社のHP Spectre X360という4K画面のノートパソコンに代わっています。モニターは光沢仕様ですが、太陽面の撮影のために、液晶保護シートを貼り、反射を押さえてありますので、画面はかなり見やすくなっています。

 太陽面の撮影には、その光と熱のために、一般的には対物レンズの口径を5センチ以下に絞ることが常識です。しかし、私共はTOA150Bの性能を最大限に発揮させるために、口径を口径を絞ることはしません。接眼部にハーシェルプリズムを取り付け、その光と熱を逃がします。ただし、この装置も口径12.5センチまでは、安全に使用できますが、それを超える場合は、取り扱いに注意しなくてはいけません。

 それらを実際にチェックすることと、光路長の長いハーシェルプリズムを使用して、カメラを取り付けてピントが出るのかどうか、画面が見やすいかどうか、キャプチャー用ソフトの使い勝手はどうか、露出等のカメラのセッティングはどのようなパラメーターが良いかどをチェックしました。結果は、特に問題ありませんでした。ただし、本来の接眼部では、ピントが出ないために、最短で取り付けるためのパーツを使用しています。

 今の時期は、気流が良くないので、本格的な撮影は春先になって気流が安定してからになると思います。架台に望遠鏡を載せるだけでも大変な作業となります。白色光、Hα線、カルシウムK線など、全ての撮影を終了するまでに、セッティングから始めると午前中いっぱい、画像処理も含めると、午後までかかりそうですが、イラスト制作の進行状況を見ながら、取り組んでいくつもりです。

 写真は、セッティングの様子と、テスト撮影して画像処理をした画像です。太陽の東西方向などは合わせていません。気流の状態も良くなかったので、粒状斑の写り具合も今ひとつでした。

写真のデータ
太陽面 2021年2月4日11時34分 TOA150B+ 減光プリズム+OD3.0+SCフィルター
ASI120MM 30fps×20sec Registax 6 Photoshop CS6で画像処理
手書きイラスト26作目(厳島神社大鳥居)
1月28日(木)
 前作が完成したのが昨年の12月24日(木)でした。1か月と少しで今回の作品を完成させました。これまでの倍近いスピードです。コロナ禍で外出しない日が多く、ほとんど部屋にこもっていたことも、完成までの期間が短かった要因のひとつでしょう。

 厳島神社を訪れたのは、2014年3月11日(火)のことでした。東日本大震災からちょうど3年が経過したときです。宮島に渡る船の中で、震災のあの日のことを思い出していました。まだ肌寒い日でしたが、天気が良くのんびりと見学することができました。外国人も含めて、たくさんの観光客が訪れていました。それから7年近くが経過した今、このような状況の中で、当時の風景を思い出しながらイラストを描くことになるとは、想像もしていませんでした。風景画に取り組みだしたのは、2014年の暮れ頃からです。すでに6年以上が経過しています。

 厳島神社の大鳥居は、山陽自動車道の宮島サービスエリアから、条件が良ければ、肉眼で見ることができます。私共は、最近視力が弱くなってきたため、認めることが困難となってしまいました。その大鳥居を間近からみた光景で表現してみました。15号キャンバスに描くこともすっかり慣れてきたので、スムーズに描けるようになりました。完成後に写真を撮影したのち額装しました。下の画像は縮小しているので、ディテールがつぶれていますが、かなり細かい部分まで描写したつもりです。次回作からは20号キャンバスに描く予定です。
額装
1月16日(土)
 昨年の間に、キャンバス地に描いた4点の風景画を、昨日、額装しました。額縁は画材店に依頼して取り寄せました。昨日お店のほうから入荷したとの連絡がありました。たまたまお店の近くにいたので、その足で額縁を引き取り、午後から4点の作品を額に収めました。

 キャンバスを額に入れるだけの作業なのですが、額が大きいので、4枚も入れるとなると、かなりの時間を要します。また神経も使います。額に入れて改めて眺めてみると、自らが描いたイラストでも、それなりに立派に見えます。文字通り、馬子にも衣装です。

 キャンバスや絵の具、筆類はさほどの値段ではないので、何も考えずに描いてきましたが、15号キャンバス用の額の値段を聞いてびっくりです。覚悟はしていましたが、まとまるとかなりの値段になります。また、サイズも大きく保管場所を確保するのが大変です。

 個展を開かない限り、額はなくてもよいのですが、保管しておくだけではもったいないので、いずれ個展を開催するつもりで考えています。しかし、それも費用がかかります・・・。

 これまで描いてきたイラストは、スペースイラストも含めて、すでに相当な点数になっています。兄弟・親戚・友人などにプレゼントしたものもありますが、大部分は手元に残っています。自らがこの世からいなくなったときに、これらの絵をどうするのだろうということを考えると、そろそろ手放してもよい時期に来ているのかも知れません。個展の開催時に、これらのイラストを売却してしまおうかとも思っています。


 額装したイラストは、額が入っていた箱の中に元通りにしまい、箱ごとの保管としました。額縁は5枚取り寄せました。あと1枚は現在制作中の絵のためのものです。時々、何のためにこのようなことに取り組んでいるのだろうかと疑問に思うこともあります。それは天体写真の撮影の時もそうです。今は、何も考えずにこれらの取り組みを継続するだけです。コロナ禍で仕事ができないあいだ、何もしないというわけにはいきません。写真は、額装作業中のものです。
天体写真1点(庭先 茨城県ひたちなか市 1月13日から14日)
1月15日(金)
 1月13日(水)の新月の日の夜から14日(木)の未明にかけて、再び天体写真撮影を行いました。

 今回は天体望遠鏡ではなく、望遠レンズです。1月11日(月)のところで記述した、ふたご座の同じ領域を300ミリ望遠レンズで、IC443(くらげ星雲)の南西に位置するNGC2174(モンキー星雲)も入れての構図としました。

 500ミリレンズでは、この構図は窮屈なので、300ミリレンズを使用しました。左の写真が、今回使用した機材です。セッティングが終わると、部屋に入り、目覚ましをセットし、制作中の風景画に取り組み、それが終わると寝てしまいました。

 午前1時30分頃、目覚ましの音で目が覚めました。寒くて外に出るのもつらかったのですが、赤道儀やヒーターの電源を落とし、オートガイダーのコントローラーをシャットダウンしたのち、フラットファイル用の撮影を行い、そのあとダークファイルを撮影して再び眠りにつきました。

 機材の上には、ビニールシートをかぶせ、翌日(すなわち今日)に架台だけ何重にもビニールシートで覆い、ほかのパーツは物置に、カメラと光学系は部屋に撤収しました。

 画像処理には毎回苦労させられますが、今回も試行錯誤しました。何度かやり直しの後に、下の画像を得ました。今回はフラット補正がやや過補正気味でした。これでもまださまざまな補正に関して、納得できていないのですが、きりがないのでやめてしまいました。ふたご座の領域は、ひとまずこれで終わりにして、次に晴れた夜には、別の領域をねらうことにしています。

 ひたちなか市の空の状態は、天体写真撮影をするレベルではありませんが、望遠レンズなど、比較的長焦点の光学系であれば、ぎりぎり撮影可能です。庭先で撮影できるメリットは、充分にあると思います。

写真のデータ(写真右)
 
M35・IC443・NGC2174(ふたご座・オリオン座)付近
2021年1月13日20時26分から14日0時15分
EOS5D Mark2(赤外カットフィルター除去機)
EF300mm F2/8L USM 絞りF3.2
ISO800 80sec×127フレーム 総露出時間2時間49分
タカハシJP赤道儀、MGENオートガイダーにて追尾撮影、ダーク補正、フラット補正、ノートリミング
天体写真2点(庭先 茨城県ひたちなか市 1月8日から10日)
1月11日(月)
 新月は13日(水)ですが、月の出が夜半を過ぎた、1月8日(金)の夜から9日(土)の未明までと、9日から10日(土)の未明まで、ひたちなか市の滞在先の庭先で天体写真撮影を行いました。

 2夜連続で同じ対象を、縦構図と横構図で撮影しました。使用した機材は、使い慣れたBORG125ED F4 f=500mmです。その前日に光軸調整(というよりも、レンズの心出しといったほうが適切かも知れません)を行っておきました。この望遠鏡では、光軸調整が必須です。

 ふたご座にある散開星団M35付近を撮影しました。すぐ近くにはIC443と呼ばれる散光星雲があります。その形からくらげ星雲と呼ばれています。

 想像していた以上に淡い散光星雲のようです。長時間露出をしたにもかかわらず、その全貌を描写するにはいまひとつでした。

 長時間露出ですが、構図を決めてしまえば、あとは機械に任せてしまいます。すぐに部屋に戻って、ほかの作業をしているか、あるいは撮影が終わる時間に、目覚ましが鳴るようにセットして寝てしまいます。

 1日目の撮影が終わっても良い天気が続いていたので、機材はそのまま放置しました。ただ、潮風を含んだ微細な雨滴に濡れていそうだったので、昼間のうちに、布で望遠鏡と赤道儀架台はきれいに拭いておきました。

 長時間露出の撮影では、思わぬことが起きます。例えば赤道儀架台に、望遠鏡の後端に取り付けてあるカメラがぶつかりそうになるとか、オートガイダーで星を追尾しているのにもかかわらず、赤経方向に徐々にずれていくなどです。これに関しては、今後原因を調査しなくてはいけないと思っています。

 この望遠鏡は、デジタル非対応です。青ハロの影響を少なくするために、カメラの前にフィルターを挿入していますが、その関係か、赤紫のほうに、色がどうしても偏りがちです。画像処理の時点で、いくらでも消すことができるのですが、そうすると、星の色まで飛んでしまうので、痛しかゆしです。星の色を残しつつ、青ハロの影響を少なくするには、どうすればよいのか、試行錯誤中です。

 この望遠鏡での撮影が一段落したら、次はTOA150Bの出番ですが、BORG125EDで問題を解決しておかないと、さらに長焦点で、重量のあるTOA150Bの能力が発揮できません。あれこれと悩みながら、月が西の空に現れて撮影に支障が出るまで続ける予定です。


写真のデータ(写真右) 

M35とIC443(ふたご座)
2021年1月9日20時21分から10日01時18分
BORG125ED F4 500mm EOS5D Mark2(赤外カットフィルター除去、ミラーボックス除去機) ISO800 110sec×143フレーム 総露出時間4時間22分
タカハシJP赤道儀、MGENオートガイダーにて追尾撮影、ダーク補正、フラット補正、ノートリミング
























写真のデータ(写真下)
 
M35とIC443(ふたご座)
2021年1月8日22時22分から9日01時26分
BORG125ED F4 500mm EOS5D Mark2(赤外カットフィルター除去、ミラーボックス除去機) ISO800 110sec×90フレーム 総露出時間2時間45分
タカハシJP赤道儀、MGENオートガイダーにて追尾撮影、ダーク補正、フラット補正、ノートリミング

絵の具を乾燥から防ぐ
1月7日(木)
 年末・年始から継続してイラスト制作に取り組む日々です。新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが増しているので、外出はなるべくしないようにしています。日課である散歩には行きますが、人にすれ違うことも、会うこともほとんどありません。

 現在は、15号のキャンバスにアクリル絵の具で風景画を描いています。冬場は乾燥しているので、絵の具の乾き具合が早くなります。途中で、お昼などを挟むことが多いので、その間に、とき皿(梅皿)に出した絵の具が乾いてしまって、使えなくなることがしばしばです。空などを描く場合を除いては、絵の具は少量でよいのですが、ついつい、チューブから多めに出してしまいます。・・・おなじようなことを、以前勤務していた宮崎のプラネタリウム(宮交シティーというバスの発着場とショッピングモールが合体した施設の中にありました)で、施設の壁画に「ガリバー旅行記」を描いていた、故 仲矢勝頼氏の制作のお手伝いを、プラネタリウムの仕事の合間にしていた時に、同氏がおっしゃっていました。

 乾いた絵の具は使えないので、ティッシュペーパーでふき取って処分します。しかしもったいないので、最近では、とき皿の上に、水を含ませて湿り気を持たせた布をかぶせるようにしました。こうしておくと一晩たっても、翌日には問題なく、とき皿の絵の具が使用できることに気が付きました。

 画像は、現在取り組んでいる風景画の制作風景です。手前に陶器製のとき皿(梅皿)があります。広島県を題材にした風景画に今回も取り組んでいます。アトリエと呼べるほどの空間ではありませんが、このスペースには、デスクトップパソコン、天体望遠鏡の鏡筒、カメラ類などを置いてあります。天気の良い日は、朝から夕方まで太陽の光が差し込むので、気持ちが良いものです。しかし太陽の光は、イラストを描くときにはまぶしすぎるので、キャンバスの部分だけカーテンで日差しを遮ってしまいます。

 月の出が夜半を過ぎるようになってきたので、そろそろ天体写真撮影の準備をしようかと考えています。
光学機器の手入れ
2021(令和3)年1月5日(火)
 今年も私共のホームページを、どうぞよろしくお願い致します。喪中なので新年のあいさつは控えさせていただきます。

 プラネタリウムの仕事にかかわるようになってから、今年で49年目に入ります。移動式プラネタリウムの出張投影の仕事は、4年前の12月で終了しました。現在は、関市まなびセンターでの投影を残すのみです。

 昨年の3月以降、コロナ禍の影響でプラネタリウムの投影ができませんでした。現在もです。次年度以降どうなるかは、関市の判断次第です。準備だけは怠らないようにしておくつもりです。

 解説をしていないために、声を張ることがなくなってしまいました。日課である散歩をしながら、発声練習だけは続けています。

 散歩のときは忙しいです。撮影の被写体になるものがあるかどうか、周囲を確認しながら発声練習もし、それが終わると、卓球練習のための素振りをしています。散歩をしながらです。ここしばらく球にラケットを当てる機会がありませんでした。練習を再開した時に、違和感を感じないようにするため、できることはやっておくつもりです。

 年末・年始はひたちなか市に滞在しました。冬型の気圧配置で毎日良い天気です。横浜でもこれだけ良い天気が続くことはないと思います。山から離れており、海が目の前なので、天気が安定しているのかも知れません。ただ、潮風が吹くのが難点です。天体望遠鏡、撮影機材、そして車など、塩害の被害に遭わないように神経を払っています。海辺で暮らすことにあこがれる方もいらっしゃるかも知れませんが、海を目の前にする生活は、良いことばかりではありません。その中でも、塩害のひどさは、住んだ経験のある人にしかわからないでしょう。

 イラストの制作に集中しながらも、天体望遠鏡やその他の光学機器の手入れをしました。といっても、やることは乾燥材のチェックと、レンズにカビが発生していないかどうかの確認です。中でも特に気を遣うのが、TOA150B屈折望遠鏡、JP型赤道儀架台、Hα太陽望遠鏡、EF200mm F1.8L USM、EF300mm F2.8L USMなどの望遠レンズ、そして旧式のニコン20×120双眼望遠鏡などです。

 その中でも、最も高価なTOA150Bはカビが発生したら大変です。お宝のように扱っています。対物レンズキャップと、接眼部の内部に、乾燥材を入れ、さらにビニール袋で保護し、その中にも乾燥材を入れておきます。乾燥剤は、色が変わったら定期的に入れ替えることで、レンズをカビから守ります。今の時期は乾燥しているので、さほどではありませんが、梅雨の時期は頻繁にチェックが必要となります。

 それにしても、段ボールを開けるたびに、その大きさと重さにびっくりします。重量は、鏡筒の接眼部側のウエイトバンドまで入れて20キロです。JP型赤道儀の鏡筒バンドに載せるのが、ひとりでは一苦労ですが、最近やっと慣れてきました。・・・といってもかなり腰に負担が・・・。TOA150Bで見る、木星面やガリレオの4大衛星の、針でつついたようなシャープさと解像度は、感動ものです。今年は、どのくらい出番があるかわかりませんが、体の許す限り、これらの機材を活用しようと考えています。

 プラネタリウム解説員を引退するのは、いつにするかまだ考えていません。おそらくその時が、プラネタリウム投影機も含めて、これらの機材を教え子たちにゆだねるタイミングだと思っています。

 写真は、段ボール箱を開けた状態のTOA150B屈折望遠鏡です。比較するものがないのでわかりにくいかもしれませんが、かなりの大きさです。段ボールは、手で持ち運びするための、穴を開け、そのまわりを補強しています。これで運搬が多少は楽になります。・・・あくまでも多少です。高橋製作所のスタッフの皆さん・・・なんでこんなに重いのを作ったの?

  過去の星雑記

  令和2年(2020)年8月から12月

  令和2年(2020)年1月から7月

  令和元年(2019)年10月から12月

  令和元年(2019)年7月から9月

  平成31(2019)年4月から6月

  平成31(2019)年1月から3月

  平成30(2018)年9月から12月

  平成30(2018)年4月から8月

  平成30(2018)年3月から4月

  平成30(2018)年1月から2月

  平成29(2017)年11月から12月

  平成29(2017)年7月から11月