2009年7月22日中国付近の皆既日食帯



 下の図は7月22日の中国を通過する皆既日食帯です。ブータンとミャンマーの国境を通過した月の本影は、中国の四川省を通過し、湖北省、安徽省、江蘇省、浙江省を抜けて東シナ海へと進み、日本のトカラ列島を巻き込みます。皆既帯に含まれる主な都市は楽山、成都、重慶、恩施、武漢、池州、上海などです。このほか、世界遺産の黄山なども皆既帯に含まれています。

 図において、数字は月の本影が通過する時刻を世界時で表しています。黒い楕円形の円はその時刻の月の本影の形を表しています。月の本影は図を左から右(西から東)へ移動します。その移動速度は地表面上において、たとえば1時20分(世界時)の地点において、時速4000キロメートルの猛スピードです。
 
 皆既日食としては、中国では西の方よりも東側の方が、太陽の高度が高く、また皆既の継続時間が長くなるため、天文学的な条件は良くなります。


 

2009年7月22日の中国付近の皆既日食帯(黒い帯の中に含まれる地域で皆既日食を見ることができます。)
楕円状の円は、その時刻の月の本影の形を現しています。10分間隔の濃い黒い円で示しています。
本影は左から右に移動していきます。




 下の表は皆既帯が通過する都市の部分食、皆既食の始まる時間などを表しています。表の中の北緯、東経は都市全体の位置を表すのではなく、計算に使用した都市の中の位置を示しています。日食を見る場所によりこれらの時間はすべて異なりますが、ひとつの目安になるでしょう。計算に使用した場所の海抜は便宜上0メートルとしています。
 なお、この計算結果は、月縁の凹凸を配慮していませんので、実際にはこの計算時間より数秒間のずれを生じます。


成都(北緯 30度39分 東経104度04分 海抜 0メートル)
状態 時刻(世界時) 太陽高度 方位角 食分
部分食の始め  0時07分06秒 22度 79度 0.000
皆既食の始め 1時11分11秒 36度 86度 1.000
食の最大 1時12分48秒 36度 86度 1.072
皆既食の終わり 1時14分26秒 36度 86度 1.000
部分食の終わり 2時26分23秒 52度 96度 0.000
皆既継続時間 3分16秒
重慶(北緯 29度34分 東経106度35分 海抜 0メートル)
状態 時刻(世界時) 太陽高度 方位角 食分
部分食の始め  0時08分00秒 24度 80度 0.000
皆既食の始め 1時13分17秒 38度 87度 1.000
食の最大 1時15分19秒 39度 87度 1.073
皆既食の終わり 1時17分22秒 39度 87度 1.000
部分食の終わり 2時30分51秒 55度 97度 0.000
皆既継続時間 4分06秒
武漢(北緯 30度36分 東経114度17分 海抜 0メートル)
状態 時刻(世界時) 太陽高度 方位角 食分
部分食の始め  0時14分55秒 32度 84度 0.000
皆既食の始め 1時24分00秒 47度 93度 1.000
食の最大 1時26分42秒 48度 93度 1.075
皆既食の終わり 1時29分25秒 48度 93度 1.000
部分食の終わり 2時46分17秒 65度 108度 0.000
皆既継続時間 5分25秒
上海(北緯 31度14分 東経121度28分 海抜 0メートル)
状態 時刻(世界時) 太陽高度 方位角 食分
部分食の始め  0時23分26秒 40度 89度 0.000
皆既食の始め 1時36分48秒 56度 100度 1.000
食の最大 1時39分18秒 57度 101度 1.077
皆既食の終わり 1時41分49秒 57度 101度 1.000
部分食の終わり 3時01分38秒 73度 126度 0.000
皆既継続時間 5分00秒
 
方位角は北から東回りに測った値です。すなわち東が90度、南が180度です。詳しくは日食用語解説の部分をご覧ください。