投影日誌

6月30日(火)
幼児向け投影
 6月は私共が最も強敵とする幼児向けの投影が2件ありました。1件は東京都大田区のこひつじ幼稚園(6月17日)、もう1件は、奈良県宇陀市の榛原西幼稚園(6月27日)です。なぜ強敵かというと、年齢が5歳児、4歳児、3歳児と若くなるほど、私共の話を聞いてくれる場面が少なくなるからです。
 常設館での幼児向け投影は数え切れないほど何度も経験しているので、まったく問題ないのですが、移動式プラネタリウムにおける投影は少し勝手が違うようです。
 エアドームに入る時点で幼児はすでに興奮しており、星が出てくる場面でその興奮はピークに達します。それを静めて、そのあとの話を静かに聞いてもらうテクニックが、正直まだ確立していません。まるで解説者1年生の状態ですね。少し情けないと思っていますが、これでへこんでいるわけにはいきませ。いろいろ工夫しながら、最後までこちらの話にひきつけておけるような内容にしなくてはいけないと思っています。
 こひつじ幼稚園は毎年見学されているプラネタリウムが工事のため、私共にお声がかかりました。今回は年長さんのみの見学となりましたが、ドームを設営する時に、ドームの入り口から年少組の園児が興味深そうに中を順番にのぞきこんでいる姿がとてもかわいらしく印象的でした。
 榛原西幼稚園はPTA会長の生駒さんをはじめ、PTA役員(大塚、金松、別所、田中、小林、松本、福田、永井さん)の皆様が、こどもたちにぜひ貴重な体験をさせてあげたいという強い思いのもと、諏訪園長先生の協力で実現しました。当日は、「七夕お楽しみ会」と題して、模擬店やコンサート、そして移動式プラネタリウムとさまざまなメニューが用意されました。四方を山々に囲まれた自然環境のとても豊かな町です。星空もさぞかしよく見えることでしょうね。近くの小川にはカワセミもいそうな気配です。少しはお役に立てたのでしょうか・・・。それにしても、七夕を前にこれだけのメニューを体験できて、園児はとても幸せですね。
 6月21日の週は22日(月)から24日(水)まで明石で全国プラネタリウム大会、26日(金)は名古屋で、現在進行中のある公共施設用の映像コンテンツの打ち合わせがあり、夕方には一度横浜に戻り、その足で今度は夜の間に奈良まで車で移動するという過密スケジュールでした。
 以前にも書いたとおり、首都圏の常設プラネタリウム館での、解説時のお客様との戦い?や、今回の幼児向け投影と、私共のまわりには敵?がいっぱいです。
こひつじ幼稚園投影風景 榛原西幼稚園投影風景 投影会場(隣接の小学校体育館) ドームとイラスト(榛原西幼稚園)
6月24日(水)
全国プラネタリウム大会・明石2009
 6月22日(月)から24日(水)まで、明石市立天文科学館(写真)等を会場として標記の大会が開かれました。全国のプラネタリウム関係者が集まり、最新のハードウエア、ソフトウエア、映像コンテンツなどの発表が行われました。エクスプローラーズジャパン株式会社からは、私共と共同制作したプラネタリウム番組「はるかなる木星へ」のダイジェスト版の発表がありました。また、私共では「マニュアル投影で使用するデジタル素材の制作」と題してこれまでに制作したフルハイビジョンフォーマットの動画のショートクリップを発表させていただきました。
 大会の内容はいずれ日本プラネタリウム協議会のホームページの方にUPされると思いますので、そちらをご覧いただければと思います。
 会場となった明石市立天文科学館のプラネタリウム投影機は、2010年で50年目を迎える歴史的なものです。かつての東ドイツのイエナで製作されました。投影される星空は半世紀が経過した現在でも立派なものです。ただし、これは館の技術スタッフの日頃のきめ細かなメンテナンスの努力によるところが極めて大きいように思います。投影機そのものは、耐久性において限界に近いのではないでしょうか。
 50年近くが経過した今では、部品の調達もままならない中で、スタッフの皆様の創意工夫により投影機を延命させている様子が良くわかります。それにしても夕焼け投影機から投影される夕焼けの美しさは、最新鋭のプラネタリウムで表現される美しさに引けをとりません。そもそも、近年のプラネタリウム投影機には夕焼け投影機が存在しません。ほとんどの場合は全天周デジタル映像投影装置などで表現されますが、それにも勝る美しさです。夕焼けから星が出てくる場面はプラネタリウムの生命線です。
 近年、プラネタリウム投影機は全天周デジタル映像投影装置と併用して多彩な映像表現が可能となっています。いずれは投影機の世代交代の問題が深刻化するかと思いますが、その時には、明石スタイルのこれまでの伝統的な投影手法を継承しつつ、前述のハードウエアなどを活用して、新しい表現手段を取り入れた独自の投影を利用者の皆様に提供し、これまで以上に愛される館になってもらいたいと願っています。
6月20日(土)
露出テスト
 午前中は久しぶりに青空がのぞいたので、あと1ヶ月に迫った皆既日食撮影用の機材を組み立て、太陽の露出テストを行いました。今回は半年前の1月26日のインドネシア金環日食撮影時に使用した機材と異なるため、組み立て時の問題や実際に太陽に向けた場合の望遠鏡の使い勝手、シャッターぶれ、ピントの確認、NDフィルターの効果などをチェックしました。事前に組み立ててこのようなことを行わないと、いざ本番で、ピントが出なかったり、カメラと望遠鏡のパーツがぶつかり合って干渉したりとさまざまな問題が生じる可能性がありますので、ツアーに参加される方は、ぜひ一度組み立てて確認を行うことをお勧めします。
 左の写真が今回使用する望遠鏡です。スリックプロフェッショナルデザインIIという大型の三脚にビクセン製のポルタ経緯台、BOEG100EDと×0.8レデューサ、口径82ミリのND400フィルターとND8フィルター2枚を対物レンズの前に取り付けています。もちろん皆既日食直前にフィルターをはずします。カメラはEOS40Dです。望遠鏡のファインダーでダイヤモンドリングや太陽コロナをモニターしながらライブビューモードの無振動で撮影を行います。この他にもう一台のカメラを三脚の脚に取り付けて、広角レンズで空の明るさの変化の連続撮影を行います。
 最近では飛行機に預ける荷物の重量制限が厳しいことから、軽量でありながら剛性が高く、組み立てを短時間で済ませることができる一方で、大口径であるシステムとしました。
 7月にはいると、移動式プラネタリウムの投影の予定がたてこんでくるために今から準備をしているわけですが、機材の方はこれでほぼ準備が完了しました。
 私たちの観測予定地での月縁の凹凸を補正した厳密な接触時刻(太陽の欠け始まる時刻などの計算)の計算を行ってみると、皆既の始めと終わりのベイリービーズが見える時間は僅かに1秒以内でした。最近発売された日食を計算するためのソフトウエアである、エクリプスナビゲーターVer.2では、このような計算も可能ですが、今回は凹凸のチャートから電卓ではじき出しました。
 ちなみに、エクリプスナビゲーターの心臓部は、高精度で日食の予報計算を行う演算ルーチンですが、私共は、この演算ルーチンの開発に際して、アルゴリズムや計算方法のノウハウを提供するとともに、本影錐の移動のシミュレーションの計算方法なども提供しています。アストロアーツ株式会社の優秀なスタッフの手によりさまざまな機能が加えられ、世界でも珍しい日食観測に特化したソフトウエアとなっています。2012年には関東地方などで金環日食がありますので、今後も日食の観測を行う予定の方は、その支援ツールとして、ぜひご利用ください。

※上の太陽の写真はクリックしていただくと大きな写真をご覧いただけます。
6月14日(日)
 この「プラネタリウム雑記」の開始は昨年の6月13日の「蛍」からでした。果たしてどのくらいの方々に見てでいただけるのだろうかと、期待と不安が入り混じった気持ちでホームページの公開を始めました。あれからちょうど1年が経過した6月11日の夕方、再び蛍を見に行きました。
 今でも、事業者としての自信よりも、どちらかといえば不安に襲われることの多い毎日ですが、こうしてまた今年も見にこれただけでもありがたいと思って、曇り空の暗い森の中で、緑色の幻想的な光を放ちながら乱舞する蛍を眺めました。
 この1年、たくさんの方々にホームページを見ていただきました。また、さまざまな方から感想などもいただいています。今後もさらに充実した内容となるよう工夫していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 左の写真は少し見づらいかも知れませんが、蛍が乱舞する姿を撮影したものです。

6月9日(火)
機材調達
 プラネタリウム番組「はるかなる木星へ」は、すでに私の手を離れましたが、今日は東京で別のコンテンツの打ち合わせがありました。こちらのプロジェクトにはアドバイザーとして参加させていただいています。プロジェクトの規模は大きなものです。最終的に完成するであろうコンテンツはかなり本格的なものとなるでしょう。
 その帰りに新宿の中古カメラ店などをまわって来月の皆既日食を撮影するための機材の一部を調達しました。皆既日食を撮影するためのシステムは過去に完成していたつもりですが、時代の流れとともにデジタルカメラが主流となり、また飛行機に持ち込む荷物の重量制限が厳しくなるなどの影響もあり、極力、軽量化を図らなくてはなりません。このため機材の変更を余儀なくされました。もうひとつの理由は、若い頃は平気で40キロ近くの機材の入ったトランクを海外まで運搬していましたが、さすがにこの年になると海外で重い荷物を持ち歩くことがこたえるようになったためです。しかし一方で軽量化を図ったために、システム全体の剛性が損なわれカメラのシャッターブレを起こすようなシステムでは困ります。これらの結果として軽量でありながらも剛性の強い機材へと、その一部を変更することになります。皆既日食を撮影するということはいつの時代でも余分な出費がかさみますね。
 「日食」のページの中国の状況に手をつけていないため、何とか今月中にはUPし、ツアーに参加される方たちのために参考になるようなコンテンツも掲載したいと考えています。皆既日食まであと42日。
6月4日(木)
プラネタリウム番組「はるかなる木星へ」投影開始
 以前にも何度かお知らせした表記の番組が完成し、大崎生涯学習センター(パレットおおさき)において投影が開始されました。本来、この番組は全天周デジタル映像投影装置用に制作されたもので、ドームマスターフォーマットのフルデジタルバージョンです。大崎生涯学習センターのプラネタリウムでは、それらの映像からスライドへの変換や通常のビデオプロジェクターで投影できるように変換されて据付が行われています。
 去る2月2日(月)に府中市郷土の森博物館プラネタリウム室において開催されたJPA(日本プラネタリウム協議会)の「最新ビデオプロジェクター研修会」において、そのビデオクリップの一部をフルハイビジョンフォーマットで発表させたいただきましたが、完成バージョンでは、共同制作のパートナーであるエクスプローラーズ・ジャパン株式会社側のスタッフの努力により、動画のモーション、質感ともにさらにクオリティーの高いものに仕上がっています。作業中に、そこまでこだわらなくても・・・。と思う場面もたくさんありました。
 ちなみに6月中旬には「全国プラネタリウム大会・明石2009」が開催されますが、私共は、そこで「マニュアル投影で使用するデジタル素材の制作」というテーマで、上記のフルハイビジョンフォーマットのビデオクリップ等を発表させていただく予定で調整中です。
6月1日(月)
山頂
 さだまさしさんの歌の中に「道化師のソネット」という歌があります。年齢も近いので共感できる部分がたくさんあります。この歌の中に出てくる一節をときどき考えることがあります。
 人はそれぞれの人生という山の頂上を目指して、重い荷物を背負って登っていく山人のようだね。という意味合いでしょうか。今朝も散歩をしながら、自分が目指す頂上はどのあたりにあるのだろうかと考えていました。おそらく年齢から考えて、8合目あたりまでは来ているのではないかと思います。しかし、未だにその頂上はガスの中にかすんで見えません。空気も薄くなり、疲労感も増してきているので、数歩を歩いては、また立ち止まりの繰り返しです。おまけに、頭も少しもうろうとしてきています。高山病の影響でしょうか。まるで富士山の頂上直下を歩いているようです。
 若い頃は頂上を目指して全力で登ります。しかし、いつ頃からか目指す頂上にはいつまでたっても到着しないことに気が付きます。それでも重い荷物を背負いながら、くたびれて山道の脇に倒れこむまで歩き続けるのだろうなと思っています。
 こんなことをふと考えるのは、最近、深夜にさださんの番組を見たせいでしょうか。
5月30日(土)
常設プラネタリウム館における解説
 今日は首都圏の常設プラネタリウム館で解説を行いました。月に2回程度、そこで解説をさせていただいています。移動式プラネタリウムを所有しながらも常設館で解説する理由はただひとつ。大きなプラネタリウム館での解説の感覚を失わないようにすることと、レベルを落とさないようにするためです。月に2回程度は、私にとってはいろいろな意味でちょうどよい頻度です。
 昨年の10月頃から投影をさせていただいていますが、関係者の皆様のご尽力と、受け入れてくださった現場の皆様のおかげです。ドームサイズは23メートルで五藤光学製の投影機です。これまで使用してきた投影機とさほど変わらないため、抵抗はありませんが、それでも前回解説したときからの間があくと、少し戸惑います。移動式プラネタリウムでの解説と常設館のそれとは状況がまったく異なることと、投影される星空の配置が変化しているためです。
 パソコンのソフトで星空の状態をシミュレーションして把握してから解説に入りますが、最終的にはドームスクリーンに投影された星空の状態を見て、話を進めながら解説を組み立て、コントロールコンソールの時計を横目でチェックしながら時間通りに解説を終わらせます。誤差は1分以内になるように配慮しています。
 話の「間」の取り方、解説のスピード、BGMの使い方、観客との距離感などのすべてが移動式プラネタリウムでの解説とは微妙に異なります。以前にも何度か触れましたが、この館の観客の皆様はお行儀がよく、ジョークを入れても笑う方はほとんどいません。今日は試しにジョークを少し入れてみました。反応はありましたが、さほどではありません。笑いをとるために解説をしているわけではありませんが、ときどき我慢ができなくなり、ジョークを入れてそれまでのしっとりとした解説のムードを、自ら崩そうとしてしまいます。まだまだ観客との戦いは続きそうですね(・・・どういう戦いですか?)。
 今日の2度目の解説が終わったとき、コントロールコンソールに一人の観客が挨拶にこられて、私の名を呼びました。そちらを見ると見覚えのある顔が・・・。先日、東海大学で移動式プラネタリウムの投影を行わせていただいたときに、活躍された「日食教室」の主要メンバーの一人でした。私の解説の声を聞いてわかったようでした。お互いに「・・・どうしてあなたがここにいるの??」 。
 ここでときどき解説をさせていただいていることも、それが今日であることも、お伝えしていません。このような偶然があるのですね。移動式プラネタリウムで投影をさせていただいたことが縁となり、その施設の担当者から近況のメールをいただいたり、こちらからも近況をお知らせしたり。さまざまな地域の方々と交流ができることを、とてもありがたく思っています。
5月29日(金)
移動式プラネタリウム(横浜港大さん橋 5月23日)
 去る5月23日(土)に大さん橋プロジェクト(横浜港大さん橋国際客船ターミナルの管理運営を行う指定管理者)と共催で、移動式プラネタリウムの投影を行いました。大さん橋で移動式プラネタリウムの投影をさせていただくのは、これで3回目です。
 当日は12時から5回投影を行わせていただきましたが、おかげさまで、全ての回が満席となったため、臨時で16時40分から追加投影を行いました。
 5月15日(金)に朝日新聞の神奈川版で私共の取組みを紹介していただき、また横浜経済新聞のネットニュースにもイベントの情報を掲載していただきました。これらを見て来られた方や、今後投影を予定している施設の関係者、私共の現在のそしてこれからのビジネスパートナーのスタッフ、そして、私共が苦手とする複式簿記に関して、いつも指導していただいている組織の関係者の方々など、日ごろお世話になっている多くの方々にも見に来ていただきました。
 投影を終えて、機材の搬出を済ませ「くじらのせなか」(屋上フロアーのことで、ここからの景観がすばらしい)に出てみると、たくさんのカップルが暮れなずむ横浜の夜景を楽しんでいるのが印象的でした。ドームで星空を見ていただいたあと、ここからの横浜の夜景と本当の星空をカップルで見たら、さぞかしロマンチックでしょうね。・・・て、そんな時代は、とっくに過ぎました。先日の「わかやま館」での投影で、思うところがあり、解説スタイルを若干変更しましたが、それが結果的には良かったように思います。「わかやま館」での投影で、一皮むけたような感覚でした。下の右端の写真はスペースイラスト展の様子です。6月28日(日)まで大さん橋の2階フロア−に展示しています。
5月25日(月)
カルガモ
 かわいいでしょ。外敵に襲われないように・・・。




 横浜港大さん橋で5月23日に実施させていただいた移動式プラネタリウムのレポートは写真を整理して近日中にUPします。

※写真をクリックすると、大きな写真を撮影データとともにご覧いただけます。
5月20日(水)
カワセミの捕食シーン
 夜明けが早くなったためか、カワセミの出てくる時間も早くなっているようです。朝はカワセミもおなかがすいてるのかも知れませんね。でも、カワセミの場合は、黙っていても朝食がテーブルの上に出てくるわけではなく、自分で獲物を獲得しなくてはなりません。そのような意味では、私達のような事業者も同じ。
 カワセミにあわせて、早起きして撮影に行こうと思いますが、体が疲れていてなかなか起きることができません。しかし、先日は早起きして撮影に行ったところ、運良く魚を捕食するシーンを撮影することができました。普段はザリガニが多いので、魚を捕食する場面は久しぶりです。
 先日、朝日新聞朝刊の神奈川版で私共のこの1年の取組みについて、大きく紹介していただきましたところ、たくさんの方から励ましのメールやお問い合わせをいただきました。お礼を申し上げます。ありがとうございました。今後もよりいっそう質の高い投影を目指して努力していきたいと思います。
※写真をクリックすると、大きな写真を撮影データとともにご覧いただけます。
5月18日(月)
「ガリバー旅行記」大壁画
 5月16日(土)から17日(日)にかけて、宮崎に帰りました。帰りましたと表現したのは、私にとって宮崎が第2の故郷であるからです。1977年から1984年までの約6年半、この地で暮らしました。プラネタリウムの修行のためです。ショッピングセンターの中にプラネタリウムがありそこに勤務していました。当時の上司Kさんに、プラネタリウムに関係するイラストの描き方から天文計算、番組制作まで、多くの分野に関して手ほどきを受けました。その後Kさんは東京に戻り、私は館長としてその後を任されながら、それらの分野を独学で身につけました。
 施設には全天周映画用とプラネタリウム用の16メートルドームが2つありました。このため、空間は巨大で壁面も大きなものでした。この壁面に、当時、ある画家により「ガリバー旅行記」が描かれました。壁の全長は32メートル、高さ3.6メートル、登場する人物は約400人、馬350頭です。制作期間は約4年間の大作です。私も本来の仕事の合間にときどき作業のお手伝いをさせていただきました。その後、プラネタリウム施設は閉鎖になりましたが、壁画は今でも残されています。
 帰るたびにその壁画を見に行きます。あれから25年、いろいろなことがありましたが、今もプラネタリウムの仕事を続けていられることに感謝し、到達点を目指してもうひとがんばりしなくてはいけないと思っています。壁画を見てあの頃を思い出しながら・・・。
5月14日(木)
セグロセキレイ
 右の写真は、今朝撮影したものです。まだ鳥にはあまり詳しくありませんがセグロセキレイの親鳥が幼鳥に餌を運んで与えている場面のようです。親とは少し色が異なるようです。この鳥は、普段はちょこまかと動き回り超焦点レンズでは撮影のしにくい鳥ですが、幼鳥は一箇所にじっとしていてあまり動かないため、そこにピントを合わせておけば、親鳥が定期的に餌を運んできますので、撮影は楽です。80枚近く撮影した中の1枚です。
 そのすぐ近くの木では、最近めっきり出てくる頻度が少なくなったカワセミが小魚をめがけてピピピピ・・・ボチャーン。でも今日は、セグロセキレイの方を優先しました。どうせ、まだカワセミのダイビングシーンをものにできるだけの撮影レベルに達していないし・・・。カワセミももうすぐ親子で出てくるそうなので楽しみです。
 AF BORGは使い方にも慣れてきて、順調に作動しています。飛び込みシーンが早く撮影できるようなレベルになるとよいのですが・・・。
※写真をクリックすると、大きな写真を撮影データとともにご覧いただけます。
5月13日(水)
スペースイラスト展準備
 今日は5月23日(土)から横浜港大さん橋で開催するスペースイラスト展の準備のため、展示予定のエアブラシイラスト、3DCGによるイラストを額に入れる作業をしています。昔描いたエアブラシイラストは、サラリーマン時代に仕事を終えて帰宅してから描いていたものです。いま見ると良くこんな細かいものを描いていたものだと思います。中には、制作したこと自体を忘れているイラストもあり、クローゼットから取り出して、こんな絵をいつ描いたのだろう?と思う作品もありました。いま見ると目が肥えた分だけレベルが低いようにも思いますが、額に入れてみるとそれなりに立派に見えるから不思議ですね。3DCGイラストの方はまだ発展途上ですが、リアルさはエアブラシよりも上かと思います。6月28日(日)まで展示予定ですので、たくさんの方々に見ていただければと願っています。
5月9日(土)
移動式プラネタリウム(わかやま館5月3日から5月5日)
 高速道路の未曾有の大渋滞の中を走り続け、5月2日の夕方に海南市に到着しました。一日中車の中だったため、到着直後は足が思うように動きませんでした。その疲れを少し引きずったまま5月3日から5日まで「わかやま館」での移動式プラネタリウムの投影です。移動式プラネタリウムで興味深いのは、投影する地域により観客の反応が異なることです。どのような反応をしていただけるのか、最初の1回目の投影で反応を探りながら解説を行います。私がイメージしていた反応と少し異なっていたため、2回目は、解説の視点を少し修正してアドリブを交えて話を進めました。以降、絶えず修正を繰り返しながら解説を進めます。常設館のプラネタリウムでは経験しない移動式プラネタリウム独特のものです。
 3日間で約500名の方に移動式プラネタリウムをご覧いただきました。中には2日間にわたって3回も見てくださった年配の方もいてびっくりです。
 時期を同じくして、「わかやま館」のある「和歌山マリーナシティ」では夜に花火大会があったため、夕方になるにつれてお客様の数が多くなりました。「初夏の星空散歩」と題して、今の季節に見られる代表的な星座や、夏の星座などを紹介させていただきました。会場そのものも、パーテーションや遮光がしっかりしており理想的な環境で投影をさせていただきました。
 また、なにより企画を担当された「わかやま館」の村田さんの、親切できめ細かな対応には頭が下がりました。永江館長さん、スタッフの皆さんの笑顔を絶やさない観客への対応がとても印象に残り、気持よく仕事をさせていただいた3日間でした。
 同館のドームシアターは直径18メートルで全天周映画2本が上映されています。そのうちの1本はプラネタリウムの番組としてもヒット作となったKAGAYAさんの「銀河鉄道の夜」です。本来はプラネタリウム向けのデジタル作品ですが、大型映像用にフィルム変換されたものを初めて見せていただきました。デジタルで見る以上に、解像度が高く、また発色がとても良いため、デジタルではわからないディテールが見事に再現されています。ここまでこだわって制作していたのか、と思う部分がたくさんあり、KAGAYAファンには必見でしょう。唯一残念なのは、全天周ドームフォーマットになったため、オリジナル作品の一部がトリミングされ拡大率が大きくなってしまったことです。この点が改善されるとさらに見ごたえのあるものになるのではないでしょうか。
 私自身、プラネタリウム番組を手がける一人としてとても刺激され、もっとがんばってレベルを上げなくてはと思った次第です。久しぶりに全天周映写機を見せていただき、その音や70ミリ10パーフォレーションのフィルムを懐かしく思った次第です。
 村田さんから教えていただいた、和歌山名物のラーメン店は長蛇の列で食べることができなかったのがとても心残りです。
余談:
 1日目終了後は花火大会の影響で車の出入りが規制されたため、マリーナシティから海南市駅前のホテルまで徒歩で帰りました。地元の方々に歩いてどのくらいかかりますか?と聞くと口をそろえて歩くのは無理でしょうと言われました。でも私たちはどんなに疲れていても1時間程度の道のりは歩くのです。「散歩でダイエット」のコーナーを見ればわかるでしょ。ちなみにホテルまでは1時間かかりました。疲れた・・・。
賑わう「和歌山マリーナシティ」 わかやま館(奥の建物) 設置したドーム 投影中の様子
5月9日(土)
移動式プラネタリウム(東海大学湘南キャンパス4月29日)
 去る4月29日に東海大学湘南キャンパスにおいて移動式プラネタリウムの投影を行いました。この投影は、東海大学チャレンジセンターと物理学部理学科の共催で「モバイルプラネタリウム!みんなで楽しむ日食教室」の一環として実施されたものです。東海大学では7月22日の皆既日食に関して、大学の所有する海洋調査研修船「望星丸」を使用してトカラ列島において観測を行う予定になっています。また、全国の各校舎の観測拠点を結んで同時観測プロジェクトを展開する予定です。そこで今回の移動式プラネタリウムでは、ビデオプロジェクターも使用して、私共がこれまでの日食で撮影した実写の画像等を交えて、皆既日食の話を中心に当日の皆既中の星空や、その日の夜に見られる星空を再現しながら投影を行いました。
 投影は祝日の午後から夕方にかけて実施したため、はたしてどれだけの方にご覧いただけるのか不安でしたが、その心配は無用でした。先生や学生の皆さんをはじめ、地元の小学生やその保護者など毎回満席の状態でした。大学側からのリクエストで、通常行っている、その日の夜に見られる星空解説とは異なり、変則的な投影となりましたが、イベントを企画された「日食教室」リーダーの岸さんからの情報では、実施後のアンケートでは、「感動した」、「もっと見たい」といった感想が多かったとお聞きして、安心しました。
 このイベントは学生の皆さんが中心となって企画されたものですが、私共との事前のやり取りから当日の実施体制までとても綿密で、ぜひとも成功させなくては・・・という気迫が伝わってくるものでした。私共もプレッシャーがかかりましたが、学生の皆さんのチームワークの良さと、若さ、そしてそれをバックアップする先生方の様子をみて、とてもうらやましく思った次第です。7月22日皆既日食当日の観測もぜひ成功させてもらいたいと祈っています。
 下の写真は当日の様子です。
受付の様子 ドーム前で記念写真 投影前の様子 メンバー全員との記念写真
5月7日(木)
AF BORGその後
 このところ撮影に行っている余裕がありませんが、GWに突入する前に、カメラの設定をいろいろ変更した結果、だいぶ満足する画像が得られるようになってきました。すでにAF BORGで撮影した写真がたくさんありますが、こちらの方も整理している時間がありません。今日は1日中事務的な処理に追われてしまいました。年をとってくると体の疲れが2日後に出てくるようで、BORGの中川さんのようにエンジン全開とはいきません。エンジンの各パーツがだいぶ劣化しているためでしょう。
 AF BORGは合焦範囲が狭いのでそれなりの熟練が必要ですが、それでもマニュアルでピントを合わせるよりははるかに楽です。ただし、トビモノはまだ良いものが撮れていません。・・・て、あれだけスピードの速いカワセミをどうやって合成焦点距離が1700ミリもあるカメラのフレームに納めるのでしょうね。F1並でしょうか。F1は動きが予測できますが、カワセミは無理。先日は飛び込みのシーンを何枚か撮影しましたが、すべてピンボケでした。写真の方はなるべく早いうちにギャラリーにUPしたいと思います。
5月6日(水)
未曾有の大渋滞
 GW後半は「わかやま館」で移動式プラネタリウムの投影を5月3日(日)から5月5日(火)まで行いました。ETC割引の影響で、高速道路が大渋滞になることが予測されていました。これがどのくらいの渋滞なのか、まったくわかりませんでしたので、時間に余裕を見て5月1日(金)の夜10時30分には横浜を出ました。深夜にできる限り距離を稼ごうと考えましたが、東名高速の横浜町田インターを通過したときに、これでも対応が甘かったことがわかりました。渋滞はすでに始まっていたのです。
 インターの料金所から渋滞は延々と続き、浜名湖を通過したのは翌日5月2日(土)の午後でした。通常は、深夜に横浜を出ると翌日の早朝には、京都の手前の大津のサービスエリアで朝食をとっていますので、いかに今回の渋滞が未曾有のものであるかがわかります。昨年のお盆の時期に大阪で投影をするため、東名を走ったときでさえもこれほど激しくはありませんでした。これほどの大渋滞を経験したのは生まれて初めてです。そもそも、夜に移動してしまうことが多いため、渋滞に巻き込まれることはまれです。その後も渋滞は続きました。いつになったら到着できるのか不安になりました。そこで、亀山インターで一般道に下りて、そこから海南市まで約200キロ、一般道をひた走りました。海南市に到着したのは5月2日(土)の夕方5時30分過ぎです。ここまでなんと、休憩や仮眠を挟みながら19時間もかかったことになります。本来であれば休憩などを含んでも8時間くらいで到着できる距離でしょう。
 帰りも、渋滞に巻き込まれました。しかし、早朝はさすがに車が少なくなり、愛知県付近から横浜までは渋滞なしで走ることができ、早朝には横浜に到着しました。それでも11時間を費やしてしまいました。
 肝心の投影の方は、「わかやま館」のスタッフの皆様の親切できめ細かな対応に助けれられて、とても順調に楽しく投影をさせていただきました。詳しいレポートは、近日中に写真を整理して東海大学での投影とともにUPしたいと思います。
 疲れましたが、時間に余裕をもって行動したため、渋滞中でもいろいろ楽しみを見つけながら走ることができました。それにしてもサービスエリアやパーキングエリアに入れないほどの車の量には驚きました。とても貴重な体験をしたゴールデンウィークでした。
 写真は愛知県付近の下りの渋滞の様子です。
4月28日(火)
プラネタリム番組「はるかなる木星へ」ナレーション収録
 ゴールデンウィーク突入直前ですが、今日は東京のスタジオで表記番組のナレーション収録がありました。この番組に関しては、1月22日(木)の「プラネタリム雑記」で説明させていただいたものです。このあと、数日後に音楽や効果音とのミキシングを行うと、番組の音が完成します。映像の方は、すでに全体の流れが形になっています。ナレーションは野島裕史(のじま ひろふみ)さん(シグマ・セブン)です。とてもやわらかく、しかも情感たっぷりのナレーションに仕上がっています。
 この番組は3月末に完成を予定していましたが、いろいろな部分に修正を加えたため、少し遅れてしまいました。番組のバックに流れる音楽は、すべて新たに作曲していただいたオリジナル曲です。随所にCG動画をふんだんに使用しているため、プラネタリムにふさわしい本格的な科学番組になるのではないかと考えています。投影が行われるプラネタリウム館に関しましては、発表できるタイミングを見ながらお知らせしたいと考えています。「2009年皆既日食解説キット」に続く、私共とエクスプローラーズ・ジャパン株式会社の共同制作の第2弾です。
4月27日(月)
ハードウエアチェック
 ゴールデンウィーク中の各地での移動式プラネタリウムの投影に備えて、今日は投影機などのハードウエアチェックを行いました。左の写真は、チェックの合間に撮影したメガスターゼロと、それを制御するコンピューターや電源部などの写真です。テーブルの上に簡単に乗ってしまうほどコンパクトですが、投影される星の数は220万個と、一昔前の常設館用に製造されたプラネタリウム投影機から映し出される星の数を圧倒的に上回ります。本来、この投影機はドーム直径が11メートルまでカバーできますので、私共が所有する移動式の7メートルエアドームでは、光量がオーバースペックとなるため、少し光量を絞って投影しています。相変わらず順調に作動してくれています。
 GWの高速道路の混雑状況を考えると、今回も夜のうちに高速道路を移動しなくてはなりませんね。GWが終わるまでは、プラネタリウム用のCGコンテンツのクリエイターから、プラネタリウム解説者へと頭をきりかえなくてはいけません。
4月20日(月)
ボーグ沼
 天体望遠鏡をカワセミの撮影に使用しはじめ、さらにAF化(厳密にはセミオートフォーカス化)に改造したことで、「AF BORG」のコーナーまで作ってしまいました。これを見たトミーテック オアシス・ダイレクトの中川さんによれば、私はもう、ボーグ沼から抜け出られないそうです。確かにBORGができた当初から使用していますので、もう相当沼の底に沈んでいることになります。沼の底に引きずり込んだのは中川さんでしょうか。そのような意味では、私もこのホームページに「日食」のコーナーを作り、日食沼にツアー参加者や、プラネタリウムをご覧いただいている方々を引きずり込んでいる一人かもしれません。こちらも一度はまると抜け出るには、相当の覚悟が必要です。特に皆既日食は一度でもその現場で体験したなら、その人の人生観までも変えてしまうような衝撃に襲われることでしょう。
 今日は、都内某所で全天周のCGコンテンツ数本の試写に立ち会いました。どれも力作ぞろいで、これらに対抗して独力でレベルの高いコンテンツを作り出していくには、相当な時間と労力を覚悟しなくてはなりません。ひとりで取り組むにはきわめてハードルが高く、私の年齢では無理があるのかもしれません。(といいつつあきらめる気持ちもない、複雑な心境です・・・。)
4月17日(金)
AF BORG
 カワセミの撮影に使用している天体望遠鏡はBORG125ED(旧製品)とBORG100ED(旧製品)です。どちらもマニュアルでピントを合わせるため、その間にシャッターチャンスを逃がすことがたびたびです。ネット上に、この望遠鏡をAF化するためのレポートがいくつかあり、最近それらを参考に、AF化に改造を行いました。動作は順調です。またこれまであと一歩と思っていた解像度も、望遠鏡の性能ぎりぎりまで出せるようになりました。しかし、別の問題も発生しました。カメラのボディーを変更したため、出力される画質が従来のものに比べると、私の好みではありません。追求するといろいろ問題が出てきて悩みは尽きませんね。いま、これらのレポートをHPにUPするための作業を行っています。
 7月の皆既日食に関するツアーの手続きもほぼ終わり、こちらの方も、いよいよ機材の準備に入ります。
4月9日(木)
ナイトクルージング
 あわただしい1日でした。午前中は東京で打ち合わせを行い、その足ですぐ戻り、午後からは神奈川県内の某所で、ある企業が企画した事業の一環として天体観望会を行い、参加者にリング消失前の土星を21センチ反射望遠鏡で見ていただきました。リングは一直線上に近く、まるで串に刺した団子のようです。それでもはじめてみる土星の姿に皆さん感激されていたようです。
 そのあと事業の主催者からのお誘いで、超豪華クルーザーでナイトクルージングを体験しました。朝から初夏を思わせるようなポカポカとした1日でしたが、その穏やかな天気は夜まで続き、海は無風でべた凪の状態でした。月齢14に近い月が海面を煌々と照らし出し、西の空には冬の終わりを告げる冬の大三角形が地平線に近く、東の空には春の大曲線が姿を見せていました。
 クルーザーがかき分ける海面には、珍しい夜光虫が青白い光を漂わせており、まるで、テレビドラマの一場面のような、優雅で幻想的な、とても貴重な体験をさせていただきました。久しぶりに反射望遠鏡をベランダからフィールドに持ち出したため、少々疲れましたが、とても心地よい疲労感でした。
 去る4月5日(日)には横浜サイエンスフロンティア高等学校の開校記念式典と入学式が行われ、式典の方に科学技術顧問の立場で出席しました。前期選抜試験の競争率が5倍を超え県内公立校で最高となったこの学校がいよいよ動き出します。

  過去のプラネタリウム雑記
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   平成20(2008)年10月から12月
   平成20(2008)年6月から9月