2010年7月11日の皆既日食が見られる地域の概要
2010年7月11日(日)に南半球で皆既日食が見らます。皆既日食帯は南太平洋上を横切ります。残念ながらクック諸島のマンガイア島とツアモツ諸島のいくつかの環礁、イースター島を除いては上陸する島はありません。皆既帯がチリとアルゼンチンに到着すると同時に皆既日食が終了します。これに伴う部分日食は南太平洋、南アフリカ南部などで見られます。
皆既日食が見られるのは、2009年7月22日に中国やトカラ列島などで見られた皆既日食以来、約1年ぶり、またこの直後の皆既日食はオーストラリアなどで見られる2012年11月13日になります。
世界時の18時15分に皆既帯が始まります。場所は南太平洋上です。皆既帯の幅は179キロ、皆既の継続時間は2分42秒。その後、月の影は北東の方向に移動します。18時19分、皆既帯がラロトンガ近くを通ります。クック諸島は最も人々の多いところです。そこの14,000人の人々は食分0.993の深い部分日食を目撃することになるでしょう。その2分後、皆既帯は18時20分頃に数少ない最初の島に上陸します。マンガイア島であり、クック諸島のもっとも南よりに位置する2番目に大きな島です。中心線上から南にわずかに15キロの場所です。人口は1900人ですが、多くの観測者でにぎわうことになるでしょう。ここでの皆既の継続時間は3分18秒、太陽高度は14度、月の移動速度は毎秒2.7キロです。また皆既帯の幅は200キロです。
次に皆既帯は太平洋南フランス領ポリネシアのソシエテ諸島に接近します。残念ながらモーレア、ボラボラ、タヒチは残念ながら皆既帯の外側に位置します。タヒチの南東の海岸線は皆既帯の北限界線から20キロのところに位置しており18時28分に食分0.996の部分日食となります。
タヒチの島々を後にした皆既帯は、ツアモツ諸島のたくさんの小さな環礁を通過します。ヒクエル環礁は10×15キロの楕円形の環礁ですが、人口は少なく小さな空港があるだけです。しかし、そこでの皆既の継続時間は4分20秒と魅力的です。最も魅力的なタタコト環礁は4×14キロの幅であり、中心線から20キロ以内である。18時48分に皆既の継続時間は4分35秒で太陽高度36度です。日本からのツアーは、その近くのハオ環礁で観測する日程が組まれているようです。
皆既の継続時間が最大となるのは南緯9度45分、西経121度53分のところで、19時33分31秒です。皆既の継続時間の最大は5分20秒、太陽高度は47度、皆既帯の幅は258キロであり、本影の移動速度は毎秒0.60キロです。
イースター島に皆既帯が到着するのは20時01分頃です。ここはチリから3600キロほど西に離れた場所であり、昔の人々によって作られたモアイ像が存在します。3つの火山が占めるこの島の大きさは、11キロ×23キロです。皆既の継続時間は4分41秒、太陽高度は40度です。人口は約4000人ですが、日食の当日は観測者で膨れ上がるでしょう。
イースター島を離れた皆既帯は20時49分にチリの南の湾に達します。このあたりでの皆既の継続時間は2分57秒、太陽は地平線5度の高さです。その後はアンデスを横切り、アルゼンチンに突入します。皆既帯が終了するのは20時52分です。
皆既帯の所要時間は2時間39分、距離は11,100キロです。
2010年7月11日の皆既日食帯(赤帯の中に含まれる地域で皆既日食を見ることができます。)